第6話 デザインその後

さぁその後が大変だ。


“良識的な”私はアートじゃなくてプロダクトデザインの道を選んだ。

理由は、アートだと「これが“憎しみ”です」とか「これが“愛”です」とか言ってひとりよがりのよくわかんない絵とかみせられて、見せられた側も「ハテナハテナハテナ?」ってなってしまうけど、

プロダクトだったら「これが椅子です」と言えば「おー、そうねたしかにこれ椅子ね。すわれるもんね」と、みんなの(世の中のみんなの)共通言語になると思ったからだった。

別にその判断は間違ってると思ってない。


でも、もしかしたら私にはもっとエゴを出す場面があってもよかったんじゃないかなー、って今の私は思う。


だれかと分かち合えなくても、だれかと共通認識がもてなくても、会話が成立しなくても、自分が「これちょーファビュラス!私サイコーYeah!ウェーイ」って思えるものをつくれる、アウトプットできるやり方を学んでも、

もしくはそういう自分をだしてもいいんだよ、って自分で思えたら良かったのかも知れねーなー。でもまぁ、あの時はその選択しかできなかったから、それで良かったんだよなぁー。

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