せんせいにゆーもん

よくできました

　フズリナ保育園まで帰ってくると、お昼ごはんの時間になるまで、また自由時間になった。

　園児達は、まだまだ元気いっぱいだ。

　さらに今日は、職業体験学習で来ている中学生のお兄さんやお姉さんと一緒に遊べるということもあって、いつもより一層楽しそうに、グラウンドや室内を走り回っている。

　保育士のミクモ先生は、そんな園児達と、まだまだ未熟な一日先生達の両方に目を配り、トラブルが発生した少年少女たちへの、対応に追われている。

　そして、ミクモ先生の元へまた１人……いや２人の、トラブルを抱えた園児がやってきた。

　「あの……、みくもせんせい……？」

　「あら、どうしたの？　セアラちゃんにレンタ君。もしかして、また喧嘩した？」

　「ちがうんですっ。もういちど、よにんでじんじゃへ、いきたいんです」

　「神社……？　ああ、さっきのやまあらし公園ね。４人っていうのは、誰のこと？」

　「おれと、ひなみと、せあらちゃんと、れんたくんの、よにんです」

　ミクモ先生は、女の子の言葉に首をかしげた。

　「……ん？　どういうこと？　セアラちゃん」

　「じつは、さっきのじんじゃで、おまいりしたときに、よにんのからだが、それぞれいれかわってしまったんです」

　「体が入れ替ってしまった……？？」

　「はい。だから、おれがせあらちゃんと、いれかわってて……」

　桃色のスモックを着た女の子は、少し離れた場所にいる、園児のサクラちゃんとおままごとをして遊んでいる男子中学生を、指差した。

　「わたしが、れんたくんと、いれかわってるんです」

　青色のスモックを着た男の子は、少し離れた場所にいる、園児のノブヤくんにセーラー服のスカートをめくられ恥ずかしそうにしている女子中学生を、指差した。

　ミクモ先生は、それぞれの中学生と、目の前にいる園児達を見て、口を開いた。

　「へぇ……。なかなか本格的なのね。誰が考えた遊びなの？」

　「「あっ、あそび……！？」」

　２人の園児は、口をそろえて叫んだ。

　ミクモ先生は、さっきまで喧嘩をしていた２人が、今は仲良くごっこ遊びをしているので、嬉しそうな顔をしている。

　「あ、あそびじゃないのっ！　ほんとうに、わたしたちいれかわってて……！」

　「レンタ君、女の子喋りが上手ね」

　「おれたち、ほんとうにいれかわってるんですっ！　しんじてくださいっ！」

　「セアラちゃんも、演技力あるわね。すごいわ」

　いくら必死に説明しても、先生はまともに取り合ってくれない。

　「……で、さっきの公園で、まだまだ遊び足りないというわけね」

　「「だから、そうじゃなくてっ！」」

　「残念だけど、今日はもう、お散歩はおしまい。この園内で、お兄さん先生やお姉さん先生とたくさん遊びましょうね」

　「「そ、そんなぁ……！」」

　落胆する２人をよそに、ミクモ先生は次のトラブルが発生している現場へと、歩いて行ってしまった。

　「そーたろー、どうしよう。わたしたち、ずっとこのままだったら……」

　「あ、あきらめるなよ、ひなみ。もういちど、あのじんじゃへみんなでいけば、もとにもどれるって」

　「それが、いつになるっていうのよっ！」

　男の子は激昂して、女の子の小さな腕を、思い切り引っ張った。女の子は思わずバランスを崩し、転びそうになってしまった。

　「わっ！　な、なにすんだよっ……！！」

　「ご、ごめんっ！　むいしきに、からだがはんのうして……あれ？」

　「うぅっ……」

　女の子の目からは、涙がこぼれそうになっていた。

　「そーたろー、ないてるの……？」

　「ち、ちがう……！　ぐすっ……、なみだが……かってに……」

　女の子はスモックの袖で、必死に涙を拭っている。

　騒ぎにならないように、二人は保育園の教室の隅に、場所を移すことにした。

　「とまった？　なみだ」

　「うん……。なんか、はずかしいな……」

　「これって、げんいんはおそらく……」

　「うん。からだのほう、だとおもう」

　二人は、現在の自分の体を改めて見直し、徐々に違和感がなくなっていくことに、恐怖を感じていた。

　「こうなったら、こっそりここをぬけだして……」

　ヒナミがそう言いかけたところへ、彼女の姿になったレンタ君が、困った顔をしながらやってきた。衣服や髪が、少し乱れている。

　「お、お姉さん先生っ！　助けてっ！」

　「どうしたの？　れんたくん」

　「みんなが、足を蹴ったり、パンツを覗いたりしてくるんだ！　痛いし、恥ずかしいよっ……！」

