第十三話 従精霊
客観視、という言葉がある。自分は昔からこの言葉に疑問を抱いていた。
知っている人もいるだろうが、客観視というのは第三者の視点に立って物事を見たりすること、と言われている。つまりは自分の思うことをそっちのけで考えることでもある。
しかし、主観、この場合でいう自分が客観的にみるというのは意味が分からない、と自分は思う。客観というのは自分の中の第三者で見るわけで完全なる第三者は存在しない。もし、客観視をしたいのなら、別の人を呼んで、その人に見てもらうのが一番正しいだろう。
会社なんかで、客観的にみて~、とかを理由に話す人がいるが、おそらくそういう人たちは客観が、一般的に、普通に考えて、と同義になっている気がする。実際には少し違うのだ。客観はあくまで客観なのだから、状況を見ることしかできない。そこにはいかなる評価も存在しないのだ。
さて、そんな前置きは本編とは一切関係ないのだが…
『マスターあたりの魔物はすべて掃討し終えました。ご用命を』
陽は落ちあたりが完全に暗い森の中、召喚した時の同じく黒いゴスロリドレスを着たルーテシアは、右手を覆うように闇の炎をともしながら俺に念話を送ってくる。かくいう俺は、ガルド先生とフィーが寝ている隣で横になっている。
『ん、もうそろそろ夜も明けるし十分だ。ありがとうな、ルーテシア』
ルーテシアの視覚の共有により、ルーテシアの周囲を確認すれば、たくさんの魔物の死体があった。獣型の魔物「ワーウルフ」だ。それぞれ、外傷は特に目立たものはないのに、完全に絶命している。それはまるで魂そのものを吸われたかのように…。
『もったいないお言葉…では…』
俺の感謝の言葉を聞き終えると、右手の炎を消し、軽くその場でドレスのスカートの両端を両手で貴族の淑女のように軽く持って礼をすると、両手をワーウルフたちの死体に向け、魔法を行使する。
精霊はいわば、魔力の塊であり、魔法そのものでもある。彼らの生態は完全にしらべきれているわけではないが、生き物の姿を取る精霊はほとんどその生き物との違いを見分けることは出来ない、とされている。また、その姿は多種多様で、獅子型、鳥型、人型などさまざまである。そういった、形をとれる精霊は中でも魔力の量が多く上位精霊と言われている。上位精霊以下の精霊はたいていはいわゆる人魂のような感じが通例らしい。下位精霊はもはや姿もないとか。
さて、そんな精霊だが、生き物と違うのはイメージや魔法陣なしで魔法を行使することだ。彼らは魔力の塊であるために、彼らの意識を通して魔力そのものを見て、変化させ、使うことができる。それは、つまり、魔法を行使すると考えてから使用するまでのタイムラグが0秒ということだ。
無詠唱の人でも魔法を出すまでにはごくわずかにラグがある。自分の中の魔力を意識し、変化させ、魔法をイメージ、構築、発現。この作業を行う必要が人の場合はある。精霊にはそれがないからラグがないのだ。
ルーテシアはワーウルフの死体の真下の地面に黒い穴を作り、そこにワーウルフたちを落としていく。その黒い穴に底は見えず、音もなくそれらは消えていった…。
『では、マスター。私はこれで』
『ああ、ゆっくりおやすみ』
ルーテシアの姿はゆっくりと闇に消えていった。
なぜ、俺がルーテシアに魔物討伐をやらせているのか、というと話は四日前の魔書館から帰った時に話は戻る。
魔書館から帰った俺は、ここに来た日と同様にガルド先生と訓練場に来ていた。持ってきた装備は自分が使うこの
ガルド先生は俺が帰る5分前くらいには家についていたらしく、
「お、帰ってきたか。じゃあやるぞー」
という感じでそのまま訓練場まで直行した。
さて、今日の訓練内容は何ですか、とガルド先生に聞いてみると、
「前にやった手合わせを今日は5セットやろうか!」
