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「おはようございます」
起きたらおばあちゃんが覗き込んで挨拶をしていた。
息が止まるかと思った。
「おはようございます」掛け布団で顔を隠しながら言った。
「朝食ができとるでみんなで食べよ」
「はい」
真のしっかりとした返事を聞き、
嬉しそうに居間に戻った。
私もついていくとコタツで丸くなっている健太が居た。
「おはよう」と言いながら茶をすすっている。
「おはよう」コタツに入りながら言うと料理が運ばれてきた。
煮物や漬物、みそ汁にご飯、目玉焼きとウィンナー。
「さっ食べましょう」
「いただきます」
「里芋の煮物はどう? おいしい?」
「仁美さん、まだ何も食べてないよ」
煮物に手を伸ばす二人。
懐かしい味がした。
「美味しいですよ。美咲さんがよく作ってくれたな」
「ほんと? 健太君。いっぱいあるから食べてね。
それで健太君、仕事はどうするの? やめたんでしょ。教職」
「近くにある旅館で働くことになっています」
「湯本館ね」
「はい」
「真ちゃんの学校は?」
「佐久高等学校に転校手続きをしました」
「佐高ね。それでいつから学校行くの?」
「あっ今日からです」
「は!? 今日から?」寝耳に水だった発言に真は思わずキレ気味に聞き返した。
「えっ旅館で働くの?」
何が何やらわからない誠が慌てふためく姿を見て仁美が、
「何? 健太君何も話してないの?」
「バタついて言う暇がなくて」目玉焼きに醤油をかけながら言う。
「そうなの」
「まこと、制服は間に合わなかったから、これで我慢してくれ」
「今日は転校性を紹介します」
「中条 真です。よろしくお願いします」
ざわつく教室の中、指定された窓側の席へ向かう。
席に着くと隣の女の子が声をかけてきた。
「その制服って前の学校の?」
「…うん。」
嘘 || 真 朝倉あき @asakura369
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