　彼は、先程までヒナミが経験していた、お姉さん先生の苦労を味わっていた。ヒナミはそんな彼を放ってはおけず、優しい言葉をかけた。

　「と、とりあえず、かみやふくをなおしてあげるわ。そこにすわって？」

　「うん……」

　レンタ君は床に座り、小さな男の子に身嗜みを整えてもらうことにした。彼は自然に、女性特有の内股の座り方になっていたが、ヒナミはそれに気が付いていなかった。

　「この、胸に着けてる奴、苦しいよ……。外してもいい？」

　「だめよっ！　それは、ぜったいにはずしちゃダメ！」

　レンタ君を制止しつつ、ヒナミは恥ずかしそうに、ソータローの方をちらりと見た。ソータローはヒナミのためを思い、少し視線を外した。

　その外した視線の先から、男子中学生が嬉しそうに走って近づいてくるのが見えた。ソータローにとっては、元•自分の体だ。

　「お兄さん先生！　お兄さん先生！」

　「せあらちゃん、どうしたんだ？」

　「お兄さん先生の体って、すごいねっ！　おままごとセット、セアラが一人で運んだんだよっ！」

　「そ、そっか。よかったね……」

　喜ぶ男子中学生の横で、女の子は複雑そうな顔をしている。

　「せ、せあらちゃん。あのさ」

　「なぁに？　お兄さん先生」

　「その、そろそろからだを、もとに……」

　そう言いかけたソータローだったが、突然口の動きを止めた。

　そして一瞬ハッと驚いた後、表情がさらに険しくなった。

　「どうしたの？　お兄さん先生」

　「せっ、せあらちゃん……！！」

　「なぁに？」

　「と、といれに、いきたいんだけど……！」

　女の子の顔はみるみるうちに赤くなり、両手はスカートの裾をぎゅっと掴んでいる。そして、そこから伸びる小さくて短い太ももを、もじもじと動かしている。

　「お兄さん先生、おトイレ行きたいの？」

　「うんっ……！」

　「おしっこ？　うんち？」

　「お、おしっこ……」

　「セアラの体で、おしっこするの？」

　「うぅっ、ごめん……」

　「えへへ。別にいいよ。おしっこ我慢するのは、体によくないもん」

　そう言うと、セアラはソータローの小さな体をひょいと持ち上げ、だっこするような体勢になった。

　「せ、せあらちゃんっ！？」

　「このまま、おトイレまで連れて行ってあげるね。よしよし」

　互いに体を密着させ、顔もかなり近い。

　宙吊りになっている足をバタバタさせて抵抗しても、巨大な中学生の体は、びくともしなかった。

　他の園児たちの視線は、トイレに向かう２人に集まっている。

　「あーっ！　せあらちゃん、おにいさんせんせいに、だっこしてもらってるーっ！」

　「おにいさんせんせい、ちからもちだねー」

　「は、はずかしいから、おろしてくれっ……！」

　「お兄さん先生、一人でおトイレまで行けるの？」

　「ばしょは、わからないけど……」

　「だったら、セアラに任せてよ！　今は、セアラがお兄さん先生なんだから、ちゃんとお世話してあげるねっ」

　「お、おせわって……」

　ソータローが、抱きかかえられながら周囲を見回すと、他の園児達はセアラの足元に群がりながら、こちらを見上げているのが分かった。しかし、セアラはそんな彼らをものともせず、トイレまでずんずんと進んでいく。

　保育園のトイレは、普通のトイレとは違い、便器や水道など全てが園児の向けの、ミニサイズになっている。そして、個室ごとに一応仕切りはあるものの、大人や中学生ならば悠々と上から覗けるほどの高さしかない。

　女児用トイレの個室の前で、ソータローはやっと自由になった。しかし、尿意はそろそろ限界を迎えている。

　「セアラが見ててあげるからね」

　「いいよ……！　ひとりでできるって」

　「うふふ、えらいえらい」

　「べ、べつにえらくないよっ！」

　はるか年下の子に、女の子扱いされるのがたまらなくなって、ソータローは慌てて個室の中に入った。

　急いでスカートとパンツをおろそうとしたが、様子がおかしい。

　「あれ……？　すかぁとが……ぬげないっ……！」

　下に引っ張っても、肩がグイッと引っ張られるだけで、スカートが脱げる感触はない。思わぬ事態と猛烈な尿意によって、ソータローの焦りは激しくなっていった。

　「は、はやくしないとっ……！　もれるっ……！」

　どうしたらいいのか解らなくなって、地団駄を踏み、必死に涙をこらえる。しかしそれでは、迫っている尿意は止まらない。

　「お兄さん先生、終わった？」

　セアラは、個室の上からひょっこり顔を出し、中の様子を覗いた。しかし、その中にいる女の子は用を足しておらず、スカートをぎゅっと握り締めながら、内股をこすり合わせているだけだった。

