第17話

17話


………いなくなったな。


よし、行くかっ!!


と、気合いを入れ出て行くとそこには……


「ちょっと、そこのお兄さん。署までご同行願えますか?」


け、警察!?


「は、はい………」


僕は警察には逆らえず、近くの交番まで連れて行かれた。いわゆる連行ってやつだ。


本当に用事が出来て、遅刻だな………


「で、お兄さん。なんであんなとこに隠れてたの?」


「あ、はいっ!えっと、友達と今日プールにいって遊ぼうってことになってて…………」


待ってっ!!このまま続けたらこの人たちに赤の他人に好きな人がバレるんじゃねえのかっ!?


そんなの嫌に決まってんじゃねえかっ!!!


「ん?どうしたんだね?」


「………これ以上は言いたくないです………」


「うーん。黙秘か………なにがあったのかだけでいいんだよ?それだけ教えてもらえれば満足なんだけどね?」


と、タバコをくわえながらそう言った。


つまり、言わないとプールにはいけないのか!?


てか、こんな狭い室内でタバコ吸うんじゃねえよっ!!


クッサッ!!!


「ゲホッゲホッ!!」


「おっと、ごめんごめん。癖でね」


と、言うとつけたばかりのタバコをテーブルの上にあった灰皿に突き刺した。


癖でタバコを吸われたんじゃたまったもんじゃない。


どんどんと時間が流れていく


くそっ!だんまりか………


今時間は………お昼くらいか?


早くプールに行かないと………


早く行くには言うしかないか?


「じ、じゃあ………えっと、その……」


キーーーーーッッッッ!!!!


ドンッッッ!!!


と、僕が話をはじめようとした時、外で大きな物音がした。


「な、なんだ!?」


「なんですかね……」


「ちょっと君、そこまで僕が行ってくるから、ここで待ってなさいっ!!」


と、言い残すと直ぐに走ってその現場まで行ってしまった。


……………ふぅ。


でも、待てって言われたしな……


「なに言ってるんですか?士郎さん」


と、インスタントガールフレンドが話しかけてきた。


「なんだ。居たのか」


「早く逃げましょうよ」


「それも……そうだな」


僕は少し考えてみたが、ここにいる意味が、正確に言うとメリットが見当たらなかった。


そして、僕は交番を抜け出しプールにダッシュで戻った。


はあ……はあ……着いた……


警察の人には悪いことしたな……でも、今日は大切なんだ。


と、僕は割り切ってプール内に入った。


来たはいいが、どこだ?


このプールかなり広いしな…


「やっばーいっ!!さっきの人超カッコいいんだけど……あと、その人の横に立ってた黒髪の人も可憐で清楚な感じでとにかくもう、お似合いだった」


「マジで!?」


と、いかにもな化粧をしているギャルの二人組がそんな話をしていた。


絶対、あいつらだ。


てか、あんな化粧をしてプールにくんなよっ!!


でも、ギャルに話しかけ……れないしな……


でも、さっきのあのギャルの発言でもヒントはある。


「さっきの人」と、あのギャルは言った。ならば、この近くにいるはずだ。


ここから近いのは……流れるプールッ!!!


僕はプールサイドを軽く走りながら、流れるプールに行った。


あいつら……は居るのか?


プールサイドからプール内を見てみたが、それっぽい人が居なかった。


いないか……


すごいメンツだよな。てか、井上さんの知り合いは来なかったのか?


「「はあ………」」


と、僕がため息をつくと目の前に僕同様にため息つく人が居た。


「「あ………………」」


なんでだろう……まだ二言しか話してないのに、ハモるしなんだか気まずいぞ………


でも、話しかけないとな……


「「あ、あのー……」」


ま、またハモった……


なんなんだこいつはっ!!もう、予測してんじゃねえのか!?


「「お先にどぞ。」」


はあ…………


「じゃ、僕から………えっと……あなたは二宮士郎さんですか?」


……………………え?なんで?なんで僕のこと知ってるんだ!?


