第3話:気がつけば君の元に……
私がこのエッセイでやりたいこと。
それは、自分と【冷し中華】の出会いを切々と語りたいわけじゃない。
自分がどれだけ【冷し中華】に恋しているか書きたいわけでもない。
ましてや、夜な夜な【冷し中華】でナニをしているか説明したいわけでもない。
きっと、そんなことを知りたい者はいないだろう。
だから、私がこのエッセイで語りたいのは、【冷し中華】の素晴らしさだ。
……え? ならば、前回の萌えキャラ紹介は何だったのかって?
ああ、あれはまったく関係ない。
ともかく、私は文字を操り、【冷し中華】を描写して、「全米が泣いた!」と言われてみたいのだ。
そして、四年後の東京オリンピックで金メダルを取り、最後は【冷し中華】で世界を征服するぐらいの気概を持っている。
もちろんかなり誇張したが、この男気をわかってもらえるだろうか。
だが、それにはまず、【冷し中華】を食べてもらう必要がある。
いや、食べたくなるようにすること自体が、このエッセイの目的と言うことでいいだろう。
そこで問題になるのが、【冷し中華】をどうやって手にいれさせるかだ。
もちろん、一番いいのは【冷し中華】を手作りしてもらうことだが、これは敷居が高すぎる。
きっと誰もついてきてくれないと思う。
なにしろ、私さえ面倒でやらないことだ。
ならば、お店で食べる事を勧めるかといえば、それも難しい。
お薦めのお店をピックアップしていかなければならないし、近くにない人は食べに行ってくれないだろう。
なにより、私でさえ面倒で探したくない。
そこで、思いついたのがコンビニの冷し中華だ。
最近のコンビニは侮れない。
所詮コンビニ……などと思っていると、手痛い目に遭う。
たとえるなら、「所詮、地球人」と油断していたら「気円斬」を繰りだしてくるクリ○ンのようなものだ。
コンビニの【冷し中華】は、十分に美味い。
さらに言えば、コンビニ【冷し中華】には、ほかにないとんでもない潜在能力がある。
もちろん、コンビニによって面の太さ、汁の出汁、酸味、カラシの効き、そして具材まで異なっている。
3箇所ぐらい巡って食べてみたが、それぞれ特徴があるし、ここで特定のコンビニを薦めるのも問題がある。
そこで、コンビニは特に指定しないことにした。
特定しなければ、ほとんどの場所で、近くにアクセスできるコンビニがあることだろう。
そして、多くが24時間営業だ。
ともかく、このエッセイを読んだら、早朝でも、授業中でも、仕事中でも、夫婦の夜のお勤め中でも、トイレ中(大/まだ拭いていない)でも、すべてをなげうってコンビニに走りたくなる……そんな情熱的で官能的な【冷し中華】を演出したいと思っている。
そして、このエッセイが人気作となれば、きっと【冷し中華】のビッグウェーブが、全世界を呑みこんでいくだろう。
……ただ、この内容が書籍化されることはあり得ないし、こんなの書籍化されても、私は買わない。
その金で【冷し中華】を買うだろう。
コンテストなんて飾りですよ。エライ人にはわからんのです。
私は描写が苦手だから、ちょっと大袈裟になるかもしれない。
しかし、次から始まるコンビニ【冷し中華】に、愛を注ぐ話をぜひ読んでもらいたい。
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