第18話

18話


言ったはいいが、なにから教えるか……


てか、二人きりじゃねえかっ!!!!


僕も泳げるってほど泳げないし……


人並みにそこそこくらいだしなぁ。


「あ、あの……二宮くん。なにからやればいいの?」


「あ、あぁ……え、えっと……ば、バタ足からやりましょうか」


「はいっ!えっと……あの子がやってるやつですか?」


「そ、そうです」


危ねえ。バタ足やってるそこの子供に感謝だな。


そして、白崎さんは水の中に入ると、バタ足を始めた。


「こ、こうですか?」


僕は水の中には入らず、上から見ている。


こ、これは……やべえな……とにかく一言で言うと、綺麗だ。綺麗以上の言葉を知らないから僕は、ここまでしか表現できないが、美しい。


あの長い足に蹴られる水もまた、幸せだろう。


この時は水になりたいと心底思った。


「士郎くん?これであってるの?」


「はあ………あ、はい。次は水に顔をつけてみてください。」


「はーい」


と、素直に僕の言うことを聞くと、水に顔をつけた。


てか、髪がすげえな……まるで、別の生き物みたいに見えるぜ。


でも、なんでだろう……怖くない。てか、綺麗だ。一言で言うなら白鳥だな。


「あ、あの……士郎くん?」


「あ、どうしました?」


「あの……あの子が、やってるみたいに手を引かれてやってみたいんですが……」


と、顔を赤くしながら言った。


く、くっそかわいいっ!!!


なんであんなに照れてるんだよ。かわいすぎるだろ。


「は、はい」


と、僕は興奮を抑え、正気を保ちつつそう言った。


僕はプールの中の冷たい水に入るために気合いを入れ、入った。


そして、僕が水に入ると、白崎さんがこっちに来て、手を差し出してきた。


「じ、じゃ………」


な、なんて言って握ればいいんだ!?


女の子と手をつなぐ?だと?僕がそんな高度なことできるわけねえだろっ!!


いやいや、気を引き締めれば……どうにかなるか?


ええぃ。もうやる前からやらないってことはやらない。そう決めて決心するんだっ!!こんなこともできなけへば彼女どころか友達でさえ出来ないぞ!


「繋ぎ……ますね」


やばい、心臓バックバクだ。


あのゲームの比じゃねえ……あれはどうしようもなく、白崎さんだった。だが、映像だ。ここは?現実だ。体の感触もあの優しい甘い声も何もかもが本当でリアルじゃねえかっ!


「じ、じゃ、とりあえず最後まで泳いでみましょうか。」


「はいっ!」


なんか変な感じだな。


大人みたいな人を引いてプールを歩くとは………

年上を教えてるみたいでなんだかなぁ。


てか、なんか周りから視線が……


「うわぁ。すげえ綺麗な泳ぎ」「本当だ。あんなに綺麗に泳いでみたいなぁ」


などと、他の人たちが騒ぎ始めた。


その騒ぎに便乗してくる人たち……


まあ、まだいいや。これは白崎さんに向いているのであって、でも、白崎さんは夢中で泳いでいるので、気づいていないが、まあ、いい。僕じゃない。


と、思っていると


「てか、あの教えてる人も凄いな」


との声、本当になんでもないんだけどな……


「はあ…………」


と、僕は深いため息をつくと、背中にトン。と何かが当たった。


後ろを振り返ると、壁があった。終わりだ。やっとだぜ……


かなり長い(長く感じた)25メートルがやっと終わりを告げた。


「ふう……泳ぎ切りました?」


と、僕が止まったので、白崎さんも水につけていた顔を上げた。


水も滴るいい女!?


何故か白崎さんにワイルドさがあった。


なんだろう……かっこいい。


びっくりだ。


いつもでは考えられないような、そんな白崎鹿さんがそこにはいた。


「ん?どうしました?」


「あ、いやなんでも」


「そうですか」


「じゃ、今度は……」


な、なんだ!?


