第14話;電話の主
ブログでの騒動以来、南の笑顔は減っていた。
事情を聞いた麗那も落ち込んだ。ブログの事をよく知らない彼女は、こうなり得る事を予想出来なかった。
そして香の心の傷が、どれだけ深いのかを悟った。
週末になり、南は雛と会う日を迎えた。
雛は、購入した本を読み終わったと言う。料理教室に通うだけの彼女は時間に余裕があった。
それに対し南は、バイトの忙しさとブログでの出来事がショックで、本には殆ど目を通せていなかった。
約束の場所に、今日も先に来ていたのは雛だ。南が店を訪れるや否や、奥の席で甲高い声が聞こえた。
南は雛の、相変わらずな元気振りを見てほっとした。卒業旅行から、ずっと変わっていないのは雛だけだった。
「お待たせ。何か、ヒナがいつも早く来るから調子狂うよ。私が遅刻しているみたい。」
「へへへ、ずっと南の事待ってたよ。」
雛に、これまでの遅刻を取り戻す気はない。ただただ親友と早く会いたかったのだ。
「で、どうだった?本の中身は?」
「そんな直ぐには読めないよ。バイトも忙しいし…。雛は、もう読んじゃったんだ?」
「本を買ってから、直ぐ読んだよ。」
雛は購入した本を、1週間ほどで読み終わった。香の事情を知りたい気持ちもあり、早く南に会いたい事が理由だ。
「あのさ…私、思うんだけど…」
雛は、南が席に着くや話し始めた。
「私達…香に謝るべきだよ。」
「…そうか…。そうだよね。」
南は、香の気持ちを知らずにいた事を後悔していた。博史や彼の友人に執った行動は理解出来ないものの、香が豹変した理由は自分にあると考えていた。
しかし、続いて雛の口から話された言葉は、到底受け入れる事が出来ない内容だった。
「悪いのは、ウエスト・Jじゃない?香は、犠牲者なんだよ。」
「…えっ……?ヒナ、何言ってるの?」
「何って?」
南は、その一言に凍りついた。
雛はそんな南を不思議そうに見返し、言葉を待った。
「香が犠牲者だってのは、私も分かるよ。でも、ウエスト・Jだけが悪い訳じゃないじゃない?」
「どうして?だって戦争は、ウエスト・Jから始めたものでしょ?本にそう書いてたよ。」
「確かに…それはそうだけど…。」
「それじゃ、やっぱウエスト・Jが悪いんじゃん?私達は、何も悪くないじゃん。」
「だけどウエスト・Jの人も、いっぱい殺されたんだよ?」
「それは、向こうが悪い人達だからでしょ?」
「……。」
南は、香と博史の友人の言い争いを思い出した。
「私が知りたかったのは、どっちが悪いのかじゃないよ。香の気持ちを理解するために、戦争でどんな事が起こって、どれだけの人が不幸になったのかが知りたかったの…。」
「私もそのつもりだったよ。でもこの本読んだら、誰が悪いってはっきり書いてるじゃん?こんなに酷い事をされて、ウエスト・Jが悪くないとは言えないじゃん?充分分かったよ。香があれだけ怒ってたのは、全部、ウエスト・Jのせいなんだよ。香は犠牲者なんだよ。香は、可哀想なだけじゃん?」
「だから、ウエスト・Jにも同じような人達がいるじゃない?その人達は可愛そうじゃないの?イースト・Jの人は、心が痛まないのかな?」
「それは、ウエスト・Jが戦争を始めたのが原因でしょ?自業自得じゃない?」
「……。」
南はもう1度、本を購入した理由を説明した。
しかし雛は頑なに、全ての原因はウエスト・Jにあったと返し、結局、先ほどの水掛け論に戻るだけだった。
南は当惑した。雛と交わした約束は、こんな結末を迎える為のものではない。
香の過去も理解出来る。しかし、不幸に見舞われたのは彼女だけではなく、ウエスト・Jの人も同じ目に遭ったのだと言う事を知り、それを香に伝えて理解してもらうのが目的だったはずだ。
「……。」
南は、何も話す事が出来なくなった。香と同じく、今の雛には何を話しても、理解してもらえるどころか興奮させるだけだと思った。
注文した飲み物が運ばれ、2人はそれを全て飲み干した。その間、会話は一切交わされなかった。
雛は、ずっと不機嫌そうな顔をしていた。南と視線を合わさず、テーブルの真ん中辺りを、睨むように見つめていた。