「あ、申し遅れました。僕、えっと………なぎちゃん。あ、井上渚の幼馴染の《島崎 汐》【しまさき うしお】って言います」


と、黒ぶちの四角いメガネをかけた背の高い結構なイケメンがそう付け足した。


一目でわかったぞ。こいつ………非の打ち所がない。


スラリと背の高いイケメン。こいつは……間違いない。リア獣だ。そんな臭いがする。


「ほ、ほう……僕は井上先輩の友だ…………」


ん?まて。待ってくれ。僕は井上先輩のなんなんだ?


友達ってことになるのか?


でも前に殴られたりしたりしたしなあ


うざがられてるのかもしれないし……


うーん………


友達ってどこからが友達なんだ?


友達ってクラスメイトとは違うのか?


先輩後輩とかも違うのか?


友達という友達はあいつらバカップル以外には居ないから、僕にはわからない。


どうするか………なんて返答を続けるか……


焦っても仕方ねえしな。


「あの……二宮さんどうしました?」


どうやらタイムリミットみたいだな。


「あ、あぁ………と、とりあえずあいつら探しませんか?」


でも、なんで僕が二宮士郎ってわかったのかな?


いいや、とりあえず今はいい。


今はあいつらを探すのが最優先だ。


と、思い僕ら迷子の二人組はあいつらを探し始めた。


でも、こんなにいきあたりばったりにジタバタと探し回ってちゃこんな広いとこ探せねえ……


どうするか。


じゃ、あいつらの行きそうなとこに行ってみるか


でも、行きそうなとこって……


と、考えていると声が聞こえた。


「おい!坊主」


どっかで聞いたことあるような声だな……


僕が声のするほうを見てみると、屋台で焼きそばを焼いているあの、憎きおっさんがいた。


「な、なんですか?」


と、僕が返答するとおっさんはヘラを高く上げこっちに来いとジェスチャーで返答してきた。


僕は近くまで行くと、このおっさんは僕の首根っこを犬の親が子を運ぶときのように掴むと飛んだ。


「いってえ」


な、なんだ!?


僕はプールを真上から浮いてみていた。


「おい。坊主。探してみろ」


状況は理解不能だが、今やることなんてひとつだけだ。


白崎さんたちを見つけるっ!!!


カメラアイッ!!!


僕は数万人に一人と言われているカメラアイの持ち主である。


その能力は言葉通りだ。


カメラみたいに見たものを画像そのものとして覚えることができるってことだ。



「いいですよ。もう、ありがとうごさいます」


「お、おう」


おっさんは少し驚きながらそう言った。


僕は礼を言うと下に降ろしてもらった。



「で、何処にいたんだ?」


「えっと、ウォータースライダーに並んでたので、くるところにいれば多分……」


「おう。そうか。なら、がんばってこいよ」


「は、はいっ!!」


「早く行けよ。商売の邪魔だ」


「は、はいっ!」


僕は言われるがままにさっきの人のとこに戻った。


てか、あのおっさん何者なんだ?


僕は歩いて島崎のとこに行った。


「あ、二宮さん。どうします?ここで動かずにいるって、山で遭難したわけじゃないんですし、探したほうがいいんじゃないですか?」


「そうですね。心当たりがあるので行ってみますか」


「おお!どこに?」


「ここの日本一のウォータースライダーの終着点に行きましょう」


そして、僕らはそこに行った。


「プッハァァ!!!クッソ楽しいっ!!」


と、聞いたことのある声が聞こえた。


ご満悦のようだな。


水も滴るいい男とはこの事を言うんだなと、実感しつつ僕は声をかけた。


「楽しそうだな」


「おうっ!士郎っ!!どこで何してたんだよ」


と、笑いながらそう言った。


「………いろいろあってな」


さすがにあの後行こうとしたんだけど、警察に捕まって……だなんて絶対に言えない。


「まあ、警察に厄介にさえなってなければどうでもいいや。そういえば、白崎さんならあっちのプールだぜ?」


と、いいながら指をさした。


そっちは外のプールに続く道があった。


「お、おう……」


危ねえ……


アニメとかでよくある背筋がビクってなるのがよくわかった気がする。


よし、気を入れ替えろっ!!


