第26話 位置について、用意、ドンで撃たれた

「仕事ちゃん聞いてくれ」


「僕は悪くない」


「僕は悪くないんだ」


『ほうほう話を聞こう』


「僕はシステムを任された。数日前から。その為にタイムランを組んで必要なツールも用意しておいた」


「しかし、用意されたツールが破損して、タイムランはめちゃくちゃになり、ギリギリクリア、最低限の結果になった」


「用意されたツールを改めて調べたら半壊してて、無理に使ったため崩壊した」


「半分壊れてて、半分壊した。これは僕は悪くない」


『破壊者はお前だろーが』


「……ツールを無理やり修復しようとしてエラーを積み重ね、最終的に代理品でゴール。はははははクレイジーだろ」


『クレイジーはきみだろ』


「ほんと、そう思うよ。今回のシステムは代行で出たんだ。本来回ってこないはずだったんだ……。たった一回で壊れた」


『二回目でも壊れる可能性はあったんじゃないか? 三回目四回目で壊れない自信はあった?』


「そこなんだよ、一回で壊れたのが悪い!」


『本当にそう思ってる?』


「……」


「……いいや、本当は全部自分が悪いんだ。無理にツールを使ったのは時間が間に合わないからだったんだ」


「その結果、タイムオーバーしまくって最低限のことしかできず、破損したツールは治らなかった」


「……誰が見ても呆れる結果さ」


「なにもかも、うまくいかないんだ」


「がんばろうとしても、からまわるし、失敗する」


「それでも、やらなくちゃいけない、前に進まないといけない」


「そうしないと死んでしまうから」


『じゃあやるしかないじゃん』


「……この答えも問答も何度も繰り返してる」


『つまり失敗も繰り返してるんだね』


「明日はいい日になりますように」


『現実逃避している君がまたひどい目にあって、ここに逃げてきますように』


「君はひどいな」


『そういう君の人生はひどいな』


「寝よう。明日は06:00に出よう」


『五時間しか寝れんじゃないか』


「わかってらー」


――END――


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