「外に出よ?それから、何処で食事するかを考えようよ。」
「……。」
これまでに見た事もない表情の雛を見て、場が悪いと思った南は頭を冷やしたかった。
「ねっ?そうしよ?」
返事をくれない雛に、それでも笑顔を崩さず声を掛ける。
しかし雛は、テーブルが大きい音をあげる程に膝を当てて立ち上がり、誘いを無視し、先に外へと出て行ってしまった。
南は急いで会計を済ませ、遠退く雛の後を追った。
「ねぇ、ヒナ!どうして怒るのよ!?キチンと話そうよ!」
遠ざかった雛を、大きな声で呼び止めた。
すると雛は振り向き、物凄い形相で南を睨んだ。
「ヒナ…。」
南は悲しくなった。雛も少しずつ、自分から離れて行く気がして堪らなかった。
だからと言ってウエスト・Jや博史、そして美緒を悪い人間と思って欲しくはない。
「ヒナ、キチンと聞いて。私は、香の事も理解出来る。でもそれと一緒に、ウエスト・Jの事も理解したいの。元々は同じ国の人達だったじゃない?悪いと決め付けるのも仕方ない事だと思うけど、私は、あの人達の気持ちも理解したいの。」
「そんなの、出来っこない!」
「ヒナ…。」
「出来る訳ないじゃん!殺されたのよ!?香のお祖父ちゃんも、他の人もいっぱい!大勢殺されたのに…今でも悲しいのに!!理解なんか、出来る訳ないじゃん!?原因は、全部あっちにあるじゃん!」
「そうじゃないの!…そうじゃないよ…。」
大声を出し始める雛に戸惑う南だったが、一方的にウエスト・Jを悪者にされた事で、負けじと大声を出してしまった。
「…例えそうだとしても、どうしてそれを、私達が責める必要があるのかな?私達は、戦争を知らないんだよ?苦しい思いをした事もない。それなのにどうして過去の事を引きずって、ウエスト・Jを憎まなければならないの!?」
「……。」
「博史さんは、反省しているんだよ。あの人のお祖父さんも大勢の人を殺してしまって…それを反省して心が痛いの!そんな博史さんを悪い人と言ってしまうのは、余りにも可哀想じゃない!?」
南の言葉に、少しの理解を示した雛が最後の言葉に大きく反応した。
「??博史さんのお祖父さんは、軍人だったの?」
「あっ…!」
南は過った。しかしそれはもう、取り返しがつかない言葉になってしまった。
「軍人だったなら、一番一番悪い人じゃん!?」
「!!!違うの、ヒナ。それは誤解なの!彼のお祖父さんも、誰も殺してない博史さんすらも反省しているの。過ちを反省して、今でも心を痛めてるの!」
「だからどうしたのよ!?人を殺した後で謝って…それで済むなら警察なんて必要ないじゃん!?反省したって、死んだ人が生き返る訳ないじゃん!香のお祖父ちゃんはどうなるのよ!!」
「ヒナ…。」
「博史って人のお祖父ちゃんが、香のお祖父ちゃんを殺したのよ!だから香は可哀想なの!」
「!?ヒナ!」
「何よ!!」
「……。」
南は、遂に口にしてしまった。博史の祖父が元軍人であり、多くの人を殺めていた事を…。今の雛には、それが香の祖父を殺した犯人としか思えないのだ。
「何でよ!何で黙ってるのよ!?何で香の気持ち、分かってあげられないのよ!?」
「香の気持ちは私も分かる!でも、それは香も同じじゃない?どうして香は、博史さんの事を分かってあげられないのかな!?」
「香のお祖父ちゃんを殺した人の気持ちなんて、分かる訳ないじゃん!?」
「博史さんのお祖父さんは、そんな事してない!」
「どうして分かるのよ!?いっぱい人を殺したんでしょ?それじゃ、香のお祖父ちゃんだって殺したかも知れないじゃん!」
「…でも……」
「その人に聞いた!?香のお祖父ちゃんを殺したのは、彼のお祖父ちゃんじゃないって、博史さんに確認した?」
「!!何言ってるのよ!?そんな事…出来る訳ないじゃない!?」
「それじゃ、香のお祖父ちゃんを殺したのは本当かも知れないじゃん!?違うって言うなら、博史さんに確認取ってよ!証拠を見せてよ!」
「…!!!」
南は、その言葉に胸を痛めた。
果たして誰が、そんな事を聞けるだろうか?誰かを殺めた事を反省する人間に、親友の祖父が殺されたと…その犯人はお前の祖父かと?どうしてそんな質問が出来るであろうか?
