泣かれた・・その2
「さくらえびさーん、ヤマさんから電話ー」
店内放送でお呼びがかかりました
普段なら穏やかに出ますが
さすがに頭にきたまま電話に出てしまいました
ヤママネは
「作業場のメモと当番表は見た?」
「見ました」
「エリアマネージャーに、そうしてって言われたからね
必ずしてね、それと今日来るデザートセットの袋詰め作業なんだけど
やれるよね?」
それは前日、ヤママネに頼まれていた作業でしたが、思わず
「多分やれます」
かなりぶすっとした声で言ってしまったんですね
そうしたら、ヤママネの声が変わりました
「多分?多分ってどうゆうことなの?説明してくれる
何?出来ないの?」
くってかかられました
「出来ないとは言ってないです!それと当番表に書いてあるA作業は、スケさんじゃなくて、シニアパートさんがやれるって言ってるので、お願いしちゃっていいんですよね?」
ああ、ヤバイ
声のとんがりが消えません
そうしたら
「ええーっ、それじゃあ困るんだけど。エリアマネージャーに全員ちゃんと作業をするようにって言われてるんだよね、当番通りにしてくれないと困るのよ、スケさんだって出来るわよね。今日のA作業はスケさんにちゃんとやってもらってください」
A作業って・・どうでもいいような作業なんですよ
「・・わかりました」
「それに、エリアマネージャーに言われたから、私だけ多く作業するんだから・・
それとも何・・全部私がすればいいって言ってるの?」
「そんなこと、誰も言ってません!」
電話の向こうのヤママネが泣きそうな声でなんだかんだ言い出しました
ちなみに
今、開店前でめっちゃ忙しいんです
だから
「すいません忙しいので、電話を切ってもいいですか?」
そう言ったら、
「わかった!もう二度と電話しないから!・・・・」
泣きながら叫ばれてさらに、何か言ってるので
めんどくさくなり
「切ります」
がちゃんと切っちゃいました
もう二度と電話しないって・・
すごいこと言うんだなあと思って
この人は
誰かに言われなければ
人より多く作業をしようとはしないんでしょう
なんだそりゃです
これが私やハタさんと同じパートなら
別にいいんですけどね
つづく
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