第3話

3話


ガチャ!


僕はドアを開け、家に入る。


「ただいまー」

「お?お兄ちゃん。おかえりー」

妹が出迎えてくれた。

「明日かあさって暇?」

「明日は多分無理だな」

「えーこんなに可愛い妹が頼んでるのに?」

と、演技にしか見えない笑顔を見せつけてきた。

「ごめんな…」

妹はニヤついて

「あ、お兄ちゃんよくわからない同級生と遊ぶ約束とかしたんでしょ?いや、お兄ちゃんのことだし『遊ぶ』はないか。うーん、じゃ勉強とか?」

「うっ…」

なにも言い返せないし全くその通りであった。

「あーやっぱり」

「う、うるさいな。お前には関係ないだろ…じゃ、風呂入ってくる」

「わかったっ!じゃ、ご飯の準備して待ってるねっ!(お兄ちゃんは、私のものなんだから…)」

なんか、他にも言った気がしたが、気のせいだろう。


僕はさっと、風呂を済まし、下に向かう。


「あ、お兄ちゃんっ!ご飯食べよ?」


「あ、う、うん」


下に着くと、もう料理がテーブルに並べられていた。


そして、何故か妹は食べずに待っている。


「「いただきます」」


僕らはご飯を食べ始める。


今日は、ミートソーススパゲッティか。


とりあえず、一口。


う、うまいっ!


トマトのほのかな酸味と、ミートの旨味が見事に調和し、それが口の中で、麺とともに踊る。


そう、例えるならば、サーカス団がやるサイレントコントような。そんな、うまくピースがハマった時のような感覚だ。


これは、美味すぎるっ!神がかっているぞ……


「ど?お兄ちゃん?美味しい?」


「あ、ああ。完璧だ」


「やったー」


と、嬉しそうな妹。


僕は心底幸せだ。こんな料理のうまい人間は世界各国を探しても、2〜3にんいるかいないかだろう。


****


「「ごちそうさまでした」」


今日の夕ご飯が終わる。


少し、ゆっくりしておきたいが、明日はなんと女の子から勉強会に、それも二人きりの勉強会に呼ばれるため、僕は自分の部屋にむかい、自分の布団の上に大の字になり、考え事をしていた。


明日何時に行こうかな。

早すぎてもダメだよな。

よし、明日は10時くらいに行こう。

そういえば、小学校の頃に夏休みのしおりを一字一句間違えないように覚えて暇つぶししてたな。

と、苦い記憶が思い出された。

友達は女、男共々居たけど、彼女のいない僕は覚えても全く意味がなかったが…

しおりを思い出してみた。


【注意…これができないひとは夏休みの間先生からもらう本を読んで女心を学んでください

1、朝10時まではおともだちをさそってあそびにいかない

2、あそびにいくときはまず、おかあさんに”どこに、だれと、なんじにかえるか”を伝えてからあそびにいく。

3、彼女が出来たらまずはデートにさそう

4、おんなこころをつかむ】



と、まあこんなところだ。


僕は、3と4が出来なかったので、遊びに行く事が出来なかった。

僕は当時の担任の先生に、「夏休みはこれでも読んでろ」と、一冊の本を渡されてその本をよんでいたな。と、言う苦い記憶が僕の脳内を駆け巡っている。

その本の内容もずさんなものだった。

もう、思い出したくもない。なにが「人の心情を学ぶために恋愛小説を読め」だ。

さすがにそれはないだろ。僕はリアルがない小説は大嫌いだ。なんだよあれ。甘酸っぱいやつ。はぁ……ふざけんなよ。

そんな嫌なことを忘れるために、僕はベットに潜ると、眠りにつこうとした。だが、明日は体育祭だ!ってなってる小学生のようにねれなくて、気がついたらもう日が昇り始めていた。



****


ジリリリリリリ!!!



「……………あ、朝か?」

「お兄ちゃん起きた?」

目をさますと妹が僕の上に乗っかっていた。

というか、ほとんど起きてたんだが?

