Sequence6 教授学の父
消極教育、つまり経験主義の授業形態が、子どもにとって詰め込み型の授業よりも良いことがペスタロッチによって実証された。
なお、詰め込み型の授業とは、教科書の知識を暗記させるという授業形態である。
ゆとり教育が拒否された今、この詰め込み型の授業形態に移っている。
さて、しかしながらペスタロッチは初めてのことで、消極教育の学校を失敗してしまったわけだ。
しかしこれは悪いことではない。
これは、彼にとっての消極教育であり、人生で新たなことを学ぶ一つだったはずだ。
ペスタロッチの学びから、ドイツを代表する哲学者であるヘルバルトは、教育法を考える。
彼は思想を繰り返していくうちに、「教授学の父」と呼ばれるようになった。
教授学……つまり「教える」方法を学ばせるわけだ。
いわば、先生の先生にあたる。
ヘルバルトは、
●教育の目的は倫理学から学ぶ(道徳性の
●教育の方法は心理学から学ぶ(発達段階に応じた方法や教材が必要)
という事を考えた。
※道徳性:善悪を判断し善い行いをしようとする心
※
そして更に彼はペスタロッチの思想を曲げ、授業を構造化した。
これを、
その内容は以下のとおりである。
(1)予備:教材準備
(2)提示:生徒に今日行う内容を伝える
(3)比較:内容を比較、議論させる
(4)総括:教授(先生)が議論内容をまとめる
(5)応用:これまでの知識を使い、応用問題を解く
この内容を見ると、「おや?」と思うだろう。
経験主義ではなく、我々が普通に机に座って勉強する学校そのものだからだ。
何故ヘルバルトは、ルソーやペスタロッチの考えを変えてしまったのか。
それは、この時代の社会における学校の位置が変わってきつつあったからだ。
では、今現代も使われている(であろう)この教育法は、正しいのであろうか?
残念ながら正しいとは言い切れないのである。
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