第2章「ボインとはイギリス海軍の軍艦の名前である(関係ない)」
一年間、文字通り血のにじむ努力を続けたのにも関わらず、一向に医師は尿管から膀胱へ落ちてくる気配はなかった。
医師はそれを、魔石、と呼んで仰いだかどうかは定かではないが、珍しい話でもなかった。
そこで医師は、外部からの治療は諦め、直接内部から破砕する事に変更した。
無論、開腹せずに、である。
『尿路に内視鏡を通し、膀胱内から破砕超音波を射つ』
手術へ変更になったのであった。
従来通り開腹はしないのだが、それでも術後の体力が激減する為、二週間の入院が必要であると、医師はそのヲタに告げた。
腎機能が低下し、顔にむくみが目立ち始めたヲタには、もはや選択の余地はなかった。
「最初の」手術は、下腹部のみの局部麻酔であった。
全身麻酔によって、“希に起こる致命的な状況”を避けたかった為もあったのだが、何より輸血を必要としない簡単な手術である為、執刀医がそう判断したのである。
いいですかぁ、“希に起こる致命的な状況”、ここポイントですよぉ、先生大事だから強調して言いますよ、メモしておきなさいねぇ。
思えばそれが、第一の不幸であった。
そして、第二の不幸は、その手術に立ち会った看護婦が、ヲタの好みのタイプであった。
手術台の直ぐそばには、件の看護婦の――そのヲタは、(当時は)女性の胸の大きさには余り拘らぬ性分だった『ハズ』なのだが、 その時に限って、看護婦の胸が気になってしまった。
なぜなら、その看護婦の胸は、実に豊かであったのだっ!(力説)
まるでロケットを想起するものであったっ!!
ナイスバディ!
我らがビック・バスト!
美人看護婦マンセー(;´Д`)ハァハァ
その胸が、
ウルトラな乳が、
美乳がッ、ビックバストがっ(妄想全開)
ヲタの患部っつーか局部にガーゼやら脱脂綿を忙しくあてがう際に、ヲタクの身体をやたらと撫で回すのであるっ!
特に、顔! 頬ずりである!!
「それなんてパイズリ?」
Oh、なんという魅惑的な看護婦プレイであろうかっ!!
ちなみに手術入院費用は36万円(当時の総額)。
36万円の現役看護婦パイズリである! なんてロイヤル!!
_ ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
( ⊂彡
| |
し ⌒J
そんな不謹慎な事を考えるヲタだったから罰が当たったのであろう。
投与したハズの麻酔は、実に無力だった。
その悲劇の幕開けは、ヲタの尿道の先から、膀胱へ内視鏡を通すための、カテーテルなる鉄パイプ器具を、ぐっ、と差し込んだ直後であった。
奴が、覚醒したのだ。
判りやすく言うと
カテーテールが差し込まれた状態で勃起。
中で、刺さりました。
そりゃあもうブッサリと。
「……まぁ、若い人には、よくある事だから」
幸い、刺さり方が浅かった事もあり出血はそれほど酷くは無かったのだが、流石に手術は中止。
手術中止を口にした執刀医の苦笑混じりの慰めの言葉など、次第に腰の下からジワジワと感じ始めている
『初めての激痛と破瓜』
を和らげるはずもなかった。
十日後の「二度目」の手術では、当然、全身麻酔であったのは、言うまでもない。
しかし、これで全てが終わった訳では無い。
不幸は更に続く。
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