「な、なんでお前がいるんだ?」

「昨日のこと覚えてないの?昨日のお兄ちゃん……激しかったなあ」

おいおい、ちょっと待て!!

俺は兄妹で越えてはならない一線を越してしまったっていうのか?昨日はテレビを見ていたのは覚えている。だか、そこからは全く覚えていない。

どうしよう…

多分、いま顔が真っ青だ……

「お兄ちゃん嘘だよ」

と、妹はドラ◯エとかの魔王の笑みを浮かべ、僕をいじって楽しんでいた。

「朝からドッキリはやめてくれ……心臓に悪い」

「ゴメンなさーい」

ふと、時計をみた。時計は8時を指していた。8時からはニュースがやるので、テレビを付けてニュースを見始めた。ニュースは酷いものもあるがタメになることも多いなので、僕はいつも欠かさずにめざ◯しテレビを見ている。

テレビを見ていたら妹が朝ごはんを作ってくれていた。

「お兄ちゃんー朝ごはん出来るから準備して」

「うん」

今日の朝ごはんはなかなかのものだった。

メニューは、今旬の、青魚の南蛮漬けと、味噌汁、ご飯、サラダである。

僕はいつものようにさっさと妹が作ってくれたご飯をダイニングに持っていき、席に着くとご飯を食べ始めた。

「ねえねえ、お兄ちゃん知ってる?最初に食べるのはサラダがいいんだよ」

「え?なんでだ?」

「よく覚えてないけどテレビで言ってた」

「そうか、ならサラダから食べるよ」

僕はサラダを食べ始めた。

レタスのシャキシャキした食感とトマトのプチっと弾けるあの酸味が大好きだ。

そう、あれを組み合わせるともう絶品で、他のサラダは食べられないほど美味い。


僕はサラダをたいらげ、次は青魚とご飯を食べ始めた。

やはり、妹の作るご飯はウマすぎる

いいつけ具合で作り方も最高だ。

これとご飯を一緒にたべると…

口の中で青魚とご飯が踊り始め、美しいハーモニーを生み出すっ!!

う、美味い

「どう?お兄ちゃん美味しい?」

「今日のご飯も美味い!」

「やったー!!梨花もっと頑張って作るねっ!」

「おう」

ふと、時計を見ると9時半を指していた。

まあ、まだ早いしゲームでもするか僕は昔からやっていたリア充爆破Second2を少しやっていた。

数十分後、僕はゲームをやめ、白崎さんの家に向かう準備を整え、白崎さんの家に向かった。

3~4分くらいで白崎さんの家に着いた。



ピンポーン



僕はチャイムを押し、すぐに白崎さんが出てきた。

「あ、二宮くん!来てくれてありがとう」

「は、はい!少し早かったですか?」

「いえいえ、大丈夫ですよっ!じゃ、二宮くん家に上がって」

「お、お邪魔します」

彼女はニコッと笑顔を浮かべ僕を歓迎してくれた。

僕は靴を脱ぎ、家に上がった。

「私の部屋は2階なのでこっちにきてください」

「は、はい」


ん?何かがおかしいぞ?


