[Day005][12]ピンチ解消、またピンチ

【用例】

<<おぎゃあああ>> :息子の、むーさん。生後2ヶ月半。

『オイラです!』   :父親の、ムーサイ。生後だいぶ経つ。

「嫁です!」     :母親の、みーさん。生後だいぶ経つ。

 ~こんな展開!   :前記父が、前記母に対して語っている、物語。

 その他は、通常の描写とか、父母の会話とか。

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さて、いよいよ、地区予選の処理だ。

ここで、何か「事件」を起こさなければならない。

地区予選後にも、「曲を書き直す」というイベントを起こさなければならない。


うへえ。処理できんのか、こんなの。


「じゃあ、第12話ー!」と、嫁のみーさん。

『いくよー』と、ムーサイことオイラ。


 ~タクシーで移動した先は、東映のスタジオ。ここでイベントだ。

 ~何か、いろんなお客さんが居る


「え? スタジオなのに、そんなに人が集まるの?」


 ~スタジオの近くには、映画館も、大きなLIVINもあるから、家族連れとかが遊びに来てたんだ。

 ~そしてたまたま、今日やっていたファミリーアイドルのイベントに釣られて、スタジオにふらふら~っと入ってきたってわけ。


「なるほどねー」


ただし、実際にそんなに入れるような構造に、東映のスタジオがなっているかは、わからない。オイラは入ったことないから。


 ~地区予選である西武池袋「戦」では、各ファミリーアイドルは、2曲披露する。まずはくじ引きで決めた順番に1曲披露。そして、その1曲目に点数をつけ、点数の低い順番から、2週目を披露だ。

 ~僕らは、くじびきの結果、5番目に登場することになった。あの、横入りしてきた嫌なファミリーは、10番目だ。

 ~緊張の中、僕らは最後の練習をした。

 ~スマホで小さい音でかけた曲にあわせて、振りを確認する。

 ~よし、できることはやった!


 ~いくぞ!


 ~私たちの1曲目がスタート。

 ~このファミリーアイドル結成初期、つまり、息子のむーさんと、父親であるムーサイことオイラが、最初にやった曲で、近場の公園でライブしたら、人が全く来なかった、あれだ。

 ~あの時と違うのは、お客さんの入り具合。

 ~イベントだけあって、結構な数のファミリー層が、ステージを見てくれる。

 ~踊り終わった後に、拍手が来た。

 ~「うれしいね!」という、家族の中の誰か。


『誰なのか特定しろよ!』と自分でツッコミを入れつつ、話を先に進める。


 ~お昼ご飯を食べながら、私たちの2週目を待つ。


「まだ食べてなかったんだ!」と、嫁。

『午前中スタートだったんだよ』と、オイラ。


だって、赤ん坊がいるんだよ? 終了時間も早くしないと。

お風呂に入れて、遅くとも夜9時には寝かしつけないと。


 ~そして、バトル1周目が終了。

 ~僕らの順位は……2週目の順序は……

 ~2週目は、2番手での登場になった。


あまり評価されなかった感じにした。だって、ランキング110位設定なんだし。


 ~そして、それよりもっと、私たちが落ち込んだ原因、それは……

 ~ダンスかぶり、だった。

 ~そう。1周目の10番目に披露した、あの横入りファミリー。

 ~あのファミリーのダンスが、僕らの2週目のダンスと、凄く似ていたんだ。


「え、それって、むーさい(オイラ)をみんなでやっつける、ドラクエのバトルっぽいやつだよね?(笑)」

『あ、そういえばそうだね』

「そんなのが被っちゃうの! (笑)」

『ほ、ほら、ドラクエって有名じゃん? だから、着想も被ったんだよ、きっと(苦笑)』


そんな感じで、地区予選の縛りである、(何か事件が起きる)をクリアーしたつもり。


ただ、嫁の指摘どおり、確かに、そんな振り付けが被るって、おかしいんだよね。リアル感出すのって、難しい。


『ほい、第12話、しゅうりょう!』

「おもしろかった! 予告編まだー? (笑)」

『えっと……』


 ~大変! 私たちの2曲目なんだけど、あのイジワルなファミリーと振り付けが被っちゃった! 2週目の出番はすぐなのに! 大ピンチ! どうするあたしたち! 次回、奇跡わっしょい! お楽しみに!


わっしょいって何だ(笑)


あと、ノープランだからって、適当にしゃべると自分の首を絞めるっていうのを、そろそろ学んだほうがいいね、オイラは。


明日は、奇跡を起こさなきゃいかんのか…… 


助けて神様! って、オイラが神にならんと!

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