マジ異世界怖いw
押忍!! 三十六歳。漢。 学です。現在の目標はハーレムを作る事だ!!
現在休憩を挟みながら、スタートしたところの北に位置する地点に移動中。真っ直ぐ戻ってスタートしたところから北に向かうか迷ったが少し斜めに移動してる。町をスルーしてしまわないように気を付けての移動だ。折り返したところもスタート地点も地図スキルで大体の場所が分かるから出来る事だ。地図スキルマジ優秀!!
だが現在、俺の前には凶悪な魔物が三体いる。俺はこの死闘を無事突破できるのか、少しでも攻撃力が欲しいな。【アイテム収納アプリ】の中の棒を俺はイメージ操作で出す。相手は動かない。こちらの動きを観察しているようだ。俺も下手に動けん。棒を持った手に汗を掻いているのが分かる。ここまでの緊張感は体験したことがない。
俺は覚悟を決め、魔物に棒で攻撃。俺は無我夢中で魔物を棒で殴る。ベチャッ!ベチャッ!と嫌な音をたてるが、ここで手を緩めると危険があるのは俺自身だ。殺らなければ殺られるのがこの世界。俺は嫌がる心を抑えつけた。
そして決着。そこに起つのはもちろん俺だ。良かった。この死闘は俺の勝利だ。倒した魔物に目を向ける。
名前・ムミの死骸
名前・ムミの死骸
名前・ムミの死骸
誰かが俺の事をバカにしたような気がする。気のせいか?
なにザコ倒して死闘とかほざいてんの?バカなの?死ぬの?とか。
フ!!俺にそこまで求めるな!!以上!!
まだ、異世界に来て八時間だよ?まだ第一村人も発見出来てないんだよ?そんな俺に何を求めているのかね?俺三十六のおっさんだよ?見た目は十五ぐらいだけど。引きこも…………じゃなかった。一日を部屋で過ごす人種を二十年以上続けた現代魔法使いだよ?適性が無くて魔法使えなかったけど。こんなに歩ける事が俺の中ではすごい事だから。
自分に甘い?イヤイヤ。自分に正直なだけさ!
……ヒマだな。心の中でこんな事をつぶやくぐらい暇だ。
現在の時刻十四時半だ。さすがにお腹が減ってきた。食べ物ないかな~?……なんも無いな。
今の俺がやってる事はムミがいれば棒で倒し、地図スキルは常時発動し続け、道中にある草や花、虫に土といろいろ鑑定スキルで見まくるといった具合だ。
ムミは歩いていると意外にもいる事が分かった。十~十五分に一~三匹ぐらい見つける。踏んだ後に見つけたムミを観察していたが思いのほか危険だった。
まず、体はジェル状というか寒天だな。最初に棒で突っついてみたが反応無し、まったく動かないので座って見ていたがプルプルした感じだった。なんか可愛い感じがしたので素手で突っついてみた。表面は固形で突っつくとプルル~ンとした。
面白くてしばらく突っついていたが、力を込め過ぎて指が刺さってしまった。その瞬間、指先から激痛が走った。すぐに手を抜いたがずっと痛いままだった。土をかけても草で拭いても痛みは変らなかった。それどころか、痛みは次第に手の平に広がって来た。
俺はパニックになり慌てるばかりで同じ事を繰り返していた。そして痛みが肘辺りまで来た時には痛みで脂汗が止まらなく、意識は朦朧とし呼吸が早くなる。そんな中、今まで動かなかったムミが動いた。しかも俺から遠ざかるようにして。俺はなぜかムミを逃がしたら駄目だと思い近くにあった棒でムミを倒した。
すると止まらなかった痛みや汗が徐々に引き、呼吸も安定した。
しばらくは全く動く気が起きなった。座りながら【ステータス確認アプリ】を起動。HPが半分以上減ってる。その時、次のページがあることに気が付き次のページへ。
すると、俺のログが大まかに書いてあった。
【ステータス確認アプリ~ログ~】
・ムミを倒した。
・ムミの寄生攻撃を受けた。
・ムミの攻撃を受けた。
・ムミを倒した。
