第6話

「とりあえず俺の家行くぞ。暑い」

「はい、うつわ」


 とりあえずところ変えてうつわの家に向かうことにした2人。ベンチから立ち上がり、尻をはたいて、うつとぬいは連れだって児童公園をあとにした。


 しずしずと淑女のように貞淑にうつわの後ろを歩くぬいを、うつわは振り返ってみた。白い髪に赤い目。どう見てもそこら辺ではそうそうお目にかかれない容姿であるのに、なぜあの親子はそこに反応しなかったのか。


 まじまじと見ていた視線に気づいたらしいぬいが下げていた顔をあげ、うつわに向かって小首をかしげる。うつわを見るきょとんとした幼い目は元来の色以外にも赤くなり、その周囲も腫れぼったくなっていた。


 あんだけ大泣きすりゃな、と思いながらうつわはあった視線から目をそらした。


「どうかしましたの?」

「あんた、白髪に赤目とか目立つだろ」

「心配いりませんのよ。うつわ以外には両方とも黒く見えてますの」

「は?」

「ある、るふれりかのお力ですのよ」

「……ある?」

「るふれりかは1つじゃありませんの。いくつかの資格者……無機物がなれますのよ」


 と、言ってもけして多くはないのですけれど。

 るふれりか万能説、アフターケアまでばっちりかよ。思わず半笑いになっで帰路へとついたうつわは決しておかしくはないと思いたい。


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