[Day010][25]やはり、嫁と子供が優先。

<<おぎゃあああ>> :息子の、むーさん。生後2ヶ月半。

『オイラです!』   :父親の、むーさい。生後だいぶ経つ。

「嫁です!」     :母親の、みーさん。生後だいぶ経つ。

 〜こんな展開!   :前記父が、前記母に対して語っている、物語。

 その他は、通常の描写とか、父母の会話とか。

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今日は、第25話からスタートだ。

1日3話。このシリーズは26話で1クール。



「ってことは、1こ、違う話が割り込む? それとも、新シリーズ開始?」と、嫁のみーさん」

『どうしようねー』と、むーさいことオイラ。



 ~KZK48の第1次選抜を通ったむーさんと、サポートメンバーのむーさい、みーさんの3人で、2日目の練習に参加。

 ~担当の先生がめちゃめちゃ厳しい。

 ~フォーメーションの中の、むーさんの位置は、前列から3列目の右から2番目。

 ~でも、練習は始まったばかりで、これからの頑張り次第! 


 ~『昨日の今日で、もう筋肉痛だよね』とむーさい。

 ~「あたしもー」と、嫁のみーさん。

 ~むーさんは、「んー。んー」と脱力している。


「お風呂に入ってるときみたいな?」

『そうそう。湯船に入ってる時も脱力してるけど、キックが強くてさ』

「あはは」


最近のむーさんは、本当に蹴りが強い。

足元のバスタオルを何度もキックしてビリビリに破いちゃったし。



 ~スタジオに入って「おはようございます! よろしくおねがいします!」と挨拶。

 ~みんな、朝が早い。

 ~そして、1日目と比べて、家族がごっそり減った気がする。


「やめちゃうんだ!」と、嫁。


 ~そんな中、先生が入ってきた。一同「おはようございます!」


 ~「皆さん。今日は2日目です! 練習に入る前に、お知らせが」と先生。

 ~「2日目にして、5家族、脱落が出ています!」

 ~スタジオにいる家族たちに、衝撃が走る。


 ~「でも、みなさんも、いつでも辞めてもらっていいです。ついてけないと思ったら」

 ~「私達は、お客さんに見せるためのを練習をしてるんです。そのレベルに達しない者は、いつでもやめてもらって結構です」


「じゃあ、脱落した5組の家族って、来るなって言われちゃったの?」

『そこはどうだろうね。作中のスタジオにいるオイラ達には、分からない話だからね、それは』

おっけー。じゃあ、お話に組み込むか。嫁の疑問も。


 ~そんな「推測」を、みーさんがしているのに対して、オイラは、そうかもねと返す。すると先生が

 ~「そこ! 無駄話するなら帰っていいよ!」



「帰らない! あたしは帰らない!」

『いや、そこを決める決定権は、作中の先生の方だから(笑)』



 ~肝が冷えたところで練習がスタートした。

 ~まずはオイラがむーさんを抱えて踊るが、ななかなうまくいかない。きのうの筋肉痛も邪魔をする。


 ~「そこ! 動き遅い!」

 ~「また遅れてる!」

 

 ~基本、怒られてるのはオイラであって、むーさんではない。

 ~息子を抱っこして操っているのはオイラ。なので、トレーニングは大人であるサポートメンバーへのものだ。


「あははは」


 ~そうこうしている間に、踊りの途中で倒れる音がした。

 ~今の親の年代で、運動してない人は、この動きにはバテる。


 ~そんな感じで2日、3日、4日とレッスンは進む。

 ~初日で5組も家族が辞めたけど、その後の減りは少ない。みんな本気なんだ。



 ~そして、レッスン開始し2週間目の今日。踊りの最中に、先生が「はいストップ!」と言って曲を止めた。

 ~その時は、嫁のみーさんがむーさんを操っていたんだけど、先生が

 ~「それでは、そろそろ本番に向けたフォーメーションを決めたいと思います」と言い出した。


 ~ついに来たか。

 ~おそらく、この2週間の踊りっぷりを見て、割り当てる感じなんだろうな。


 ~「まず、KZK48は、本家の48の前座のような位置づけになります。本家のグループが数曲踊った後で、特別枠として尺をもらい、そこで2曲程度、KZAのダンスを披露します」

 ~「正直、今のレベルの貴方たちを、何曲も舞台に上げるわけにはいきません」

 

 ~先生がそう言って、フォーメーションの立ち位置決めが始まった。


 ~センターを任されたのは、例のヒップホップ系ファミリーグループの、あの人達。

 ~肝心のむーさんは、相変わらずの定位置である、前から3列目、右から2番目のあたり。まだ目立ててないようだ。


 ~決められたポジションに不満なのか、「なんだよ!」という顔をしている家族もいる。これは先生も予期していたようだ。

 

 ~「いい? みなさんは、ファミリーアイドルとしての踊りを、誰に届けたいの? 私? 違うでしょ! お客さんですよね!」

 ~「こうやって集まって練習しているのは、それが目的。ステージに立つ以上、プロなんだから、ちゃんと理解して進んでってください!」


 ~確かに、プロとして正論。

 ~「なんだよ偉そうに!」って表情の家族もいれば、「なるほど、確かに」と頷いている家族もいる。 

 ~感動(?)で泣き出す子供も。

 


 ~「はい、そして2曲目について。フォーメーションは、毎日変えます」

 ~びっくりした表情の、多くの家族達。

 

 ~「2曲目は、やりながら、ポジション取りとかフォーメーションを模索して行きたいと思います。つまり」

 ~先生は、びしっと指をさして、

 ~「後ろの列のあなたたちにも、センター取りのチャンスがあります。必死にくらいついてきてください!」

 

 ~「はい!!」と大声のメンバー達。

 

「2曲めのサポートメンバーは、むーさいと、あたしの、どっち?」

『わかんないよね、みーさんにしとく?』

「おにいさんがやるべきでしょ(笑)」


 ~2曲目にはセンター取りのチャンスがある、という事が発覚したので、その曲のサポートをどちらがやるかを、嫁と休憩時間に話し合った。オイラが汗だくで、むーさんを抱っこしながら。


 ~『1曲目はポジションがほぼ決まったから、言われた事をしっかりやればいい。2曲めはどうなるかわからない』

 ~「頑張れる方がやればいいと思う」と嫁のみーさん。

 ~『みーさんのほうが舞台度胸があるよね。体力はオイラだね』


 ~『やっぱり大事なのは、体力よりも、むーさんと接している時間だと思う』

 ~『主役はあくまで、むーさんだから。いかにむーさんを輝かせられるかだから』

 ~『だから、みーさんがサポートで良いと思う。オイラは1曲目の規定の方を、しっかり支えるからさ』


 ~そしてその後も、練習はどんどん続いていった。


『以上、第25話ねー』

「はやい!」


 次で、締められるかな?


<了>

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