第8話:快楽のテクニック
ここまできたら、今度は具材を載せる。
これがまた、簡単そうに見えて、実に難しい。
しかし、ここでは少し、力を抜いて説明しよう。
まず配置だ。
これは、具材が皿に載っている配置をそのまま再現するのが、初心者に一番のお薦めである。
初心者はすぐにアレンジをしたがるが、まずは基本が大事だ。
基本をきっちりマスターしてから、アレンジに挑戦しよう。
ちなみに中央にゆで卵を載せるのはお薦めできない。
バランスが悪く転がりやすくなるからだ。
チキンラーメンのように窪ます方法もあるが、けっきょく後で邪魔になる。
中央はやはりカラーリング的に紅生姜がお薦めだ。
まるで噴火山を思わすカラーリングとなり、見ているだけで食欲も活火山状態だ。
もちろん、放射線状に並べるのが一番美しい。
これは先人の知恵による美の頂点だ。
いろいろな写真を見て、きれいに並べる練習をしてみるといいだろう。
なんなら毎日、50回ほど練習することをお薦めする。
慣れれば、具材を空中に投げ、落ちてくる間に麺の上に配置するという秘伝【燕返し】や、【乱れ牡丹】、そして秘伝中の秘伝・【
そうなられば、具材の配置が楽しくなり、その快楽に酔いしれて、一日中、サルのようにやっていたくなるはずだ。
それをマスターした者は、伝説の「冷し中華リスト」になっていることだろう。
ちなみに誤解を招かぬよう説明すると、私はそんな練習はしていない。
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