分かんねえ……


ビート板か?それとも一人で浮くこととかか?


うーん……選択肢がありすぎて困るな。


そして、周りの人の視線……


何故かメモ用紙を持ってこっちを見てくる人もいるぞ?


おいおい。そんなに期待すんなよ。


なんか緊張して冷や汗が出てきたじゃねえかっ!!


まあ、そんなに気にするな……周りはみんな周りの奴らはみんな僕らを見守ってくれてるゴリゴリラーの仲間たちだ。


レッド、ブルー、イエロー、パープル……


よし、大丈夫だ。


「じゃ、次は一人で浮いてみましょうか」


「あ、それ得意ですよっ!!」


と、自慢げに白崎さんは言うと、白崎さんは深く息を吸って、潜った。


そして、暫くするとプカプカと浮いてきた。まるでそれは死人のようだった。


…………ちょっと趣旨が違う気がするけど、まあ、一応浮いてるしな。


「こ、これでいいですか」


「ま、まあ、いいです」


さっきのを見て、少し不安はあるが蹴伸びから教えてみようかな


「じゃ、今度は蹴伸びをしてみましょう」


「け、けのび?なんですか?それ」


と、口をぽかんと開け、そう聞いてきた。


さすかにわかるだろ……


もう、高校の中盤だぞ。


でも、それはそれでいい。


ボケているわけではない。ただ、無知なのだ。完全なる天然なのだ。


かわいい………


「あ、あの……二宮くん。私の顔に何か付いてますか?」


どうやら、見惚れていたようだ。


「あ、ああ……すすす、すいませんっ!」


と、言いながら、僕は白崎さんから目線をそらし、話し始めた。


「じゃ、百聞は一見に如かずとも言いますし、お手本見せますね。それで、イメージをつかんでください。最初のイメージって結構大切なんですよ」


と、アドバイスしつつ、言うと僕は手を伸ばし、勢いよく壁を蹴ると水の上をスーッと進んだ。


「おお!まるで、死んだ人のピーってなるやつみたいですねっ!!」


と、無垢な笑顔でそういった。


………決して悪気はない。だが、さすがに死んでしまった人ってのはひどいんじゃないか?


「は、はぁ……」


「では、やってみますねっ!最初のイメージ………」


結局、そのイメージなのか……


まあ、最初のイメージが大事とは言ったけど……


そして、白崎さんは泳ぐ体制にはいった。


………っ!!


僕は凄い光景を見た。


あ、あれは……み、水と一体化してるっ!?


