第5章「Let's尿道&視姦プレイ。」
ついに、拡張手術当日となった。
第2章でも書いたが、内視鏡を尿道の先から入れる際、痛みを和らげるために麻酔を投与する必要がある。
だが最初の手術で、暴れん棒のあやつの所為で酷い目に遭っているヲタは、再手術において全身麻酔で手術を行っており、体内に残されている尿路確保用チューブの摘出においても、入院して全身麻酔をするものだと思っていた。
「入院はしなくていいよ。すぐ済むから」
何と医師は拡張手術の説明において、あれだけ大騒ぎした手術のコトを忘却したかのような軽い口調で、事も無げにそう言うのである。
目を白黒させるヲタは、その手術当日になっても信じられない思いで一杯だった。
そうして当日は、不安に駆られながらも、在り来たりの普通のベットに横たわるヲタの尿道の先に、ゼリー状の麻酔液が詰まった針無しの注射器が差し込まれた。
ゼリー状の麻酔液の感触は、何とも言えぬ不気味なものであった。
しかしそれでも、その後に来る屈辱にくらべれば、屁のツッパリにもならない。
次第に下腹部の辺りが冷え始め、馴れれば妙に気持ち良いものだった。
やがて、医師は奇妙なものを持ってきた。
それは数本の鉄の棒であった。
太さは、一番小さくてボールペンか鉛筆ぐらいあろうか。
それが大きくなるにつれ、一回り、二回りと太くなっていく。全部で五本あった。
「麻酔が効いている頃だから、順々に入れてくね」
「…………何を?………順々に?………だから、ナニを?」
そう、それを、である。
徐に医師は感覚の薄くなったヲタクのナニを引っ張り、尿道に、
ブスリ。
瞬間、ヲタの頭の中は真っ白になった。
鉄の棒の先が、奧の膀胱にまで入るとすぐ抜き、次に一回り太い鉄の棒を、尿道に、
ブスリ。
それを四回繰り返す。
五回目に差し込まれた一番太い棒は、何故か直ぐには抜かなかった。
「このまま、麻酔が切れる前まで、そう、大体あと十五分ぐらいかな、挿しっぱなしにしておくね」
その言葉を聞いてから、一番太い棒が引き抜かれたのは、麻酔も疾うに切れているハズの三十分後であった。
とにかく、予定の十五分を過ぎた辺りからは、
痛い
の一言に尽きた。
しかしその痛みを克服するものが、ヲタの心の中にあった。
「先生、まだ外さなくていいんですか?」
時折、看護婦が心配そうな顔で、ベットに横たわっているヲタを伺い見に来る。
医師の返答は全て、
「いま、忙しいから、あとで」
実に和やかな声で答えていた。患者の苦痛のコトなど知らぬかのように。
いや、知らないのだろう。
知る気もないのだ。医者はドSでなければ勤まらぬと言われているのもなるほどである。
ヲタの心の中は、怒りのマグマ状態になっていた。
それが幸いし、ヲタは痛みを忘れていた。怒りが痛みを克服するコトは珍しいコトではない。
だがその激痛を克服せしめた怒りは、やがてある感情に取って代わられる事となった。
想像するがいい。
ベッドの上に横たわり、下半身剥き出しで、
尿道に太い鉄の棒を差し込まれたまま放ったらかしにされている無様な姿を。
それを時おり、伺い見に来る、とても美人な看護婦の複雑そうな表情を。
彼女はどんな思いで、こんな無様な姿を見ているのか。
「……………頼む。ヲレをそっとしておいてくれ(轟泣)」
麻酔と尿道拡張用棒によって括約筋が完全に広がった事で尿路確保用チューブがあっけなく摘出された後も、屈辱に屈服したヲタクの頭の中は、たとえ目を瞑った白兎と白鷺と白鳥と、豆腐と砂糖と塩がそこにあっても見分けがつかぬくらいに、
真っ白け
であった。
=最後に=
現代人の偏った食生活や生活リズムの狂いが原因なのであろうか、尿管結石は10~20人に一人の割合で発症する現代病である。
油断していると、朝起きた時に背中に激痛が走る日が訪れるかも知れない。
その時は潔く覚悟しよう、うふふ。
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