[Day002][03]1日3話、なんて無理ゲー?

【用例】

<<おぎゃあああ>> :息子の、むーさん。生後2ヶ月半。

『オイラです!』   :父親の、むーさい。生後だいぶ経つ。

「嫁です!」     :母親の、みーさん。生後だいぶ経つ。

 〜こんな展開!   :前記父が、前記母に対して語っている、物語。

 その他は、通常の描写とか、父母の会話とか。

----------------


「ほんでは、第3話よろしく!」

嫁の、みーさんが、ニヤニヤした顔でそう先を促す。


『うーむ』

むーさいこと、オイラは、あいづちで時間をかせぐ。

そんなにポンポン展開なんて思いつかないんだよ。


とりあえず、公園で初ライブをしたら誰もいなかった、という所までは来た。


じゃあ、登場人物、ってか、うちらに、次に何をさせれば良いんだろう?

困った時は、新キャラの登場ってのが、結構、お約束だったりするよね。


よし。じゃあ、キャラを増やそう。


 〜公園で、僕らムーズのライブを見つめていた、嫁のみーさん。

 〜そうだよね。息子のライブは気になるよね?

 〜『入っちゃえばいいじゃん!』

 〜オイラは、そう言って、嫁を加入させた。


「ちょっと、勝手にメンバーにいれないでよ!」と、嫁のみーさん。

『だから、赤ん坊では駆動できないんだって!』と、むーさいこと、オイラ。

「駆動(笑)」


こういうのを、なんて言うんだっけ? 

やっつけ?


そう。いつもと違って、伏線なんか張る余裕ない。


なんか、新キャラ登場するときは、そのキャラを印象付けるエピソードなり、何か後で効いてくる仕掛けなり、準備したい所。

でも、即興のお話だと、そんなのを作ってる余裕が無いんだ。

後でなんとか整合性とるしかないね。


 〜かくして、親子3人の、ファミリーアイドルが結成された!


とりあえず、それっぽいヒキにはなったんじゃないか?


『なんとか、3話終わったー』と、宿題の終わりを告げるオイラに対し、嫁のみーさんは、無常の追撃を加えた。


『はい、じゃあ、次回の予告ね♪』

「っっは?」


予告、だと……? ゴクリ。


完全に頭の中は空っぽなんだが。


ええい!


『遂にそろった、ムーズ3人衆! 曲も決まって、本格稼働が始まる! 次回をお楽しみに!』


うし、なんとかそれっぽい予告に……


「本格稼働かー。どんな事するんだろうねー? ニヤニヤ」


『そ、それは、明日のお楽しみだよ!』


そう言って逃げるオイラ。なんか、あれ?

次回の内容に、縛りを入れちゃった?


何を稼働させるのか、しゃべらないといけない?


「あ、むーさん、寝たよー!」、と嫁。


ベビーベッドを覗くと、息子のむーさんが、くーくー気持ち良さそうな寝息を立てている。


『うし、じゃあ、ドラクエやるか』

「あいよー」


息子が落ちないよう、ベビーベッドの柵を上げた。


さて、ドラゴンクエストヒーローズⅡ。昨日は全滅したからな。


絶対リベンジしたる!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る