まるで、水と遊んでるみたいだ。


と、見惚れていると、いつの間にか白崎さんは蹴伸びを終えていた。


「お……で、出来たっ!!二宮くん。出来ましたよっ!やっぱり最初のイメージが良かったんですよっ!!」


な、何を言ってるんだ?意味はわかるんだけど、理解できないんだけど……


多分、僕の顔から理解が出来ないってことを察したようで、説明をし始めた。


「えっと、ですね?人の死ってことは土に還るってことですよね?人類の起点はゼロだっ。ってなって、無になるって感じでやってみましたっ」


理解できるような出来ないような……


白崎さんの考えってやっぱりどっか飛んでる気がするな………


でも、とりあえず褒めとこう。


インスタントガールフレンドがそんなことを前に行ってた気がする。


「お、おおっ

人が死ぬと無になりますもんねっ

わかりますよ。それ」


と、適当に語呂のいいようにまとめ、そう言うと、白崎さんは少し驚いたような顔をしてからニコッと笑った。


「で、二宮くん。次はなにすればいいかな?」


僕は少々白崎さんの吸収力に驚かされつつ、次を教えた。


そして、どんどんと上達していき……


やがて、泳げるようになっていた。僕より遥かに……


「で、二宮くん。他はあるかな?」


「い、いえ、もうなにもないです」


もう、ほとんど完璧だった。僕ができない事を教えてみたが、すぐ泳げてしまったし、こっちが教わりたいくらいだ。


「そうですか。ありがとうございますっ」


「いえいえ。にしてもすごいですね」


「何がですか?」


「普通1日程度で泳げるようになんてなりませんよ」


「そ、そうですか?」


「はいっ!」


そういえば、さっきまでいた周りのゴリゴリラーの観衆たちはどこかに消えたな。


白崎さんは全然気づいてなかったけど……


「あ、あの……二宮くん。ありがとう……あ、あのね。いつも、やってもらってばかりだから、お礼したいんだけど……」


この話の流れどっかで………あ、勉強教えた時かっ!


「え、えっと………」


ってことはつまり、全然進展どころか隣の席になった時から何も変わっていないの………か?


なんて悩んでいると、れんの声が聞こえた。


「盛り上がってる中すまんけど、もう閉めるってさー早く上がってこいよー」


どうやら閉館らしい。


「じゃ、行きますか」


と、言いながらすごく普通、日常的に白崎さんに手を差し出した。そして、その手を白崎さんはとりプールから上がった。


ふ、ふぁ……


緊張した………


うん。やっぱり、距離が近づいているんだな……


と、僕は再認識すると、僕は白崎さんをかなり真剣な目で真っ直ぐに見ると、当初の目的である。こ、告白……を……やるっ!!


「あ、あの……白崎さんっ!!」


「ふぇ?は、はい?どうしました?」


「あ、あの……す……」


「す?」


「す………」


と、僕はと話し始めたが、そこで言葉が止まった。


本当に僕は白崎さんが好きなのだろうか?というか好きってなんなんだ?


確かに、好きって感じた。だけど、それは本当の真の好きなのだろうか?


「あ、あの……士郎さん?どうしました?」


てか、この流れで告白していいのか!?


ただ教えただけじゃねえか。


流れ的にまだ……だな。あまり急いでもいい結果なんぞ出るわけがないしな。そして、まだ好きなのかも定かではないし………


好きの前兆とかってあったのかな?


あった気もするけど、あれは……違うかもしれないし……


ダメだ。考えてもわかんねえ


「あ、あの……」


「あ、な、なんでもないです」


「そうですか」


と、僕はぼんやりしながらそう言った。


「じゃ、早く行きましょう。もう、柴崎さん行っちゃいましたよ。って、どうしました?私をそんなに見て」


「あ、すいません」


「大丈夫ですか?士郎くん」


「は、はい…」


「あ、お客さん。もう閉館時間なので、お引き取りください」


「はいっ!今行きますね」


と、白崎さんは店員さんらしき人にそう言って、先に行ってしまった。


「ほら、君の彼女さん行っちゃいましたよ?君も行って…」


と、店員さんが何か言っていたが、僕はほとんど聞かず、というか、気分的に聞けずに更衣室に駆けた。


ダメだ……俺の脳が完全にクラッシュしているっ!!


考えなければいけないことが多すぎて、もう、意味わかんねえ


「人間は脳はいつも10パーセントくらいしか使っていないんですよ。不効率ですよね」


と、インスタントガールフレンドがそう言い始めた。てか、どっから湧いて出てきたんだよ。


なんで反応していいものか………


「いくらでも悩んでください。私はこの時、という概念を止めることが出来ますからね」


…………………っ!


ちょっと待て。理解に時間を要したが、今まで、時が止まったような気がしてはいたが、本当に止めてやがったのかよっ!!


「いや、いつもではないです」


と、即座に補足説明がくわわった。


てか、明かすの遅いだろっ!!