と、快活な笑顔で言われてしまった。まぁ、それだけなら…と承諾してしまったが、これにはまだ続きがあって…
「あ、今度は俺も攻撃するぞ?」
…もちろん、地獄でした。
セット間に休憩時間をちゃんとおいてもらえるのはいいんだけどさ…からの節々のダメージが治癒しないっていうかさ…。
最初の時は完全に手加減していたのがよくわかる。
1セット目はガルド先生もあまり攻撃はしてこず、出そうとした攻撃に対してのカウンターや阻害ばかりでまだよかった。本気ではなかったのだろうしかろうじてよけれた。こちらが爪による横からの薙ぎをすれば、ガルド先生は上体をそらすことでうまくよけながらもボクシングの要領で右手のフックをかけてくる。もちろん、速度はそこまでじゃないので顎がこすれる程度で済んだ。
そういえば、カウンターの右フックって、顎をかすめる、というか軽く当たると脳震盪になるらしいな。すごく危ない。
2セット目。少しあちらから自発的に攻撃が入ってきた。主に攻撃の牽制としてだろうか、致命打はないが、少しやりづらいな…。ちょくちょく腕とか足に入って動きが鈍くなるのが自分でもわかる。これ後で治すの俺なんだぞ!
3セット目からはガルド先生は大剣を持ち出した。といっても、木製のもので真剣ではない。だが、あれに当たれば肋骨くらいはいくだろうなぁ…。
案の定、大剣の振りがとても怖いことになっていた。振れば風を切る音がする。ブォンッとか言うんだぜ、怖いわ。
加えて、ガルド先生の大剣裁きには隙が全くと言っていいほど感じない。横や縦などの単純な振りもおそらくすぐ切り返しができるのだろう。なぜ、そう言えるかというと、一度試したからだ。
3セット目でガルド先生が両手で大きく左上から右下に切った時に、すぐ動かせまい、と大剣のリーチのギリギリ外から一気に足に魔力を込めて前に出たら、ガルド先生がニヤッとしたのが見えたので慌ててガルド先生を飛び越すように地面をけり、空中でさながら新体操選手のきれいな1回転ジャンプして、後ろが正面になるように着地した。
ちょうどガルド先生が降り終えた剣を、勢いそのままくるっと自分の体を一回転して、さっきまで俺がいたところに全力で左下から右上にスイングしていた。その風圧でその先にあった森の木の一本がガサガサァッ!!!と音を立てて枝を揺らしていた。
…………あたったらどないすんねん。
4セット目からは本気で容赦がない気がする勢いだった。スキルこそ使ってこないが、油断すれば死角から大剣が飛んでくる。彼のすごいところは武器の重さに振り回されず、その勢いを利用して剣を自在に動かすので疲れずに連続で剣をふるってくるところだ。
そんな訓練のおかげで訓練が終わった後は疲労困憊の満身創痍で訓練場に大の字で寝転がったよ…そのあと、ガルドさんが作った木製の水筒の水をがぶがぶ飲んで体力を回復する。休憩中にファンファーレが鳴ってたし、レベルが上がってるだろうが、酸素が足りなさ過ぎて頭が働かん…。後でいいか。
ガルド先生も多少疲れているのか、息が荒い状態で、
「こ、これで今日は、終わりだ、ふぅ、おつかれ」
と、少々詰まりながら訓練終了を告げる。それに返事を返す体力もないので、右手でサムズアップを返しておく。
気が付けば、あたりはすっかり暗くなっていた。多少落ち着いたのだろう、ガルド先生は、
「動けるようになったら、家に戻って来いよー。ここは帝国と違って夜は魔物が出るからな。といっても家には魔物除けの結界をはってるからあそこは安心だ」
「りょうかいでーす」
さすが元S級、援助祭りだな。
さっさと、降りてくるように、とだけ言い残しガルド先生は木製の大剣を持って降りて行った。俺自身は軽いんだから担いで行ってもいいのに…と軽くぼやきつつ、俺も体を起こして体についた砂を払う。そうだ、ステータス見てみるかな。さっきのでどんだけ上がったかなー。
