魅惑のスーパー

 結婚当初は買い物ひとつ満足に出来なかった私だが、それは昔のお話。

 私はスーパー巡りが大好きだ。市内のスーパーはほぼ網羅するくらいに、あらゆる場所へ行っている。

 安いのはもちろん前提だが、各スーパーの特色を知れるのが楽しい。あそこは野菜が安いとか、ここは肉の品質がいいとか。生鮮品だけでなく、調味料や冷凍食品、嗜好品によってもその日の状況で行く場所を変えている。

 例えばレトルトカレーを買いたいとする。私用ならば、今はバターチキンカレーにハマっているので、品揃えのなるべくいい場所を選択する。娘用ならば、辛いのが大の苦手なので、甘口で食べやすいものが置いてる店舗へ。息子用ならば、ある程度の辛さは平気だがとにかく大食漢なので、量が多くてお得感のあるところへ足を運ぶのだ。

 ちなみに旦那は日本人なのに米が嫌いなので、レトルトカレーを口にすることはまずなかったりする。

 もちろん一品一品で場所を変えていては時間も移動費も無駄になってしまうので、その時買いたいものを総合的に判断して場所を決めるようにしている。


 『値引きシール』が好きだ。『特売』が好きだ。

 『限定品』は嫌いだ。買わされている感がするからである。しかし、『最後のひとつ』には魅力を感じるのだから不思議なものだ。


 家計のやりくりが好きかというと、そうでもない。元々がケチなので無駄遣いはしないが、家計簿は一切つけたことはない。

 たまに、家族で買い物に出かけて食事を作るのが面倒になり、「好きな物選んでいいよ」と自分で食べられるものを選ばせたりするのだが、そんな時に一番優柔不断を発揮させるのが私だ。

 単純に食べたいものだけならともかく、値段、容量、お得感、色んなことを考えてしまい、頭がパンクしてしまいそうになる。

 挙句の果てに面倒くさくなって、炊飯器に一人分のごはんが余っていることを思い出し、「納豆でいいや」とか言い出す始末だ。


 旦那も私と同様スーパーを巡るのが好きで、子供たちが独立したら、日本中を旅行しまくり、ご当地スーパーを回りたいという野望を抱いている。

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