[Day003][06]え、西武池袋「戦」?

【用例】

<<おぎゃあああ>> :息子の、むーさん。生後2ヶ月半。

『オイラです!』   :父親の、むーさい。生後だいぶ経つ。

「嫁です!」     :母親の、みーさん。生後だいぶ経つ。

 〜こんな展開!   :前記父が、前記母に対して語っている、物語。

 その他は、通常の描写とか、父母の会話とか。

----------------


「はーい、じゃあ、第6話おねがいー」と、嫁のみーさん。

『あいよ』と、むーさいこと、オイラ。


 〜ニコニコ超会議に参加できるのは、地方予選を勝ち抜いた厳選チームだけ!


「地区って、九州地区とか?」と、嫁のみーさん。

『まあ、そうだね』と、オイラ。


 〜地方ブロックは色々あるけれど、東京近郊は、「線路ごと」のブロックに分かれている。


「線路ごと?」

そんな嫁の疑問に、お話で返すオイラ。


 〜居住者の年齢層とか属性は沿線毎に違う。だから、沿線毎にブロックを作ったんだ。


「えー、じゃあ山手線は全部一ブロックってこと?」


 〜そう。山手線ブロックと、西武線ブロックと、東武東上線ブロック、みたいに分かれている。


「なにそれー? (笑)」


 お? 結構食いつきがいいぞ? ここを広げるか。


 〜しかし、西武線のブロックは特殊で、西武池袋線と西武新宿線はまとめて一ブロック。でも、西武拝島線と、西武秩父線は、それぞれ別のブロックなんだ。


「どうなってるのそれ! (笑)」と、嫁。

 

 〜地方ローカルネタで申し訳ない。ブロック毎の居住人数に、差がありすぎる仕様なんだ!


「山手線とか、人多いもんね」


 〜そう。ただし、住んでいる人でカウントするから、新宿にかよっている人とかは、住んでいる場所のエリアに入る。


 〜池袋線沿線なんか、ファミリー層が多いからね。

 〜ほら、選挙だって、一票の格差が問題になったりするでしょう?


「また難しい事言った!」

と、ツッコミを入れる嫁。 え? そっちに?


 〜ヒゲが伸びてるからね(笑)


「なにそれー? (笑)」


この瞬間、オイラに、謎の属性が付加された。

すなわち、ヒゲが伸びると、小難しい事を言い出す、という属性だ。


 〜とにかく、そんな感じ! 強引にまとめに入ろうとするオイラに対し、


「えっと、しつもーん」

『なんでしょ?』

「池袋駅近くに住んでいる人は、どのエリアなの?」


うっ!

やばい。そこは全然想定していなかった。


池袋駅には、西武線も、山手線も、埼京線も、有楽町線も、東武東上線も、丸ノ内線も、副都心線も、乗り入れしている。

この場合、どこのエリアに入るのか?


まったく考えていなかった。


「ええーっと、それは……」

「……」

「そう! どこでも一つ、自由に選べるんだよ!」

『あ、じゃあ一回決めたら動かせないけど、どれでも良い、ってことね?』

「そうそう! それ!」


ううむ、これだと、結節点の駅に住んでいる人はかなり有利だな。

選択の自由度が高すぎる。

しょうがない。そういう流れになってしまったし。


「よし、じゃあ第6話、ここまでー」

『はい、予告! 予告!』


オイラの思考が、池袋駅の住人の有利さに全部取られていたんだろうな。

またしても、自分の首を締める事を言ってしまった。


 〜西武池袋「戦」を目指すうちらムーズ。でも、なんと、参加には、曲が「2」曲必要なことが発覚! あたしたち、どうなっちゃうの?

 〜次回、メグライブ! 「むーさん、作詞する!」お楽しみに!


「えー! むーさん、作詞するんだ!!」


し、しまった……

生後2ヶ月半の赤ん坊ですよ? むーさんは。


『お、おう……』


これ、明日ホント、どうしよう。


「ドラクエー!」と、嫁。

 そう、現実世界のむーさんは、もうとっくに、眠りの世界に行っていた。

 ちょっと、鼻がつまって、ふごっと聞こえた。

 

 オイラは、ベビーベッドの柵を上げた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る