[Day002][01]困ったらテンプレ、それがお約束

【用例】

<<おぎゃあああ>> :息子の、むーさん。生後2ヶ月半。

『オイラです!』   :父親の、むーさい。生後だいぶ経つ。

「嫁です!」     :母親の、みーさん。生後だいぶ経つ。

 〜こんな展開!   :前記父が、前記母に対して語っている、物語。

 その他は、通常の描写とか、父母の会話とか。

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「じゃあ、今日の1話目おねがいー」

嫁の、みーさんが言う。


ノープランでございますよ!


『えっと、どういうのがいいの? 話して欲しいジャンルとか』と、オイラ。


「なんでもいいー! むーさんと、むーさいが出てくれば!」


ううむ、どうしよう?

何も思いつかないぞ?


困った時は、テンプレに乗せるのがいいよな。

まだ、守破離の、守の位置にいる、初心者なんだし。

よし、嫁が好きな作品をテンプレにするか。


『うーんと、じゃあ、メグライブで』

「メグライブ?」

『そそ』


要は、ラブライブだ。確か嫁は好きだったはず。

息子のむーさんが「めぐむ」君だから、メグライブ。


といいつつ、父母揃って、息子のことを「むーさん」「むーさん」と呼んでいる。

むーさんは多分、自分が「めぐむ」であることを認識していない可能性が高い。


そして、それ以上の問題がある。


それは、オイラが、

ラブライブを観ていないって事。<- コレ!


確か、学生の女の子が、集団を作って、スクールアイドルってのになるんだったよな? 嫁曰く。

中学生か、高校生ぐらいのお話? 大学の話じゃないよな、多分。


知らない話を、知ってるフリして話す、みたいな事をやれば良いだろう。

いいよ、やったるよ!


 〜これは僕らが、ファミリーアイドルを結成する話!


そんな感じで、オイラはお話を始めた。

実際には、かなりの噛み噛みで、滑舌とか表現も、もっとおかしい。

しゃべりは苦手だから。


「ファミリーアイドルwww」

『いや、そういう感じのやつっしょ!』


いいじゃん、アットホームで。

どうせ、どこにも公開しないんだから。

公開しちゃってるけど(笑)


「グループ名は?」

『むーさんがメインだから、ムーズで』

「ムーズwww」


元ネタでは、ミューズっていうグループらしい事は知ってた。

だから、普通にもじった。


 〜オイラは、むーさんに駆け寄った。

 〜ねぇねぇ! アイドルになろ! ファミリーアイドルに!


唐突な展開。

作中のオイラが何故そう提案したのか、その動機がはっきりしない。

確か、物語が始まるには、動機が必要だったはず。

どこかで、そんな知識は、目にした気がする。まだ使いこなせはしない。


本来ならば、自分が目立つのは、オイラ大嫌いなんだが。むさいし。

しかし、このテンプレなら、しばらく尺を稼げるだろう。


 〜むーさんは<<ンフー>>とか言ってる。


赤ん坊だしな。


 〜じゃあ、オイラがどんどん話進めるね! いい? むーさん!

 〜<<ンフー>>


赤ん坊だしな。


赤ん坊と父親だけじゃ、話を展開させようがない事に、薄々気づき始めた。

物心つかない相手とは、セリフの掛け合いができないんだ。


子連れ狼みたいなチャンバラなら、成立するかもしれない。

それにしたって、「生後2ヶ月半」は無い。

大五郎だって、それなりに「ちゃん!」とか言ってる。


サザエさんに出てくるイクラちゃんだって、

「ハーイ」「チャーン」「バブン」って言うし。

ハーイがイエスで、バブンがノー。チャーンがハーイ! って感じか。

うへぇ。カオス!


とにかく、赤ん坊は能動的にアイドル活動なんてしない。


でも、ライブだよな、やることと言えば。メグライブなんだから。

よし。


 〜じゃあ、早速うちら、ムーズの初ライブだね!

 〜<<ンフー。アフー>>

 〜初ライブの会場は、近所の公園、おうちから徒歩5分!


ちゃんと、実在の公園の絵が、オイラの頭の中には浮かぶ。

だって、家の近くにホントにある公園だもの。

そこなら、抱っこ紐で連れていけるし、リアルとも抵触しないぞ!


「えー! そんな所でやるの?」

『いいじゃん、近いしタダだし』


 〜よし。じゃあ、広告のチラシを配って、と。よろしくおねがいしまーす!

 〜僕らは、緊張しながら、初ライブの出番を待った。

 〜そして、ライブスタートの幕が、切って落とされた!


「公園に、幕なんてあったんだ! 外じゃん(笑)」

爆笑する嫁。


いや、ものの例え、なんだが……


『い、いや、初ライブだから、頑張って幕を準備したんだよ!』

「頑張ったね(笑)」

『主に、む、む、むーさい(オイラ)がね?』


赤ん坊のむーさんは、公園に幕なんて設置できないから。

基本、オイラが行動するしかない。

ムーズは、オイラとむーさんしかいないんだから。


「むーさいを噛みすぎ(笑)」と嫁。


 〜そして、幕が上がって周りを見ると、お客さんなんか、いない。


そう。確か、元ネタでもそんな展開になるらしい、ってのは知ってる。


 〜でも、公園の影に、一人だけ人影があった。

 〜嫁の、みーさんだ。


「ちょw アタシ(笑)」

『そりゃ、母親だもん、気になるっしょ?』


幕の裾から覗く感じね。

だだっ広い公園なのに(笑)


確か、この段階では、嫁をムーズに加入させて無かったと思う。

そのうち入るんだけどね(笑)

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