めまい
押忍!! ガクです。チョコレートの原材料のカカオを出荷いている人達はカカオで何が作られているのか知らなかったそうです。チョコレートを食べて『これは何で出来ているんだ?』と質問しているのを見て笑ってしまいました。
ルアンがお腹が空いたと言ったのでお昼ご飯にする事にした。
てか、ルアンさっきお菓子食べてたよな?
まぁ、ルアンがたくさん食べてたとしても小さなおむすびぐらいでお腹いっぱいになっちゃうから金銭的にも全く圧迫にならない。
そういえば俺の【アイテム収納アプリ】に入ってる樽の中にあの置物が何個あるんだろう?
樽の合計数は特産品だけで百五十はあるから、一個の樽に置物が二十個は入ってるだろうから……三千? え、マジで?
一個が最低銀貨二十五枚だとしても……銀貨七千五百枚。金貨で七十五枚!?
に、日本円で七百五十万……。
め、めまいが……
「が、ガクさん!? どうかしましたか?」
「ちょっと大金に目が眩んだ……」
「ガク~。だいじょうぶ~?」
「あ、あぁ。大丈夫だ。ありがとうな。ルアン」
「えへへ~」
俺の予想が正確な確証もないからこんな金額にならないって事もあるし……。
ま、考えても仕方ないか。
貧乏な俺が大金を手に入れたら間違いなく散財してしまう可能性があるから気を付けよう。
お金は使えばなくなるのだ。
……よし。
「ガク~?」
……ルアンの洋服は可愛いのを揃えよ。
「ガクさん、本当に大丈夫ですか?」
ルアンだけじゃなくてサラにも洋服を買おうかな?
どんなのがいいかな?
「ガクさん。着きましたよ?」
「ハッ!? 考え込んでしまった!」
「ぶぅ~。ガクがあそんでくれない~」
「ご、ごめん。ルアン」
まさか洋服を考えていつの間にか三十分も経過していたとは。
その後の食事でルアンにデザートを上げてご機嫌を取った。
可愛い顔でプンスカ怒ってるのを主張しながら口にデザートを運ぶ仕草がなんとも面白かった。
サラもニコニコとルアンの様子を見ている。
「ガクさん。思ったのですが、スミスさんはもしかしたらダルダさんとの衝突を予想していたのかもしれません」
「どうして?」
「荷物の金額を私なりに計算しましが、あの人を頼らなくても金銭面で困る事は少ないと」
「あ~。そうだね。スミスさんは逆に衝突させて楽しんでそうだな」
「それは……あり得ますね」
無いと言おうとして、少し考えたらそれもあり得ると思たんだね。
スミスさんは人を困らせたり、苦しめたりして楽しむ節があるからな。
「資金が手に入れば家を借りることも装備や武器をより強いモノに変えられますし、奴隷を買う事も視野に入れられますね」
「奴隷か~」
スミスさんに以前『買わないか?』と勧められたが、俺は断った。
なんか奴隷に良いイメージがないんだよな。
スミス家の裏にあった蔵の中にいる死を待つだけの奴隷を見たからなのか、それとも奴隷という日本になかった制度自体だからなのか分からないけど、どうにもな……。
「そうです。この後、奴隷商に行きましょう」
「……あいつのところ?」
ご機嫌がマックスに悪くなる。
「いえ、別のお店です。帝都ですからね。たくさんのお店がありますよ」
「たくさんのお店……」
風俗とかあるのかな?
行ってみたいな~。
「ガクさん?」
ハァッ!?
「そうだね。午後は奴隷を見に行こうか。うん」
「エッチィなお店は行きませんからね~!」
やはり、俺がエロいお店に行きたいと思っていたのがバレてしまった。
だが、サラはまだ俺を分かっていない。
「サラが入ればそこは既にエロい空間と化すのだ」
「本気で何を言ってんですか!?」」
なんでその華奢な身体に見事なタワワが二つも付いているのか。
お見事!!
「ガク~。サラク、エロいの?」
「サラがエロいというよりその身体が―」
「ガクさん! ルアンに何を教えているんですか!?」
「あははは。サラク、かおまっかだ~」
「実に可愛いな」
「もう! 二人して!!」
「「あはははは」」
今度はサラが怒ってしまった。
ウサギのカチューシャを取り出して付けようとしたから慌てて止めた。
ルアンの笑顔を武器にサラを落ち着かせた。
ゆっくりとしても良いが、少し騒がしくし過ぎたようで周りがルアンの存在に気が付き始めた。
わざと奥の席にしたんだがな。
まぁうちの娘の可愛さがあれば仕方ないというものだ。
そそくさとルアンを俺の頭に移動させ、フードを被り店を後にした。
奴隷商の場所を聞くために一旦、宿屋に戻った。
すると、顔見知りが宿屋の前にいた。
全身鎧で顔は見れないんだがな。
「ど、どうも」
「その声はシャルルか。どうしたんだ?」
「じ、実は……」
俺たちが遠くにいたころから見つけていたようだ。
少し言い難そうに口を開いた。
「バファル教官がアナタたちを連れて来てほしいって言われて……」
よく彼女を見ると全身砂だらけになり、かなり疲弊している。
心当たりがバリバリあるんだが、何があったのか。
「サラク。あなたの魔法でグラウンドが砂漠みたいになっちゃって本部から土の魔法使いを派遣してもらったんだけど……」
「直りませんでしたか?」
「そうなのよ。砂は舞うし、足を滑らせたバカが砂に飲まれるしでもうダメなの。お願い。サラク、あの地面を直してくれないかしら」
何をどうやたら直らないなんて事があるんだ?