_______________________
状態:良好
職業:武爪家
レベル:67
筋力:2649
敏捷:2734
魔力:3497
器用:2482
精神:2176
運:79
<スキル>
【スキルコピー】【すべてをこなせる才能】【剣術の心得】
【看破】【大剣術の極】【槍術の心得】【斧術の心得】
【武闘術の心得】【武爪術の極】【精霊召喚】
【危機察知】【限界突破】
<魔法>
【身体強化】【火魔法】【風魔法】【水魔法】【地魔法】
【闇魔法】【光魔法】【魔脚】
<従精霊>
ルーテシア
<称号>
『転生者』『精霊創造主』『精霊を従えし者』
_______________________
…………………上昇値がえぐいとかそういうレベルじゃないような…。
というかスキル増えすぎぃ!もういろいろ説明してほしいレベルだよ!これ、一個一個読まなきゃダメ?…読まなきゃダメだよねぇ…。契約書だって、ちゃんと読まないと後々後悔するもんねぇ…。
しかたない、読んでいくか。
_______________________
【魔脚】:
一時的に足に魔力を集中することで瞬発力などを強化できる。
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地味に便利。さっき無意識で使ってたけど一気に近づいたら緊急回避なんかに使えるからありだよなぁ。魔力操作は器用さに影響されるって話だから、なんとなくで足に魔力を込めたら習得した感じかな。
そういや、魔書館で分かったんだけど、魔法には無属性の魔法があって、そういった魔法は固有魔法っていうらしい。そのほとんどが現象としてではなく見えない力として補助してくれたりするらしい。自分もよくはわかっていないが、使っている感覚としてはイメージが必要ないということか。発動に手間がないのはいことだろう。
さて、お次…というか、もう全部一気に見ちゃうか、感想は後だ。
_______________________
【危機察知】:
己に害のある減少や人などがあることに気付くことができる。ただし、詳細まではわからず、存在のみ確認可能。
【限界突破】:
自分が瀕死に至った時、自分の残された力を振り絞り、3分間だけ100%の力を出せる。その後3時間は動くことができず、また、3時間経過後も瀕死状態のまま。
_______________________
まぁ、あって損はないスキル、という感想に尽きるな。ひとまずは喜ぶとしよう。危機察知なんかはダンジョン攻略だと不意打ち回避とかできそうでいいな。
…ん、そうだ、面白いことを思いついた。
俺は体を起こしてガルド先生が近くにいないか確認する。幸い、さっさと降りて行ったらしい…幸いなのかどうかはさておきとしてだ。
念話でルーテシアを呼びながらスキルを使う。
『ルーテシア、いるか?』
「はい、なんでしょうか、マスター」
気が付けば、いつも通りの姿でルーテシアが目の前にいた。精霊からなのかはわからんがいきなり出ると怖いわ…。
びっくりしたのを隠すように咳を一つして、ルーテシアに質問する。
「ゴホンッ、あー、ルーテシアはレベルとかはないんだっけ?」
「はい、私は精霊ですので、魔力の大きさが、精霊の大きさを決めます。また、私は従精霊ですので、主人が成長すると、比例して私も魔力の保持量が増え精霊としての格が上がります。今ですと、前の状態が上位精霊でも下位だったのに対し、今は天霊級の中位くらいでしょうか」
ルーテシアは無表情ながらも少し考え込むような感じで右手を傾げた首を支えるように添える。無表情だな、と最初は思ってたんだが、どうやら感情の起伏はあるらしく若干眉をひそめて考えている感じだ。っと天霊級?なんだそれ?