と、僕は頬を両手で叩き、気合いを入れた。


うっしゃー行くぜ。一分一秒でも早く………はあ……はあ………白崎さんに会って話すんだっ!!


つ、着いた…


でも、この道1キロもあるなんて聞いてないぞ。さすがにきついぜ。


でも、へこたれてちゃいけねえ。探さないとっ!!


どんな学校にでもある25メートルプールだな。これなら見渡せるっ!!


このプールで白髪という珍しい髪を持った少女を見つけるのは簡単だった。


白崎さんはちょうどプールから上がるところだった。


………や、やべえ。眼福だ。


白の逆色の黒ビキニ……


そして、グッドタイミングッ!!!水から上がるのは女の子が手以外のところ以外に力の入れようがない。要するに無力に近い状態だ。


ということは……無防備ってことだ!!


そして、あの髪から落ちる水滴。まるで、白鳥が泳いでいるところを連想させる美しさだっ!!


いやいや、見惚れてる場合じゃねえっ!!


白崎さんに話すんだっ!


この気持ちをっ!!


まあ、今はいいっ!!関係ねえ。


「白崎さんっ!!」


「あ、二宮くん。どうしたの?遅れてきて。待ってたんだよ?」


と、首をかしげながらそう言った。


「す、すいません」


と、すぐに謝ると白崎さんはニコッと笑って許してくれた。


「で、どうしたの?二宮くん。話でもあるのかな?」


……………白崎さんに話?告白以外なんもねえけど、こんな状況で告白なんてできるのか?


「あ、い、いや……別に……大したことはないですけど……」


「そうなの?なら、ウォータースライダーに行かない?」


本当に見た目は大人っぽいのに中身は僕と同じ……どころか子供だな……


と、思っていたら僕は白崎さんに腕を掴まれ引っ張られるように、連れて行かれた。


お、おおっ!!


これは………なんだ?


柔らかな感触が二の腕と言われる部分から伝わってくるっ!!


これは……間違いない。


白崎さんの……バレーボールだ。


そして、今は水着だ。この水着の下は何もない。ってことはボインだ。


うわぁ!!ダメだ。意味わかんねえっ!!


「ふぅ。着いた」


もう、僕は崩壊寸前だ。


早く離してくれっ!!じゃねえと僕が僕じゃなくなるっ!!


「よし、じゃ行きますか」


と、いいながら僕に白崎さんは抱きつき、異様に長いウォータースライダーの出発場に立った。


そこはカプセルみたいになっていて、下が開いてスタートってことらしい。


正直、すっげえこわい。


そして、目のやり場と呼吸についてかなり困る。


下を見ればバレーボール正面見れば白崎さん……僕はとっさに横を見たがそっちには人………


そして、見ている人は顔を赤らめたりする人……口を大きく開けて呆然としている人などがいた。


どうしようもねえっ!!てか、呼吸どうするんだよっ!!


「じゃ、行きますよっ!!」


下の扉が開き、スタートした。


「待ってくれぇぇぇぇ!!」


と、僕は叫んだが意味はなかった。


もう、言っている時には滑り始めていたのだ。


「うわぁぁぁ!!!!」


と、絶叫する僕。


「やっぽーーっ!!」


と、楽しんでいる白崎さん。


ザブンッ!!!


僕は気付いたら水の中にいた。


プハァ!!


ふう………こんなに怖かったのは久しぶりだ。


「楽しかったねっ!!」


と、笑っていう白崎さんに、僕はさっきの恐怖を忘れた。


「そ、そうですねっ!」


やっぱりかわいいな。


「なにやってんの!?」


と、割り込んできた。火憐………


やっべえ。すげえ気まずいぞ。


「お、おう」


と、僕がそう言うと


「おう。じゃ無いわよっ!!しっかり前見てみなさい?」


と、言われ僕は冷静に前を見た。


そして、目の前を見ると……白崎さんの顔が異様に近く、いい匂いまでする。


そして、手の感触こ、これは……二の腕に感じていた感触よりは遥かに硬いが、これはこれで柔らかな感触。これは白崎さんの背中…か?