な、なにか…いる。


僕の真後ろから鋭い視線を感じた。

「おー!!いいとこまで進みましたねー」

真後ろにお化けかのようにインスタントガールフレンドが現れた。

「お、おう。あまりびっくりさせないでくれ。今日は朝から妹にドッキリを仕掛けられ心臓が痛いんだ。」

「これはこれはすいません。今度から気をつけます。」

「おう」


「あ、あのー二宮さん」

声の感じ、表情から心配しているんだなとわかった。

察して僕は

「大丈夫ですよ」

と、言うと彼女は安心した表情で部屋まで案内してくれた。

彼女の部屋は、オシャレな洋風の部屋で、かわいらしいクマのぬいぐるみやハート型のクッションがあったりで、そう簡単に言えばおとぎ話にどにでてくるような部屋だった。

「どうしました?」

僕はその部屋に驚いていたし、反応に困るところだった。

なんでって?それは女の子の部屋なんて入ったことないんだもの。

無視していないが、聞いてないと思われて、もう一回聞いてきた。

「女の子らしくていい部屋ですね」


閑古鳥の鳴いた店のようだ。


な、なんだこの沈黙は?俺はなにかしてしまったのか?どんな反応をされるかわからないし、少し怖いし僕はうつむいていた。

「そ、そうですか?」

て、照れている?良かった~嫌われるかと思った。

僕たちは座り、勉強をし始めた。

「わからない場所あったら言ってね下さいね」


と、僕は一言言っておく。


ど、どうする?

話しかけるにしても話題がない。

そもそも、勉強教えに来ただけだし、白崎さんが頑張っているなら僕は静かにしているしかいない。


コンコンッ!


ノックの音が、この部屋の静寂を破った。

「少し待ってて下さいね」

「はい」


白崎さんは部屋から出ていった。

扉の向こうから話し声が聞こえる。

僕は別に話を聞くつもりではなかったのだが、耳に入ってきてしまった。

「お姉ちゃん、誰が来てるの?」

廊下にいるのは声などですぐに白崎妹だとわかった。

「うーんとね。お姉ちゃんは今大事な人といるから邪魔しないでねっ?」

………っ!だだだ、大事な人と……い…る?

まさか?俺か?俺なのか?

いや、僕以外にも人がいるんじゃないか?と思い、とりあえず周りを見渡してみる。

やっぱり誰もいない…

……ってことは俺のことなのか?俺なのかぁぁぁ!!!

ガチャ

ドアが開いた。

「ごめんね、二宮くんお待たせっ!ん?どうかした?」

「ど、ど、どうもしてません」

どうかしてんだろうがっ!!なにがどうもしてませんっ!だよ!!一回死んで来いってんだよ。多分僕は顔が真っ赤になっている事だろう。

「で、でも…顔が赤いですよ?熱でもあるんじゃないですか?」

「だ、大丈夫ですから…」

「そ、そうですか?」


………………………


しばらくの間、セミでも鳴くのをやめてしまうほどの沈黙が訪れた。


次に会話が出来たのは10分後くらいだった。


「あの、ここの問題教えてください」

数学の軽い応用問題だった。

「これはこの問題に使ったこの公式を使えば…となって…で、答えはこうなるんですよ」

と、僕なりにわかりやすいように教えてみた。

「は、はい。こうしてこうするっと」

白崎さんは僕のいったポイントを抑さえていた。しっかり者でかわいいし、こんな人が彼女だったらいいな。

そんな事を考えていたら、下の階から誰かが駆け上がってくる音が聞こえた。



ガチャ!

部屋の扉が勢い良く開いた。


開いたドアの向こうに立っていたのは、真っ青な表情をした鳥さん。表情から、察するに凄いことだろう。

「お姉ちゃん大変!!早く来て」

「え?どうしたの?」

「いいから早く」

「う、うん」

ドタドタと二人とも下の階に行ってしまった。


少しの沈黙があった。



すると突然

「キャーーーー!!!」

白崎さんの叫び声が聞こえた。


その声を聞き、僕は走って下に向かう。


ガチャ!!


「白崎さんっ!!」

僕が駆けつけたら、二人とも僕に助けを求めてきて、僕の腕に蛇みたいに巻きついてくる。

柔らかい感触が僕に当たり、少し興奮状態になったが頑張ってこらえ、とりあえず落ち着ついて状況を知らない事には何もできない。

「落ち着いて?なにがあったんですか?」

「で、でたぁ……」

と、怯えている白崎さん。のあれが僕の体に当たってこっちもこっちでそれどころじゃない。

「そうなの。お兄ちゃんGがでたぁぁぁ」

とりあえず状況を理解した。

髭男爵が出たってことらしい…

ここで少し考えた。

この悪の根源であるやつを始末しないといけない。

やつに有効な武器と言えば…

「新聞紙か何かないですか?」

「ありますっ!!少し待ってて下さい。とってきます。」

「私もいく」

そして二人ともいってしまった…

今の僕の現状はゴキブリと1対1でこっちは武器無しで仲間が来るまではこいつとタイマンをはり、耐えるしかないっ!!

