児童編

語録1

「てもちぶたさん」


意味

 手持ち無沙汰


説明

 物語の主人公でもなければ、新種の豚でも無い。少し背伸びして難しい言葉を使ってみたかっただけなのだ。その考えが可愛い。間違った言葉自体も可愛い。いっその事この言葉に変えてしまいたいぐらい。手持ち豚さん。


語録2

「でんこれんじ」


意味

 電子レンジ


説明

 漢字の読み間違いによる語録。判ればどうという事は無いのだが音の響きだけでは到底理解出来ない。ただの読み間違い。それだけで異世界の物の様に感じる不思議。漢字の読み方は一つだけではないと改めて認識させてくれる稀有な例だろう。


語録3

「カビが繁栄している!」


意味

 カビが繁殖している!


説明

 年の瀬も迫り、今年一年の厄を落とすかの如く大掃除に精を出していた時にこれは突如出現した。普段滅多に動かさない棚を動かし後ろを掃除しようとした時である。後ろにビッシリとカビが生えていたのである。それを見たK君が叫んだ。「カビが繁栄している!」と。カビが栄えちゃったよ、桜花しちゃってるよ、と心の中でツッコんでも掃除の手を休めなかった自分を褒めたい。


語録4

「めかにいって、はかにいった!」


意味

 眼科に行って、歯科に行った!


説明

 これを聞いた時私の頭の中では「メカに行って、墓に行った!」と翻訳された。お盆でもないのに墓参りとは殊勝な子だなと感心し同時に、メカに行ったとは?と疑問に思ったのを今も覚えている。聞けばなんて事はない病院巡りだったのである。なるほど低学年児童にしてみればあれは間違いなく目(め)であり歯(は)なのだ。うん、可愛いものだ。


語録5

「ぶっこりする」


意味

 あれが大きくなる


説明

 男の生理現象である。K君の体にも分け隔てなく訪れていたのである。しかしなぜこうなるかはわからない。何という現象かもわからない。不安だったと思う。そこで取り敢えず

その不安の原因となっている現象に名前をつけると云う事は、不安を取り除く行為として実に理にかなっている。それが何故か「ぶっこり」なのかはわからない。しかし「もっこり」似通っていると云うのは偶然ではない気がする。

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