・地図のレベルが上がった。
ツッコミ気力が今の俺にはない。
なに?寄生って。あの激痛って寄生さてたから?うわ~~。
……異世界怖い。
俺はこうして異世界の怖さを知ったのだった。
時刻は一八時を回り夕方に。お腹へった。グ~~~
ムミの生態が寄生生物だったのが大きくショックな今日この頃。俺はお腹が減りすぎて思考が鈍っている。
周りはもう夕焼けがきれいな時間帯。良かった。5時ぐらいに夜にならなくて。だが、もうすぐ夜だがな。
残念ロリ神の言ってた事は正しかったのか今になって不安になってきた。あいつは方角をちゃんと知っているのだろうか。あれでも神様だ、そんな事はないと思うが。やべ~めっちゃ不安だ。
現在、地図スキルは発動してない。正確に言えば5分ぐらいおきに発動し方角を確かめてスキルを切る。を繰り返している。地図スキルで分かる道が虫食い状態になってしまった。
なぜ、そんな方法をしているかと言うと体力的に厳しいからに他ならない。
MPやSPは時間経過で回復するらしい。だが体調によって回復度合いが違う。これも知ったばかりだ。MPやSPが切れても気絶するという事はなく。休息が必要だと感覚的に分かる。
もちろん、スキルは発動しない。いきなり地図スキルが切れた時はビビッタからな。常に通った大体の道が分かってたのにいきなり全く分からなくなる。結構怖かった。
今日1日で地図スキルのレベルがかなり上がった。他にも鑑定と防御力上昇スキルが上がった。素早さ上昇スキルは全く上がらなかった。なぜだ?
ステータス
スキル
・鑑定Lv5・地図Lv9・防御力上昇Lv3・素早さ上昇Lv1
レベルは上がっているが効果の程が全く分からん。防御力はムミの寄生を耐えた時に上がってた。その後のログに書いてあった。ログ機能便利。
鑑定情報は変らず少ない。何の為のレベルだ?
レベルが上がるほど上がり辛いのはお約束だろうな。ログでレベルの上がる間隔が徐々に伸びてきている。この分だとスキルによって成長の良い悪いがあるのだろうな。
そんなこんなで真っ暗二十時。諦めてどっかに寝ようかと本気で考えていたところ遠くに明かりが見えてきた。
「やっと見えた~~~~」
もうダメ。お腹減ってお腹が痛くなってそれすらも超えてもはや何も感じなくなってきたよ。
「到着~~~」
パチパチパチパチ~ドンドンパフパフ~ワ~ワ~~~
本格的に俺の頭が崩壊してきた。
「こんな時間に……大丈夫か?」
家族以外の声を聞いた気がする。……残念ロリ神?あれは例外だ。あ!!あいつ人じゃなくて神様 (笑)だし~。
「だ、大丈夫です」
「そうか!坊主。町に入るなら身分証を見せてくれ。すまないが規則でね」
身分証。あ~そういうパターンか。お約束だな。そしてお腹減った。
「すいません。なくしてしまったので再発行してもらえませんか?」
「……本気か?」
「え?」
なんだ?門番の人が急に真剣な顔になったぞ?あれ?これってあれだよね?お金払って直ぐに再発行って流れだよね?お腹減った。
「え~っと。再発行は出来ないんですか?」
「出来るぞ。だがな……」
「お金が必要なんですか?」
「いや。お金ではない」
どういう事?お金も必要なくなんでこんなに真剣なんだ?お腹減った。
「じゃ~再発行お願いします」
「分かった」
こんな渋い顔されるとは、一体何待ち受けているのか。お腹減った。
「では、こっちに来なさい」
門番の人が町に入って行った。後をついてけばいいんだよな?まぁお腹減った。
しばらく歩いた気がするが真っ暗でよくわからなかった。町並みは質素と言うかこじんまりとした感じだな。
「紛失の儀をやってもらいたい!!」
そう言ってドアをドンドン叩く門番。門番は良いのか?紛失の儀ってなんぞや?