どうやら、抱きついているらしい。


てか、いろんなとこが接触してるじゃねえかっ!!


「うわぁぁぁ!!!!」


と、いいながら僕は白崎さんにガッツリとしがみついていた手を急いで離した。


「ご、ごめんなさいっ!白崎さん」


「私は全然大丈夫なので、あまり気にしないでくださいっ!」


よかった……


僕たちはプールから出て火憐のとこに行った。


「で、士郎。あの時はごめんね。頭が真っ白になっちゃって、もう、何が何だか……」


お、おいおいここでその話をするか?


「と、とりあえずあっちに行こうか。白崎さんちょっと待っててくださいね」


「わかりました」


僕は火憐を連れて人気の無いとこに行った。


「どうしてあんな話を堂々とし始めるんだよっ!!」


「ご、ごめんなさい」


す、素直だな。


「士郎、あのさ……私が逃げ出した日の続きなんだけど………」


「あ、あぁ」


……………………………………



なんて気まずいんだっ!!


「あ、あのさ、えっと……そのねっ!うーんと………」


なんで、こいつこんなに一生懸命なんだろう?


必死に話を作ろうとして………


こんな、なにも無い僕なんかに……


ん?なんで?なんで僕のことが好きなんだ?だって、なにもないんだぞ!?僕には。


昔僕のことが好きだった。とは聞いたけど、なんで?もう3年くらい経つぞ?ってことは、付き合い始めて3年くらいってことだよな?


なら、もう気がれんに向いててもおかしくないだろ?


れんと付き合っている三年間も僕のことを好きだったなんて変だ。


「な、なんでさ。火憐は僕のことが好きなの?」


僕は問いかけた。


火憐は下を向いて、話し始めた。


「あのさ、あの時のことを覚えててくれたから……かな」


やばい。全然記憶にございません。


「それは、全然思い当たる節がないって顔だね?えっと、祭りでさ。慣れない靴履いて足を痛めた時があったでしょ?その時、優しかったこととか、昔と全然変わってないから、好きにまた、なったんだ」


う、うぅ


人に褒められるのには慣れてないぜ。


「ね、ねえ、もう士郎は好きな人が出来たんだよね?」


「な、なんで!?べ、別にいない……けど?」


と、言うと笑いながら火憐は


「私だって幼馴染だもん。士郎のことは他の人よりわかるよ?だからね、士郎、恋人とは言わないから友達からまたやり直さない?」


と、顔を赤らめてそう言った。


「おうっ!任せろっ!」


と、僕は自分の胸をドンと叩きながら、そう言った。


「あ、昔の戦隊ゴリゴリラーの決め言葉&ポーズっ!!」


「よくわかったな」


「そりゃあもちろんっ!!」


こうして僕らは仲直りをし友達に戻った。


仲直りもつかの間、僕の肩に重い重圧が………


「士郎……俺の彼女と楽しそうになにしてんだ?こんなに人気のないところで……」


「い、いやぁ……別に……なにもしてないよっ!!」


「そうだよっ!ダーリンっ!私はダーリン一筋だよぉ!!」


どの口がそんなこと言うんだよ……


とは思ったが、まあ、いいか


これはこれで、なかなかいいんじゃないか?


「そおかぁ!そうだと思ってたよぉー!」


と、顔が溶けるくらいデレデレしながらそう言っていた。


「てか、お前デレデレしすぎだろ」


と、久しぶりにこのメンツで仲良く話していると、井上先輩とさっきの島崎って人と一緒に来た。


「ちょっと、探したんだから」


「井上先輩はスク水か。うんっ!なかなか似合うな…」


と、れんがそう言うと、


「なに?私にはそんなこと言わなかったのに~」


と、いじける火憐………


もう、やってやれるかっ!!クソリア獣がっ!!