「ルーテシア、天霊級っていうのは何だ?」
「はい、精霊にはそれぞれ階級がございまして、下位、中位、上位、最上位、天霊級、神霊級が存在します。この階級はその精霊が持てる魔力の保持量で決まり、多ければ多いほど階級は上がります」
ほー、ルーテシアが上から2番目ってことはそれなりにすごいんだろうなぁ。
「なるほど、わかった。じゃあ、今のルーテシアはどれくらい魔力をためられるんだ?」
「そうですね、今の私ですと戦闘を一切しなければ半年、全力戦闘を続けても2か月は持つかと」
当たり前のようにきりっとした顔つきで答えるルーテシア。俺の精霊がこんなに強いわけがない、ってタイトルの本でも出そうか。あ、でもこの世界だと本はあのペラペラのレポートになるのか、無念。
まぁ、ルーテシアがなぜか強すぎるのはさておきだ。一つ試したいことがあるんだよなぁ。
「ルーテシアは俺が近くにいなくても活動できるのかな?」
「そうですね…近くという定義が難しいですが、少なくともこの山の端から端までの距離の範囲内なら大丈夫かと」
山は帝国よりもはるかに大きい。その端から端までということは結構余裕があるな。よし、ひらめいた。あとはそうだな…。
「ルーテシア、五感の共有とかってできるかな。あと、魔物を倒した時の経験値がどうなるのかも、教えて」
「はい、大丈夫ですよ。部分的にも可能ですし。あと、経験値ですが、私の場合であれば、マスターに行きます。ただ、このあたりのモンスターですとあまりレベルが上がらないかもしれませんがよろしいですか?」
このあたりの敵だと経験値にすらならないとか…いまだにガルド先生としかやってないのに怖すぎんよ、あの人…よし、いけるな。じゃあ、今日から試してみるかな。
「うん、かまわないよ。じゃあ、今のうちに軽く魔物と戦ってもらえるかな、またあとで念話で連絡するよ。あと、怪我したり、危険そうだったらすぐに戻っていいからね。死なないとはいえ、そこは俺が心配だし」
ルーテシアが俺の言葉にかすかに目を開き驚く。あれ、俺変なこと言ったかな…。
しかし、すぐにいつもの無表情に戻り軽く礼をし、頭を下げる。
「わかりました、不肖ながら私、ルーテシアが任務に当たらせていただきます」
ルーテシアは礼を終えて頭を上げると同じ無表情に見えたが、なんとなく自分には優しい表情に見えた。
それに少しながらドキッとしたがごく冷静にふるまう。
「お、おう、頼んだ」
「はい」
そして、ルーテシアは森の闇へと入って行った。
そうして、ルーテシアに指示を出した後に、家へ戻るとガルド先生は外でまき割りをしていた。自分もそれに混ざって軽くしゃべりながらやっていると、フィーがご飯を作り終えたので初日と同様においしく食べた。
食事のときはフィーが学校でのことを聞きたがっていたので今日会った話をしてみた。試験の話をすると言動が少なめの彼女にしては珍しく、目をキラキラしながら先を促し楽しそうに聞いていた。ガルド先生は苦笑いをしながら、
「明日、テムルの奴にお礼言わなきゃな…」
と、すごくまずそうな顔をしながらつぶやいていた。やっぱやりすぎてましたか、すみません。
食事も終わって3人が床につき、フィーはすでにぐっすり、ガルド先生もいびきをかいている中、俺はルーテシアに念話を飛ばす。
『ルーテシア、大丈夫か?』
『はい、大丈夫です、マスター』
『今、視覚と聴覚だけ共有したいんだが、いいか?』
『了解いたしました、どうぞ』
よし、やってみるか…瞼を閉じて、ルーテシアのイメージをする…そして、目と耳を意識する…。
閉じた瞼が薄ぼんやりと何かの映像をとらえ始める…おっし、視界がはっきりしてきたし、音も聞こえるな。木々のざわざわという音が聞こえるし…ん?
共有ができたことに満足していると右から何やらオオカミの唸り声のような…。と、その瞬間にルーテシアが一気に前へ飛び右から飛んできたオオカミのような生物の噛みつきをかわす。
うお、こわ。耳元でガチンって音したぞ!