「香のお祖父ちゃんを殺してなくても、他にもいっぱい殺したんでしょ?それじゃ、どのみち悪い人じゃん!」
「いい加減にして!ヒナ!お願いだから、誰かを悪者にするのだけは止めて!」
「悪い人がいたから、戦争が起きたんじゃん!?ウエスト・Jが悪者だったから、戦争が起きたのよ!」
「ウエスト・Jにも、理由があったはずなの!」
「どんな理由があっても、そんなの理由にならないよ!少なくともイースト・Jの人が殺されたのは、ウエスト・Jのせいじゃん!?」
「だから、それはウエスト・Jも同じなの!あの人達も、イースト・Jの人に多くの命を奪われたの!」
「同じじゃない!私達とウエスト・Jは、同じじゃない!南は、同じ国の人が可哀想じゃないの!?いっぱいいっぱい殺されたんだよ??」
「ウエスト・Jも同じ国だったじゃない!?戦争中は、どっちも1つの国だったのよ!?」
「それじゃ、どうして戦争なんか起こしたのよ!ウエスト・Jは!!」
「それは……」
「ほら!何も言えないじゃん!?何も分かってないのは、南じゃん!香は可哀想なのよ!」
南は戸惑った。激しく興奮する雛を見て、答えられる返事も答えられなくなっていた。
雛は黙り込む南を見て、やはり自分や香が正しかったのだと思った。香が怒ったのは南のせいだと決めつけ、彼女を恨み始めた。
「南のせいで、香と喧嘩しちゃったじゃん!南が間違っていたのに、私…香を責めちゃったじゃん!?南なんか、大っ嫌い!絶交よ!!」
雛はそう言い残し走り去った。
南は大声で呼び止めたが、雛はもう、彼女の言葉に耳を貸さなかった。
「どうして…こうなるの…?」
こんなはずではなかった。もう1度4人で会う為に2人で購入した本が、まさかこんな結末をもたらすとは想像もしなかった。
本の中身は、どちらの思想や偏見も混じらせない、純粋に戦争の悲劇を訴える内容だった。インタビューを受けた人はそれぞれ違うが、書かれた内容は同じはずなのだ。どちらを責める訳でもなく、ただただ戦争は良くないと訴える内容のはずだ。
しかし雛は誤解をしてしまい、悲劇の根源はウエスト・Jにあると考えた。
南は泣き出しそうになった。理想の解決に辿り着けないもどかしさが、彼女の胸を苦しめた。
戦争に対して、経験も知恵もない自分を責めた。香と雛が、本当に遠くに行ってしまったとも感じた。
何処かに隠れて、大声で泣きたかった。内戦が終わったこの時代に、何故皆が過去を引きずったまま生きているのか、何故誰かを憎むのかが理解出来ない。
虚しさに支配され、自暴自虐になりかけた。
『プルルルルッ!』
そんな時、携帯電話が鳴った。番号は『非通知』と出ていた。
「もしもし…?」
「!!」
南は携帯電話を耳に当て、そこから聞こえる声の主が誰なのかを知った。
大粒の涙を流し、大声をあげて泣いてしまった。
暫くの間、涙は止まらなかった。
電話から聞こえる声は、一番会いたい人の声だったかも知れない。でも会えないから、会えない事を分かっていたから諦めていた声だ。
まさか、電話が掛かって来るとは夢にも思っていなかった声が、耳元で彼女の名前を呼んでいた。
「南ちゃん…?」
声の主は、博史だった。出張であの国にいる博史は、ウエスト・Jからは掛けられない国際電話を掛ける事が出来たのだ。
「博史さん…。」
ようやくその名前を呼んだ南は、そこで崩れ落ちてしまった。そして何度も何度も彼の名前を呼び、もっと多くの涙を流した。