僕は、やつと張り合う。やつが動くたびに動かすあの触手。もう、早くしてくれぇぇぇぇ!!

白崎さんが新聞紙をもって来てくれた。

「二宮くん。お願い!!」

「任せてくださいっ!」


バン!!!

僕は一撃で奴を仕留めると、その死骸を新聞紙に包み、そして捨てた。

「ありがとうねっ!」

「このくらい大したことないですよ」

悪の根源に見事僕達は、打ち勝ち再び白崎さんの部屋にいった。


****


「ねえ、なんで鳥ちゃんがいるの?」

そう、いまは白崎さんと二人きりではない。今は彼女の妹(鳥ちゃん)がいる。

「お兄ちゃんのこと知りたいからです」

僕のことを知りたい?何故だ?なんで、こんなにつまらない僕なんかに興味を持つ?

その前に…お兄ちゃんって…ちょっと破壊力強すぎだろ…

僕は断じてロリコンではない!!だが、あれはちょっとダメだ…

「そ、そうか」

顔が歪みかけているのが自分でもわかるくらい、デレていた…

「と、とにかく私は勉強するの、だから今は二人だけにして…」

僕の方をチラッ!っと見て、顔を真っ赤に染めていた。

「はーい。じゃ、またね。お兄ちゃんっ!」

白崎妹は性格がガラッと変わり、ものすごくかわいかった。なにがあったかは不明である。

また二人きりになって話題がなくなってしまった。



「もうすぐ夏ですねー」

白崎さんは話題を作り出してくれた。

「そうですねー」

「このテスト終わったら夏休みですねっ!」

「はい!」

僕は受け答えしか出来なかった…

「あ、あの……もし良ければ夏祭りにいきませんか?」

え?僕の聞き間違いかな?

「夏祭り一緒にって……あの、いいました?」

僕は訊いた。

「は、はい!あの一緒に行けたらなあって…思って…あ、でも約束してたりしてるならいいんですよ」

「いえ、全く夏祭りなんて無縁だったので…」

「そうなんですか?」

「はい。あそこは一人の人が殺される場所ですから…」

「そうなんですか…」

夏祭りは今はリア充共がカップルで参加する行事だ。

基本カップルが普通である。

ん?ってことはだぞ?

僕は少し考えてみた。

今、彼女が言っていることは告白同然じゃないのか?

いやいやいや待て、あり得ない!