もう、あって結構経ってるぞ。


「そうですか?別に言わなくてもいいかなーって思いましてね」


と、淡々とそういうインスタントガールフレンド………


おいおい。かなり凄いことじゃねえか


「それって、どこでもいつでも止めれるのか?」


「いえ、こうやって私と話している時。あ、士郎さん私と話している時何言ってるのとか言われた事ありました?」


「た、確かに………」


あの時はインスタントガールフレンドをあのサバイバルナイフで刺した時だしな……話している時はない……かもしれない。


「で、悩んでた事の答えわかりました?」


「いや……てか何悩んでたんだっけ?」


「白崎さんのこと好きかどうかじゃないんですか?」


「そ、そうか」


僕は悩んでいた事を思い出し、また悩み始めた。


………………




僕の感覚的に何時間も経っているんだが、やっぱりなにもわからない。


「貴方はまだ、白崎さんのことを好きになれてないかもしれませんねっ!!」


と、インスタントガールフレンドがそう言った。


………えっ!?


「そ、そうなのか?」


「いやー、私は知りません」


はぁ?


煮え切らねえ答えだな。


ここからは考えろってことか?


てか、こんなのどんな問題より、難しい難問じゃねえか。


人の心なんてわかるかよっ!!


「そうです」


「な、なんだって?」


「そうなんです。人の心なんてわからないんですよ。士郎さん」


わからない?なにそれ……


「悩んでた意味は?」


「そうですね。ないです」


と、びっくりするほどいい笑顔でインスタントガールフレンドはそう言った。


「は、はぁ………」


「し、士郎?どうした?そんな世界の終わりを見たような顔して」


「あ、いや、なんでもない…」


どうやら僕の悩みが終わったので、時間がまた、動き始めていた。


そして、僕は足取り重く更衣室に向かった。


とりあえず、シャワーを浴び、そして着替え集合したところに行った。


「おう。士郎どうしたんだ?」


「あ、なんでもないぞ」


「本当に大丈夫か?」


「あ、ああ」


「まあ、いいけどよ。お前の事はよくわかんねえ。でも、他の奴らよりはお前の事わかるつもりだから、本当にやばかったら言ってくれよ」


「さすがっ!!私の彼氏っ!!あ、私でもいいからね?士郎」


ぼ、僕は……こんな奴らに意味もなく警戒してたのか……


本当にいい奴らだな……


でも、この痛みはあの二人も経験して、あんなに大人みたいに立派になったんだ。


それなのに僕はやっぱり、あいつらと同じだけ生きているのにあれの足元にも届かねえ……


僕も頑張らねえとな。


「ああ、頑張るよ」


と、僕は二人に言うと、二人は


「「やっぱり、そういう顔がいい」」


と、口を揃えてそう言った。


「閉めっぽいのもめんどいし、じゃ、帰るかーー」


って、閉めてんじゃねえか……


「んじゃ、ここで解散でいいかな?」


「ああ、わかった」


と、皆はそれに答え、僕らは自分の自宅方面に帰り始めた。


皆は同じ方面だったが、帰り道話はなかった。


そして、そうこうするうちに家に着いていた。


「はぁ……」


と、僕は溜息をつき、憂鬱な中、自転車を車庫に置いていると……


「あ、お兄ちゃん」


と、声が後ろからかかった。


「あ、梨花か」


「なにぃ?その腑抜けた声は。こんなに可愛い妹が帰ってきたっていうのに……」


と、頬を膨らませて、怒っている。どうやらご立腹のようだ。


僕は棒読みで適当に


「はいはい。お姫様申し訳ございませんでした。次からは気をつけます」


と、軽くお辞儀すると


「ふむ。それでよろしい」


と、かなり上から目線でものを言うと、どうぞ私の手をとってと言わんばかりに、僕に手を差し出してきた。


僕は不本意ながらその手を取ると、家まで行った。


「ただいま」


と、誰もいない家に僕はそう言うと


「おかえり」


と、返ってきた。


……………え?意味わかんねえんだけど


「あ、士郎っ!!ひっさしぶりーーっ!!」