しかしそれは、悲しみの涙ではない。世界中の人々が遠ざかり、皆が自分を憎んでいると思えた最中、手を差し伸べてくれた人の前で流した涙だ。
博史は、南をリストに登録してから1週間後に、彼女の名前を削除した。理由はやはり、香と友人の口論だ。
内容にショックを覚えた博史は名前を削除した後、自分は傷ついていないと友人を説得し、これ以上争う事を辞めさせた。
南の連絡先は、削除を行う前に控えた。そして出張が決まっていた博史は到着して、直ぐに電話を掛けたのだ。
本心は、メールやブログで確かめ合う事が出来ない。文字だけでの会話は、お互いが気持ちを隠して嘘をつく事が出来る。博史はそれが心配だった。南の本心が見えないのだ。
そしてそれは彼も同じだ。博史は電話を通して自分の声と思いを伝え、南を安心させるつもりでいた。
博史は香の言葉に、正直落ち込んでいた。しかし、それに耐えられる自信を着けていた。
南がそうさせてくれた。だから彼は、この口論で南が傷ついたなら、今度は自分が南を助けたいと思った。彼女には、悲しい思いを1つとして抱いて欲しくない。ましてやその原因が自分である事を、博史は望まなかった。
「南ちゃん。…どうしたの?」
南が泣き止むまでを待った博史は、声が収まった南に語り掛けた。
涙の理由は察しが付いた。一足遅かったのだ。南は、自分のせいで泣いている。彼にはそれが分かった。
電話で、何気ない話をするつもりだった。『出張であの国に来た。これから鍋料理を食べに行くつもりだ』と悪戯な自慢をし、最後にさりげなく、ブログでの口論の事を話すつもりでいた。
重い話はしたくない。それとなく大丈夫だと伝え、南の反応を見て、彼女の本心を察するつもりでいた。
「私…もう分からないんです。友達が遠くに行った気がして…。ただでさえイースト・Jとウエスト・Jに分かれた私達が…どうしてまだ戦争を引きずって、仲違いしなければならないのか…分からないんです…。」
南は、置かれた状況を伝えた。博史は胸を痛めた。自分との出会いが、彼女の人生や友達との縁を狂わせたのだと考えた。
博史は、自分の存在を見つめ直した。やはり自分は、イースト・Jの人間と話す事も許されないのだと思った。
それでも、ここで電話を切るのは良くない。このまま電話を切ってしまえば、南は本当に行き場を失ってしまう。
博史は自分が背負う罪の重さ、大きさをひしひしと感じながらも、それでも南を元気付けようと気丈に振舞った。原因を作ったのは自分だが、それでも彼女を助けるのも自分だと考えた。
深呼吸をし、自身が平静を保てているかを確認し、それが出来ているようなので、ゆっくりと南に話し掛けた。
「南ちゃん、ちゃんと聞いてね?僕は先ず、香さんが残したコメントを、何とも思っていない。君が…君が僕を勇気付けてくれた。僕はもう、誰から何を言われても怖くない。こんな僕でも、許してくれる人がイースト・Jにいると分かった事で、君と楽しくメールのやり取りをする事で、僕は強くなれた。そして、僕の友達が香さんに辛く当たってしまった事は、本当に申し訳なく思っている。彼は僕を守る為に酷い事を言ったけど、今は反省しているんだ。反省したからって…許される事じゃないかも知れないけれど…。」
博史は、自らが話した言葉に胸を痛めた。自分が背負った過去は反省したからと言って、許される事なのだろうか…?そう考えた。
