第7話ファンレター

こう見えても、昔、ぼちぼちテレビに出ていた時期があります。


ひょんな事から、なんの間違いか、事務所に僕みたいな芸人にファンレターが来だした時期がありました。


生まれて初めてのファンレター。

興奮して何度も読み返して、その日は枕元におきました。

夜、目が覚めて、夢じゃないか?

と、もう一度そのファンレターを読み返す。

やはり、夢ではない。


本当に僕みたいな者に、ファンレターが来た。


早速、レターセットを買ってきて、返事を書きます。


「ファンレター、誠にありがとうございました。これからも頑張りますので、よろしくお願いします!」


お笑い芸人のくせに、なーんのボケもない、クソ真面目な返事書いて出しちゃいました。


何通かきていたファンレター、全部に返事書きました。

すると、どうでしょう。

また、ファンレターが同じ人から来るではありませんか!


しかし、返事が帰ってこないファンレターもあります。


返事がかえって来たら、また書いちゃいます。

「趣味はなんですか?」


「最近見た映画はなんですか?」


おい!おい!

完全にペンフレンドになってしまっとるやないか!


そのうち、返事がだんだん向こうから途絶えてきてしまいます。

それでも、こっちが返事を書くものですから、

向こうが一通ファンレター書いたら、こっちから返事を二通書いて送ったり。

それでもだんだんやはりファンレターの返事の返事が減ってきて、


たまに事務所に電話して、

「ファンレターの返事の返事きてないですか?」

なんて、訪ねてみたり。

そんで返事が完全に途絶えてるのに、


「最近ファンレターないけど、いかがお過ごしですか?」


なんて、またこっちから出してみたり。

どんな有名人でも、こんなけマメにファンレターの返事来たら、


ひくわ!!!


って、今ではわかりますが、生まれて初めてのファンレター。

途絶える事が怖かった。

必死に返事を書き続けてしまいました。(^^;)


それでも1人だけ、1人だけ、しっかりと返事の返事も返してきてくれて、

ついには、ライブにまで足を運んでくれた女の子が1人いました。


ありがたかった!


これもファンレターの返事の返事の返事の返事のやり取りを、何回もしたからだ。


あの子、今でもどうしてるかな?

やっぱり、その後、やりとりが途絶えてしまったからな。

どうしてるかな?


会いたいな・・・・


おい!

おい!


こっちがファンになってしもうてるやないか!!


そんなマメな芸人、すぐに飽きられるわ!!(>_<)

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