白崎さんはそこまで考えてないよな?と思いとりあえずおちついてから、現状の把握をした。

僕は、携帯端末のカレンダーを開き、見ようと思ったが重要なことを聞き忘れていた。

「あのー夏祭りっていつですか?」

彼女は驚いた様子でこの問いに答えた。

「いつもと同じ8月3日ですよ」

いつも8月3日なのかーと思いつつ僕はわかったりました。といい、カレンダーに目を落とした。

8月はほとんど予定はなにもなかった。当然と言えば当然だ。だって、遊ぶような友達なんていないのだから。

「行けます!!」

「やったー、夏祭り楽しみにしてますねっ!」

僕はかわいいなあと思いつつも今日ここに来た意味を思い出した。

勉強を教えにきたのだ。

「あの白崎さん、勉強は大丈夫なんですか?」

「あ………」

「ま、まだ大丈夫です。間に合いますから」

「あと3時間くらい集中して勉強しますか?」

「はい!お手柔らかにお願いしますっ!」

そのから彼女と僕は勉強を3時間くらい集中してやった。

「これで、期末は充分な点数取れますかね」

僕は要点だけを教えて余計なことは、省いて教えたので5教科が3時間くらいて復習できた。自分も教えることで復習出来て良かった。

「二宮くんありがとう」

彼女はニコッと笑った。その時、僕の疲れが吹っ飛んだ。


「いえいえ僕はなにもしてないですよ」

「でも、凄いなあ二宮くんは3時間で、5教科の要点をまとめて教えてくれるなんてー」

白崎さんは凄い集中力で、話を聞いてくれたから、僕も頑張れたし理解が早くて楽だった。

「白崎さんの理解が早くて楽でしたー」

「そ、そうですか?」

「はい!」

ふと、時計を見ると、太陽が沈みそうで沈まない6時くらいを指していた。

「じゃ、今日はこのくらいにして帰りますか?」

「あの、明日……ですか?」

彼女は顔をりんごみたいに赤く染めて、何かを言っていた。

『明日暇ですか?』っていったのか?

うーん、どうする?ふぅ~仕方ない聞いてみるか

でも、好感度を下げたくないなー

僕は心の中でインスタントガールフレンドを呼んだ。

「はーい。しろーさんどうしました?」

「あのな、ちょっと今の白崎さんの好感度レーダー教えてくれないか?」

僕はさっさと要件を告げ、白崎さんに変な奴だと思われないよう早めに聞いてみた。

「好感度レーダーは私の中についてんですよ。出せませんがちょいとみてみますね」

そう言うとインスタントガールフレンドは上の服を脱ぎ始め、僕は少し動揺したが、彼女の顔を見ると、『ツッコミはまだか?』みたいな顔をしている。

僕はそのまま、静止した。

「ちょっとは見てくれてもいいじゃないですかー…」

「うるさいお前が悪い。次ふざけたら刺すぞ?」

すると、彼女の顔から血の気がひいていたのがわかった。本当に怯えているのだろう。

「す、すいませんマジでごめんなさい」

「わかればいい」

「で?早くお願い」

「わかりましたよ」

彼女は承認すると白崎さんの顔をじっと見始めた。

するとインスタントガールフレンドの目の色が変わり真っ赤になっていた。

「判定終わりました。頑張りましたねっ!」

僕はよくわからなかった…

「なにがだ?」

「このレーダーの説明がまだでしたね、えっとですね」

僕は話が長くなるのが嫌だったので

「2段落以内でまとめろ」

と、インスタントガールフレンドに王様であるかのように命令した。

「このレーダーは目の色で決まります。白、青、黄色、緑、赤、金、の順番で良し悪しがわかります。

しろーさんは赤なので2番目ってことですね。

赤は……告白していけるかいけないかですね」

こいつ3段落にしやがった…

「まあ、よくまとめた。」

「私だってやれば出来るんです。訳してYDK!!!」

「はいはい」

僕は軽く流すと本題にはいった。

「おい!インスタントガールフレンド」

「はい?」

「どうやってなんて言ったか聞けばいい?」

インスタントガールフレンドは少し驚いた様子で、

「え?普通に『すいません、今なんて言いました?』でいいんですよ」


インスタントガールフレンドに言われた通りにするしかない僕は、その通り奴隷みたいに従った。

「あの、すいません今なんて言いました?」

「明日暇ですか?」

僕の予想通りの回答だった。

「少し待ってね」

と、いうとポケットから携帯端末を取り出し、明日の予定を見てみた。

なにもかいていない。

だが、そんな時に妹の顔が浮かんでくる。あ、明日はなんかあるって言ってたな。


「明日は妹がようがあるって言ってて…すいません」

「暇じゃないならいいんです」

「すいません…」

ふと時計を見ると、太陽が沈み、つきが登り始めているくらいの時間になっていた。


「そろそろ帰りますね」

「は、はい」

僕たちは部屋を出て玄関にむかった。

「じゃまた月曜日にー」

「はい!また月曜日に」

ガチャっと扉を開き帰ろうとしたら妹がでてきた。

「お兄ちゃん帰っちゃうですか?」

「お、おう。またね」

「また来てくださいです。」

と、笑顔で言ってくれた。

僕は白崎家を後にし、自転車にのりこむと自宅へ帰った。

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