第11話/仕事の連勤術師

仕事ちゃん「さ、今日も仕事しよっか」


社畜くん「うへー。もう仕事したくないよー」


仕事ちゃん「そうは言っても体は正直に仕事を欲してるじゃないの……」


社畜くん「嫌だー、頑張りたくない働きたくない家でゴロゴロしていたい!」


仕事ちゃん「まあそれでもいいよ、仕事しなくても」


社畜くん「ホントに⁉」


仕事ちゃん「ええもちろん。でもあなたは空気を吸うことができないわ」


社畜くん「首を絞める気か!」


仕事ちゃん「いいえ違うの。貴方は仕事をしているから空気を吸っていることが無意識にできるのよ」


仕事ちゃん「仕事をやめたら、貴方は空気を吸うことを意識しなければならない」


仕事ちゃん「空気を吸うことが仕事になり、それすらも辞めたくなるッ!」


社畜くん「そ、そんな馬鹿な! たかが空気を吸うだけだぞ」


仕事ちゃん「それだけじゃないわ。寝る事も、食事をすることも、風呂に入る事も何もかもが仕事となる」


社畜くん「や、やめろ……オレは働きたくないんだ」


仕事ちゃん「今、貴方には仕事がある。その仕事を辞めれば……別の何かしらが仕事になる。貴方は一生、死ぬまで、仕事から逃げる事はできない」


社畜くん「いやだぁぁああああああああ!!!!」


――fin――

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