そう思っている間に、ルーテシアはいつの間にか右手にともした右手の黒い炎で飛んできたオオカミを振り返りざまに上から殴り落とす。
「ギャウッ!」
叩き落されたオオカミは一撃で動けなくなったのか、ピクピクと動くだけ。こぶしを振り下ろしたルーテシアはそのままオオカミの首あたりをつかむと、1秒ほどたって首を離した。
何かと思ったが、どうやらそれだけでオオカミは絶命したようだ。
「マスター、今の敵がワーウルフでございます。この森にはどうやらこの魔物しかいないようですね」
こともなげに倒し、冷静に報告をするルーテシア。俺よりしっかりしてるわ…。
魔物の死体はどうするのか、と思っていたらルーテシアが魔物の下に穴を作って落としてしまった。彼女曰く、そこのない落とし穴らしい。すごいな、そんなものあったら地球のごみ処理問題は解決だな。
っとそうだ。ステータス確認っと…。
_______________________
状態:良好
職業:武爪家
レベル:67
筋力:2649
敏捷:2734
魔力:3497
器用:2482
精神:2176
運:79
<スキル>
【スキルコピー】【すべてをこなせる才能】【剣術の心得】
【看破】【大剣術の極】【槍術の心得】【斧術の心得】
【武闘術の心得】【武爪術の極】【精霊召喚】
【危機察知】【限界突破】【
<魔法>
【身体強化】【火魔法】【風魔法】【水魔法】【地魔法】
【闇魔法】【光魔法】【魔脚】
<従精霊>
ルーテシア
<称号>
『転生者』『精霊創造主』『精霊を従えし者』
_______________________
よしよし、予定通り。スキルコピーはあくまで視ることが条件で、それは直接と言っていた。だが、精霊の目を共有してみるのも直接だろうと思ったら見事に当たりだった。千里眼系のスキルを覚えればさらに楽だろうけど、まぁ、文句は言えまい。
確認も済んだし、もういいかな。同じモンスターしかいないならやっても仕方ないだろうし。
『ルーテシア、ありがとう。検証は済んだし、戻っていいよ』
頑張りすぎてもあれだしな。ゆっくり休んでもらおう。
二つ返事で戻ってくれるかなーと思っていたら。
「いえ、マスター。私も暇ですし、何かやっておきたいので、このままやっててもよろしいでしょうか?」
と、言い出した。いや、まぁ、経験値が少ないとはいえ、もらえるし、いいのだけどさ…。
『大丈夫?無理しないでいいよ?』
「大丈夫です、お任せください」
なんとなくやる気に満ち溢れた感じで言うルーテシア。まぁ、本人が大丈夫っていうならいいのかな…?
『わかった。じゃあ、やるのは俺が寝てから起きる朝までの間だけな。無理だけはしないように。もし緊急事態があれば念話で呼べよ?』
「了解しました」
視界が地面を向く。その場で礼をしているのだろう、視界の両端にルーテシアの長い髪がさらさらと落ちる。そうして、感覚の共有を切り、心配ながらも眠りについた。一回だけ寝てる時にファンファーレが鳴ったのは驚いたわ。うるさすぎんぜ。
その翌日、体力試験は1週間後にして、それまでの間各自体力回復や練習をするように学校側から指示を受けたのでしばらくは自主練ということとなった。ガルド先生は、どうやら俺のせいで対応に追われてるらしく、しばらくは訓練できないそうだ。帰ってきたときには恨めしい顔で見られたが、口笛を吹いてごまかすことにした。
また、ルーテシアはその日も夜の間に戦うことの許可をもらいに来たのでどうしようか迷ったが、問題はなさそうなのと召喚した時は静かだったルーテシアが必至なことに免じて毎日やってもいいという許可を出した。もちろん、危ないことはせず作戦はいのちをだいじに、ですることもきつく言っておいた。
おかげでルーテシアは嬉々として夜のお散歩に出かけるのでしたとさ。回想終了。
まぁ、寝てる時のファンファーレだけはほんと勘弁してほしいんだけどさ、ほんとに。
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