それでも博史は気丈を振る舞い、言葉を続けた。
「僕は君に、皆と仲良くしてもらいたい。君が何かを背負う必要はないんだ。友達が僕やウエスト・Jを嫌いなら、否定する事なく受け止めて欲しい。僕を悪者にする事で君が誰からも責められないなら、僕は望んで悪者になる。だからもう、泣かないで欲しい。僕やウエスト・Jの為に自分を犠牲にしたり、傷ついたりして欲しくない。」
「……。」
博史の言葉は優しかった。しかし南には、彼の提案が飲めなかった。
南にとってこの問題はもう、博史の為だけではない。美緒の事もある。麗那は理想的な女性で、しっかりとした考えを持っている。
誰かを悪く言ったり、憎んだりして生きたくはない。だからと言って香や雛との友情を失う事までは望んでいない。それにこのまま2人に会わなくなったら、2人はそれこそ間違った考えのまま生きて行く事になる。
南は覚悟を決めた。博史の声を聞いて元気になれた。彼は、わざわざ外国から電話を寄越してくれたのだ。
「博史さん、泣いちゃってご免なさい。もう大丈夫です。私は必ず、友達と仲直りします。そして彼女達に、博史さんやウエスト・Jは悪くないと思ってもらえるように頑張ります。」
「……。」
南の言葉に、博史は何も言えなくなった。強い責任を感じた。
しかし博史は、冷静に南の声を聞いた。だから彼女に習って、自分も強い勇気を持つ事を決めた。
「これからは、メールでも…色んな話をしよう。南ちゃんが苦しんだり悩んだりしていたら、遠慮する事なく僕に連絡して欲しい。僕が何か助けられるなら、いつでも力になるから。」
博史も気付いていた。南が両国の話題を持ち出さない事を知っていた。そして彼自身も、持ち出す勇気がなかった。
しかし結果、南は大変な事に巻き込まれたのだ。
やるせなかった。知らずにいた自分が情けなかった。こんな事になるのなら、ショッピングモールで彼女を助けない方がマシだったとも思った。
しかしそれが、取り返しがつかない過去になってしまったのなら、せめてこれからの南を、全力で守ってあげたかった。
「…ところで南ちゃん…。」
「…?」
「僕は、今からあの食堂に向かう。1人で2人分の鍋を頼んで、お腹いっぱいになるよ。」
「あ~!ずるい!それじゃ私も、麗那さんにあの料理作ってもらいます!」
「麗那さんの鍋も美味しそうだけど、この国の、あの食堂で食べるのが最高なんだよ。」
「麗那さんと一緒に食べると、博史さんと一緒に食べるよりも楽しいです!」
「うわっ!酷いな…。あの時は言えなかったけど…南ちゃんの会話に付いて行けなかったのは僕がジジイな訳じゃなくて、イースト・Jの事を知らないだけだったんだからね!?」
「はははっ!」
何気ない話だった。博史が電話を掛けた時に、最初に話そうとした内容だ。
順番が逆になってしまったものの、彼の作戦は遂行された。何気ない話をして、南を元気づける事が出来た。
そして、これからの予行演習も出来た。博史の口から『イースト・J』と言う言葉が話され、南が笑って受け止めた。あの時は言えなかった秘密も、今では笑い話になったのだ。
これから2人は悲しい事も辛い事も、ひょっとすると誰かが憎いと言う事も、素直に話し合えるのだろう。
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