と、僕にその声の主である。黒髪ロングのメガネをかけたセクシーな胸の大きなまあまあ美人の大人の人が僕に飛びかかって抱きついてきた。


「あ、母さん」


「あ、何?どうしたの士郎」


「毎度毎度思うんだけど、なんで抱きついてくるの?」


「うぇえ?なんでってぇ?それわぁ……えーんと、そうね。癒し成分を吸収するためかな?」


と、頬を僕の体に擦り付けながらそう言った。


「意味わかんねえっ!!てか、離れろよっ!」


と、僕がそう言ったが、離れてくれる訳もなく、そして僕は五分間くらい抱きつかれていた。


「はぁ………」


と、満足げに僕から離れ、脱力したような溜息をついた。


「あ、梨花じゃないっ!!ひっさしぶりーー」


「げっ!!気付かれたっ!!」


と、いうと逃げようとしたので、僕は掴んでいた手をギュッと握り、それから約一秒で梨花の体の後ろに回り込むと抱きついていた。


なんなんだ?この行為は………


そして、また、時間が経ち………


母が妹を離した。その時、妹は目から完全に光がなくなり、完全に精力を失っていた。


全く、何したんだよ。


いつものことなので、妹は放置し、なんで帰ってきたのかを聞いた。


「えっと、研究にひと段落ついたし、家に帰ってみようかなーって、思ったの」


なんて能天気というか破天荒というか…………


非常にアクティブな母親だ。何も考えてないようにみえて、色んな閃きがあり、脳の回転が早く、はっきり言って人間じゃない。


今では36歳の若さで名門の大学の教授になっているほどだ。


「そうですか」


「はあ、士郎ちゃん疲れたよぉ~」


と、抱きついてくる。


「母さん離れて」


「…………」


…………返事がない!?


「母さん?」


「くぅ………くぅ……」


って、寝てんのかよっ!!


妹といい母親といい、非常に面倒くせえ………


僕はこの植物人間みたいになっている妹を玄関にとりあえず横にし、母さんをリビングに運んだ。


そして、ソファーの上に母さんを置くと、玄関に戻り、妹を抱き抱え、妹の部屋に言った。


そう言えば、妹の部屋に入るのは久しぶりだな。


そんなことを思いながら、階段を上がり、妹の部屋を開けた。


…………なかなか整ってるな。で、なんかもっとぬいぐるみとかがいっぱいあると思ってたんだけど、凄いシンプルでシックな部屋だ。


まあ、別に妹に何を言おうという訳ではないので、ベットに妹を置くと、さっさと退出し、隣の自分の部屋に入った。


そして、ベットに腰をかけ、少しプールであった事を振り返ってみた。


人の心はわからない。か………


それはわかった。でも、自分の気持ちはわかるはずだ。


僕は白崎さんのことが好きなのか?


「じゃ、士郎さんはまだ好きな人が居ないんですね?」


と、不敵な笑みを浮かべそう言った。まるで何もかもを見透かしていたかのように…


「そんな訳……な、ないだろ……」


そんなもんわかんねえよっ!!答えなんてないのだから……


「あの、士郎さん男ってのはもっと恋愛に傲慢にならないといけないんですよ?」


「だって、今のここなら、一生その人がパートナーとなるんだろう?臆病になって当然じゃないのか?」


そうだ。今言ってて気づいたが、未来もだ。未来も一緒にいる永遠のパートナーってやつを見つけるんだ。なら……


「え?違いますよ。まあ、いずれはそうなりますが、一歩も恋愛に足を踏み入れないでその年になってしまうのが一番怖いことじゃないですか?」


「一歩も動き出してない!?」


今まで無駄だったと……


「友達というのと、恋愛というものは全然違いますよ?」


な、なんだと!?僕は彼女作るとか言いながら、友達を作ってたのか!?


「はいっ!そうですっ!!」


と、満面の笑みでそう言った。


僕は怒る気力も何も、本当に何もなかった。完全に無だった。


「じゃ、なんで白崎さんと僕をくっつけようとしたんだ?」


「あ、えっと……楽しかったからですかね?」


笑いながらそう言った。


はあ……もう、どいつもこいつも面倒くせえっ!!

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