「な、なによっ!!これしか持ってなかったのよっ!!それに……ビキニなんてサイズが……」


「どうしたんですか?井上先輩」


あとの方の「それに……」の後から聞こえなかったので、僕が聞くと不動明王ののような表層で、僕を睨んできた。


こ、怖い……


僕はこれ以上なにもいわず、黙った。


そして、僕らは白崎さんの待っている普通のプールに戻ると


「やっとみんな揃ったな。じゃ、競争でもするか?」


と、れんが言った。


「ち、ちょっと待ってくださいっ!!」


「ん?どうしたんですか?白崎さん」


「わ、私……実は……」


と、告白でもするんじゃないかってくらい顔を赤らめ、もじもじしていた。


「な、なんですか?」


あ、あぁ………また、俺はあいつに好きな人を取られるのか………


いや、そんなことさせてたまるかっ!!


「待ってくださいっ!!白崎さんっ!!」


「は、はい?」


と、首を傾げる白崎さんに


「ぼ、ぼくは……」


と、話を切り出そうとした時。背後から声が聞こえた。


「おっにいちゃーんっ!!」


ドンッ!!


と、強い頭突きが背中にクリーンヒットッ!!!


「痛っ!!」


「お?梨花ちゃん?久しぶり」


と、頭突きを食らった僕を心配もしないで、初っ端の話がこれだ。

少しくらい心配くらいしてくれてもいいだろ……


「げっ!!お、お久しぶりです……」


ん?妹が押されてる?てか、その「げ」って声どこからだしたんだよっ!!


「かわいいっ!!」


と、いいながら昔のように、火憐は僕の妹に抱きつくと、ぬるぬるとスリスリと、頬などを擦り付け、それはまるで何かを吸収するような……そんな感じだった。


「うーんっ!!これこれっ!!なっつかしいっ!!はあ……はぁ…はぁ……」


どこの変態じじいだよっ!!


にしてもこれは………マニアックというか……凄いな。


水着でこんなに………積極的に大胆に…


「はぁはぁ……ごちそうさまでした」


と、ハリツヤがあるというか、潤ったというか、とにかく元気な火憐とは対照的に妹は血の気が引き、死人みたいな顔をしていた。


「だ、大丈夫か?」


「お、お兄……ちゃん………今まで、楽しかったよ。ありがとう。そして、さようなら」


「死亡フラグ立てて死のうとするなっ!!てか、なんでここに居るんだ?部活は?」


「う、うぅ………普通心配するでしょ。部活は休みで、なんとなくかな?」


「ほ、ほう」


「てか、一人か?」


「いや、友達と来たよ」


ん?梨花の友達となると、JCか。発展途上の水着……アリだな。


あ、これは違う。てか、ただのロリコンみたいになっちまうだろうがっ!!


「あ、そういえば、その水着どうしたんだ?」


「ふふーん。かわいいでしょー」


オレンジ色のフリフリしたアイドル以上のような水着を着用していた。


「そ、そうだな」


「多分、みんなそろそろ来る頃だし、行くね。お兄ちゃん」


「おう。プールサイドは走るなよ」


「はーい」


と、言いつつ、走っている妹の背中を見送ると、白崎さんが話しかけてきた。


「で、士郎くん。さっきはなにを言おうとしたんですか?」


「なんでも……ないですよ」


「そうですか」


「あ、そうそう、競争するんだよね?」


と、火憐


「じゃ、やりましょうか」


と、井上先輩。


「やりますかー」


と、みんながそう言った。


「あ、あの……私泳げないですっ!!」


と、白崎さんがそう言った。


だからあの時、もじもじしてたんだ。


「そ、そうなんですか。すいません。なら、ぼ、僕が教えますっ!!」


やべえ緊張した。


「あ、ありがとうございます」


「じゃ、僕たちはあっちの方でやってるから、お前らはそこらへんで遊んでてくれ」


「お、おう」


と、僕と白崎さんはあっちのプールの端の方へ行った。

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