　「せ、せあらちゃんっ！　なんとかしてくれ……！」

　「お、お兄さん先生っ！？　大丈夫！？」

　ソータローは個室の鍵を開け、外のセアラに助けを求めた。不本意ながら、この窮地を脱するには、もうセアラに頼るしかない。

　狭い個室の中に、大きな体の男子中学生が入ってきた。

　「す、すかぁとが、ぬげなくてっ…！」

　「脱がなくていいんだよ」

　「えっ……？」

　「ちょっと、じっとしててね……」

　セアラは、ソータローのスカートを捲り上げ、さくらんぼ柄のパンツを一気に降ろした。ソータローが見下ろすと、そのパンツの股の部分には、小さな恥ずかしいシミができていた。

　「できたよお兄さん先生。座って？」

　「うんっ！」

　即、便座に腰掛けたが、今のソータローのお尻よりも便座の方が少し大きいらしく、バランスがとれない。

　結局、男子中学生としてのプライドを捨て、セアラちゃんに両手を握ってもらうことで、ソータローはうまくバランスをとった。

　「うっ……、あぁぁ……」

　ちょぽちょぽと音を立てながら、ソータローの股から、小便が流れ落ちている。溜めに溜めた尿が体から排出される快感を、ソータローは今日初めて出会ったセアラという女の子の体で、感じていた。

　「……」

　最後の雫が落ちる音が消え、ソータローの排尿は終わった。

　「お、おわった……」

　「うん。よくできました」

　「……」

　ソータローは恥ずかしさで頬を赤く染めながら、便座から降り、足元にある少し湿った女児用パンツをあげようとした。

　しかしセアラは、それを遮った。

　「まって、お兄さん先生」

　「なに……？」

　「拭かなきゃダメだよ、終わったら」

　「そ、そっか……」

　「セアラが拭いてあげるから、お兄さん先生は、スカートを持ってて」

　「うん……」

　本当は「それくらい自分でやる」と言いたかったが、先程それで失敗しているが故に、こういうことはセアラに任せようという気持ちになっていた。

　女の子はスカートの裾を広げて、裸の股間を男子中学生に見せた。男子中学生はそれを見ながら、トイレットペーパーを少し巻き取った。

　「わぁ……！　セアラのここって、こんな風になってるんだ……！」

　「あ、あんまり、みないでくれ……」

　「あはは、ごめんね。じゃあ拭いていくよ」

　「ああ……」

　セアラはスカートの中に手を入れ、ソータローの股間を、ペタペタと拭きはじめた。

　ソータローの位置からは、広げたスカートのせいで、その様子は見えなかったが、男の体にあるハズの「それ」がない股間を触られているという、不思議な感覚はあった。

　「ちゃんと、綺麗にしないとねっ」

　「……」

　その時だった。

　「ひゃっ……！」

　突然のことに、ソータローは短い悲鳴をあげた。一瞬、脳が少しぼやけるような、淡い快感に襲われたのだ。

　思わず股を閉じ、スカートを持っていた手を、放してしまった。セアラはスカートから手を引き抜いて、微笑みながらソータローの顔を見た。

　「えへへ。気持ちよかった？」

　「な、なにをしたんだ……？　いま……」

　「もう一回してほしい？」

　「だめっ、だめだ……！　もういいっ……！」

　「ふふっ、じゃあこれで、おしまい」

　これ以上、身をゆだねたら危険な気がして、ソータローはセアラの申し出を断った。

　そして、ソータローは落ち着きはらって、降ろしたパンツを改めて履きなおし、乱れてしまっていた服装を整えた。

　「……いこうか、せあらちゃん」

　「うーん、ちょっと待って」

　「どうかした？」

　「セアラも、おしっこしたくなってきちゃった」

　「ええっ！？」

　「男の子みたいに、立ってやりたいの！　やり方、教えて？」

　「う、うん……わかった……」

　ソータローはセアラのベルトを緩め、学生服のチャックを降ろした。そして、グレーのトランクスを降ろすと、元々はソータローの体にあった「それ」が、露わになった。

　「うわぁ……！　これ、お兄さん先生の？」

　「そうだよ。いまはせあらちゃんの、だけど」

　「毛が生えてるっ……！　中学生になると、毛が生えるのかなぁ」

　「あ、あんまりさわると、きたないよ……」

　セアラが、自分の股間についているそれを、二度三度指でつつくと、それはぷるぷると揺れた。

　「……でそう？　せあらちゃん」

　「うん。もうすぐ出るよ」

　「もしでそうになったら、このべんきのなかに、おしっこをいれるんだよ」

　「うーん、できるかなぁ。……あっ！」

　セアラが声を上げると、ホースの先から、黄色い液体が出始めた。液体は、便器に届かずに、床を濡らしている。

　「すごーい！　いっぱい出てるよっ！」

　「せ、せあらちゃん！　べんきのなかをねらうんだっ！」

　「こ、こう……？」

　「そう。もうすこしちかづいて……」

　ソータローは、ちいさな女の子の手で、セアラの股間にあるホースの先をつまんだ。

　「ひゃっ……！　くすぐったいよ、お兄さん先生」

　「ごめん、でもすこし、がまんして」

　ソータローとセアラの小便との格闘は、ちょうどお昼ごはんの時間が来るまで続いた。