第18話:立脚点と注視点と語り手

 視点には、2つの「点」があります。


 それは――


「どこから視ているのか」という「立脚点」


「どこを視ているのか」という「注視点」


――の2つです。


 たまに「視点という言葉はあいまいだから焦点を使おう」という意見もあるようですが、焦点は集まる点なので注視点しか示さないような気がしています。

 それに対して小説の地の文の話で言うと、立脚点と注視点の両方を意識しないといけませんから、「視点」のが向いていると考えています。


 なお、小説で言う視点には、もう一つの要素があります。

 それは「語り手」という要素です。


 視点ぶれとよばれる文は、ほぼこれらの要素を意識しないで書いた文章ではないかと思います。


 視点がぶれると言われた方は、自分の文を1つずつ見直してみてください。

 そのセンテンスの立脚点と注視点、語り手を書きだしていくといいでしょう。

 その時点で気がつくことがあるかもしれません。


 一応、1つずつ少し詳しく書いていきたいと思います。

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