設定集Ⅲ メカニック
・脊髄接続
長期化した戦争によって、安定的な確保が出来ないパイロットを補う為に開発された技術。
体内各所にナノマシンを移植することによって、脳から発生する体内電気をナノマシンが機体側に中継し、メインコンピューターによって機体に反映される。これにより、従来の手術を受けていないパイロットが乗る機体よりも容易く操縦が可能になった。
移植手術を受けた者はNRリングを装着しマシンの操縦を行う。
ナノマシンの定着率は成人を迎える頃から低減していくために、戦場の若返り現象(ヤンガーズ問題)が発現してしまっている。なお、本気的に規制しようとするのはアメリカや英国などの資本主義国家のみである。
・抗EMP型ナノマシン
脊髄接続手術によって被術者に移植されるナノマシンとは違う、新型のナノマシン。
耐電磁性能を獲得し、電磁波の影響を強く受ける環境でも稼働が可能。
・NRリング
被術者が機体を操縦する際に装着する機器。これを装着しなければ、被術者の約五割が無力化されてしまう(脊髄接続に頼らない操縦技能を獲得しようとする者は稀な為。軍では操縦技能向上の為のセミナーを行ってはいるが受講者もまた稀である)。
・ヴァルキュリオル・システム(第4章から)
元は人工知能による機体制御を行う為の研究であったが、現在の技術では様々な問題が発見された為に断念され、脊髄接続被術者のナノマシンに人工知能を移植させることでパイロットの強化をする機構の総称。
被術者の精神に強い影響を与えることが発覚した。
人工的に多重人格者にされるようなものである。
・機行戦車
正式名称を機動歩行戦車。
ディーゼル機関によって稼働する多脚型機動兵器。
陸戦に於ける主戦力を担う。それは戦車のように複数人による操縦ではなく、搭乗者一人の操作で充分稼働が可能であるからである。
・強化機甲戦闘機 Fighter of Tenpered Endoskeleton
通称FoTE。アメリカ軍技術工廠が開発した脊髄接続稼働機。
巨大化した歩兵。長時間に渡る行軍を可能とし巡航機動速度は400km/hを記録した。
アメリカ軍の供与と、ドイツ側の情報工作によってほぼ同時に世界各国で開発が開始された。
全てが実験段階のマシンであり、各国の技術交換も頻繁に行われている。
背部には武装キャリアと呼ばれる兵装マウントシステムが備わっており、マウントした状態から兵装を使用することも可能である。
戦闘機動、巡航機動の二つの形態があり、巡航機動時は上述したように飛行に適した体勢をコンピューターによって維持する。かわって戦闘機動時は姿勢制御をパイロットに依存し、機体側は演算を戦闘面に傾注させることが出来る。
世界各国の強化機甲戦闘機・FoTE
アメリカ合衆国
・マスケッティア
現在存在する強化機甲戦闘機の原型と言える機体。ロールアウト直前にドイツ軍によって試作機を奪取され日の目を浴びる時期が遅れてしまった。
同盟国に数十機、マスケッティアを送っており、これらの機体から様々なバリエーションが派生する。
・ガンスリンガーA1
世界を牽引する技術大国アメリカが送る正真正銘の最新鋭機体。
装備積載量が増加し、至る所に火器をマウントしている。
オプションを換装することによって、拠点防衛型、長距離狙撃型、近接戦闘型にその役割を変えることができ、作戦遂行能力を格段に上昇させた。
非常にコストが高い為、生産はまだ軌道に乗っていない。
イベリア戦線にてヴィースフランス・ドイツ連合部隊と戦っている姿が公式に記録されている。
重火力とオプション装備で敵をすり潰すアメリカ型の基本となった。
ドイツ
・スルト(連合軍呼称はクレーエ)
アメリカから奪取した試作機をドイツ本国で改修した機体。カラーリングを水色から黒色に変更している。
ドイツの抱える多正面戦線に於いてその姿が確認されている。
・ラングシュベート
ヴァルキュリオル・システム対応機。
マスケッティアやスルトが腰部に推進機構を備えているのに加えて、背部にも大型の推進機構を持った直線機動ならば最速の機体。
ワンオフ機であり、肩部装甲にはパーソナルマークである翼を持った盾が描かれている。
特筆する点としてラングシュベートの武装はA.Fブレード(連合軍呼称)と盾のみであり、その姿は黒の鎧騎士と呼ぶに相応しい。
ソビエト連邦
・メドヴェーチ
大日本帝国軍機であるカワセミを連邦軍ドクトリンに親和するよう大改修を施された機体。
他の機体と比べると全高が高く、携行出来る武装の数は最も多い。
連邦軍の伝統とも言えるチェーン・ブレードをメドヴェーチも装備している。
平原での機動戦を想定し、脚部にはリフトシステムと呼ばれるホバー機構が備わっている。後の大陸型のモデルになった。
・メドヴェーチ・カマンディル
単にカマンディルと略されることもある。
ソビエト連邦軍のメドヴェーチにEMPフィールドジェネレーターを搭載させた改修機。
EMPフィールドと呼ばれる電磁波を周囲に放出し、敵機体の精密機器を破壊する為の機体。しかし、それは搭乗者にも同じことが起こりうるために専用のナノマシンを再移植しなければならなく、また使用時には強烈な不快感を感じてしまう。
・モシェンニク
大日本帝国軍のカワセミを小規模の改修のみに留めた機体。メドヴェーチが大規模な改修を必要とし、生産に時間が掛かることから安い費用と生産時間短縮を要求された、ハイ・ローミックス構想のローの部分。
本家カワセミと比べると格闘性能は比べ物にならないほど劣っているが、その簡易性から、整備性も非常に高く、練習機としての使用や、補充用の機体として様々な戦線で活躍の場を広げている。
拡張性も高く、チューンを繰り返せば四二式川蝉にも比肩し得る。
大日本帝国
・カワセミ(四二式強化機甲戦闘機 川蝉)
マスケッティアを日本的精緻を凝らして改修した機体。
アメリカのマスケッティアと比べると、関節部の可動範囲が拡大され、格闘性能が大幅に強化されている。
カワセミはソビエト連邦軍にも渡り、バリエーション機体が存在する。
主に海軍が好んで使用している。
物資不足から来る生産性の低さを性能の高さで補うという島国型、もしくは日本型の源流となった。
・トウジュン(四四式強化機甲戦闘機 闘隼)
帝国海軍に対抗し帝国陸軍がカワセミを局地戦仕様に改修した機体。
海軍のように海上を飛ぶ必要が無いために、白兵戦闘に重点を置かれて設計されている。
戦後、傑作機として名を馳せる。
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