さすがはサラだ。
「ガクさん……」
「ん? 俺はサラが行きたいなら問題ないよ。友達の頼みでもあるから無下にしたくないって気持ちも分かるし、行ったら行ったで何かに巻き込まれる可能性もあるけど、それが理由で行かないのは違うと思うし。まぁ問題ないんじゃない?」
サラが考えそうな事はそんなことだろうな。
「あなた、本当にサラクの事が好きなのね」
「ん? 俺だけじゃないぞ? ルアンもそうだ。あと、ここにはいないがまだまだいるぞ」
「……あなたにも誤解を解いてほしいのよね」
「どういうことだ?」
俺って誤解を招くような事したっけ?
「行けば分かるわ」
「そうか。サラ、どうする?」
「行きましょう。シャルルさんは私の友人ですから」
「サラク。ありがとう。すまないわね」
「いえ」
これから奴隷商に行くのは中止して騎士見習いの宿舎に向かう。
現在、ルアンは食後の睡眠をしているので、俺のバックの中にいる。
寝る子は育つと言うが、ルアンはこれから大きさ的に成長するのだろうか?
そのうち分かるかな?
少し宿で荷物の整理や準備をして向かう。
その間、俺は一人。
サラとシャルルは仲良くお話をしている。
シャルルも美人に入るのでヘルムとかしなければ俺の妄想が捗るんだがな~。
残念だ。
こうして本日二度目の宿舎に到着した。
宿舎を迂回してグラウンドに向かう。
「砂が結構舞ってるね」
「水を撒いても効果が薄いのよね~」
「うまくいってますね」
サラはご機嫌のようだな。
「うわ~。前の面影が全くない」
「木々が砂の中に飲み込まれて、風で地面が凸凹になっちゃったのよ」
結構な人がワラワラと集まり何かをやっているが、遊んでいるようにしか見えない。
てか、完全に遊んでるよな。
俺とサラとシャルルがグラウンドに近づくと俺たちの存在に気が付き、数人の人が近寄ってきた。
「いや~。すまないな、サラクくん」
「いえ、シャルルに頼まれたのでこの原因不明の事態に手を貸しに来ました」
あ~。サラはこの砂漠化が自分が原因ではなく、原因不明って事にしているのか。
「いや~。俺たちがここを去る前は立派なグラウンドだったのに、なんでこんな事になってるんでしょう?」
「そうですね。何か心当たりでもありますか?」
バファルはとても苦々しい表情をしている。
サラはおそらくバファルの言葉に何かを察知したのだろう。
じゃなきゃあんな事を言うわけがないしな。
「いや。……原因は今のところ不明だ」
「そうですか。それは大変でしたね」
「ま、まぁな」
頬が引きつってる。
俺でもバファルの心が読めそうだ。
「サラ。この原因不明のこの事態を収束させる事は出来そうかな?」
「そうですね~。原因が不明ですから、もしかしたら私でも直せないかもしれませんね~」
俺とサラでわざとらしい子芝居をする。
シャルルは頭を抱えてため息をし、バファルは引きつった笑みを浮かべている。
「では、やってみますか」
サラがグラウンドに進む。
バファルは周囲の人たちを避難させる。
サラは砂漠を苦も無く歩き、中心で止まった。
普通なら沈むがサラは魔法を使って沈まないようにしたのだろう。
サラが地面に手を添え、何かをすると地面が水で湿ったように色が変わり始めた。
心の中でおねしょみたいだな~。とか思ったりしていた。
変色はまんべんなく隅々まで行き渡り、今度は地面の表面が乾き通常の地面の色に変わり出した。
そして、その変化が終わるとサラが戻ってきた。
「お帰り。お疲れ様、サラ」
「ありがとうございます」
砂漠化を治すだけで地面の凸凹なのは直さないんだね。
辺りの木々も地面に沈ませたままか。
「ありがとう、サラク。助かったわ」
「どういたしまして」
心底安心したような声でサラにお礼を言うシャルル。
「まさか、こんな早く治すとは……」
バファルは呟くように声を出した。
「すまない。助かった。サラクくん」
「いえ、思いのほか魔力消費が多かったので地面を均す事ができませんでした」
「いやいや、それはこっちでもできるさ」
サラ、ダウト。
嘘だな。
まぁ、バファルも分かってるだろうし、問題はないだろう。
「そうそう、ガクくん。シャルルの事、よろしく頼むぞ」
「え? あ、はい?」
どいう事?
「君はシャルルと付き合っているのだろう?」
とんでもない爆弾を投下してきたバファル。
シャルルが解きたい誤解はこれか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます