EMPTY WORLD

光ノ宮 時生

第1話 覚悟と始まりの日

「この世界はヤドリギに支配された。私は、全てを奪った奴らに復讐する。」

真っ白の特殊防壁に囲まれた研究室。中央にベットがあり、その上に水色の髪の少女。

「リベル博士、この子が例のリベレートソード適合者です。」

2階フロアのガラス越しに白衣姿の女博士。リベル ラノンが一階フロアの少女を見つめていた。手元には例の少女のプロフィール、健康状態等が記されていた。

「アリナ・アーンヴァール。17歳。試作兵器のリベレートソードの同化適合者ね。」

リベルは助手らしき男にそう話した。そして、リベルは操作キーを操作し、マイクを手に取った。

「アリナ・アーンヴァールさん、聞こえる?貴方は対クロユリ、ヤドリギの新兵器リベレートソードの同化適合者になって貰います。しかし、その前にリベレートソードを手にするには条件があります。それはセレクターの手術を受ける事です。勿論、この書類の誓約書には同伴のサインもされてますし、セレクター手術法に則り、体内血液の20%しかヤドリギの血を宿しません。最後の決断です。アリナさん。セレクターに、リベレートソードの被験体になりますか?」

その声を聞いたアリナは目を開き、眉間にしわを寄せてゆっくり頷く。

「えぇ、構わない。」

その意志を見てリベルは顔で合図をする。

「これよりセレクター手術の開始をします。」

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