「どうぞ。入ってください」
「失礼する」
ドアを開けて入る門番。その背後を付いていく俺という図式。
「こんばんは坊や」
「こ、こんばんは」
見た目は優しそうなおばあさんより若く、お姉さんより老けているそんな女性。恰好はこの人の職種なのだろ。
「今度は男の子ですね」
「今度は?」
「つい前日も坊主のように身分証をなくした奴がいてな。そいつは嬢ちゃんだったな」
おばさんに聞いたはずなのになんで門番が答える?お腹減って力がでない。
「では、俺はこれにて」
「ご苦労様です」
そう言って門番は帰っていった。俺を置いて行くな。食べ物よこせ!
「では、お名前を聞かせてもらっていいかしら?」
「え?あぁ。まな……じゃない。名前はガクです」
「そう。ガク君ね」
君付け。どっかの残念な神様が頭の中に浮かんできたが、ゆっくりと抱きしめて投げ飛ばした。
「身分証の再発行でいいのかしら?」
「あ、はい」
「分かりました。では紛失の儀を受けるのね?」
「それって何ですか?」
「ちょっとしたことよ?。お金もかからないし。身分証もらえるわよ?」
「……分かりました。」
「じゃ~コレ腕に付けてもらっていいかしら?」
「これ。腕輪?なんでですか?」
「紛失の儀に必要な事よ?」
「……付けました」
特に高そうとか壊れやすそうな物じゃないな。安物のブレスレットだな。なんでつけないといけないんだ?
「フフ。いつまでも立ち話もなんだから座りましょうか?」
「はい」
玄関の入口から移動。ちょっとした部屋だ。テーブルを囲うように椅子が4つふかふかだ。
「これでも飲んでリラックスしてね」
「ありがとうございます!」
すぐ飲み干した。熱いもクソもない。おばさんにちょっと引かれても問題ない。
「もう一杯どうぞ」
「どうも」
なんて優しい人だ~。
「私の名前はスミスよ。よろしくね」
「はい。スミスさん」
「説明するとあなたはここでしばらくの間、仕事をしてもらう事になるからよろしくね」
「えっと。どのくらいの期間?」
「3週間ほどよ」
「は?3週間!!」
「そうよ。よろしくね。衣食住はこっちで面倒見るから安心してね」
「よろしくお願いします!!」
ヤッホー!!食べ物だ~
「元気が良いわね~。あ、そうだ。私がなんの仕事をしているか当てる事が出来たら少しだけ優遇するわよ?」
「仕事ですか?」
「フフフ。そうよ?」
おばさん。スミスさんが着てる服は修道着。つまりシスターが仕事のはずだな。フ、だが俺はあえて間違えよう。シスターが一番似合わない仕事ってな~んだ?
「決まったようね。言ってみて?」
「奴隷商人!!」
フッ!決まった。スミスさんの呆気にとられてる表現が何とも面白い。これを選んで正解だったな。
「あ~~間違っちゃいましたか?」
「フフフ。クックック。アハッハッハッハ~~」
「スミスさん!?」
キャラが崩壊した!!スミスさんのキャラが!!
「正解だ!!坊主!!こんなに笑うのは久しいな。約束通り衣食住のランクを上げてやろう」
「あ……え?」
「正解だと言っている。俺の仕事は奴隷商だ。こんな格好してんのは相手が勝手に見くびってくれるからだ。まさか、当てられるとは思わなかった。アッハッハッハ~」
俺の中のスミスさんのイメージが覆った瞬間だった。お前は魔王か!!
「マジかよ~」
「んぁあ?口の利き方がなってね~な。坊主?」
「すいません!!」
「それでいい。まぁ目覚めたら詳しい事教えてやるよ。3週間よろしくな!」
目が覚めたら?何を言ってるんだ?いろいろ頭が回んない。なんだ?頭がくらくらする。気持ち悪い。
「お前が飲んだ飲み物は睡眠薬入りだ。おやす……」
俺はスミスさんの最後の言葉を聞けずに目の前が真っ暗になった。
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