ゆとり世代は打たれ弱い?

 ゆとり世代は打たれ弱い、怒られると立ち直れなくなると言われています。これは僕的に


「ウソ」


だと判断します。これは怒られたから落ち込んでいるという訳ではないような気がします。前述にもあった通り僕達は必死で勝ち取った内定によりようやく会社というものに入社します。そんな中で僕達が最も恐れるのは


「失敗」


です。失敗してクビになったらどうしよう。というような最悪の状況を考えてしまいます。つまり怒られること自体は悪いことをすれば怒られるのは当たり前という考えは持っていますからそれで仕事が嫌になったりすることはあまりないと思います。もちろん自分に合っていないと思いながらやっている仕事で怒られることは辛いことではありますがそれが原因で自ら辞めるということはあまり考えにくいと思います。確かに「ゆとり」世代の象徴の一つとしてドラマやなんかでも、上司に怒られたゆとり世代の子が会社を無断で休んだり辞めたりするシーンが多く引用されます。しかしこれは僕達が見ても


「無いわ。」


と思います。第一仕事観でも書きましたが必死で仕事しているのに怒られたくらいで会社を休めば会社に迷惑がかかることくらいなんぼの「ゆとり世代」でも理解しています。ましてや「退職」なんてしてしまえば仕事も引き継ぎもあれば人事異動だって発生するし、そっちの方が迷惑をかけることも理解しています。会社は若い人材は大切にしているでしょうし、怒られたから自分は会社に必要のない人材なんだと思い込むのも間違い。怒られたから会社を辞めますという事例は僕の周りでは起こっていませんし、こういう表現を過剰に引用するのは正直やめて頂きたいと感じます。仕事観としては最近の子は軽いような書き方をしましたが、これは軽すぎますし社会人として失格ですよね。

 もちろん怒られて落ち込むことは誰にでもありますし、これは「ゆとり世代」に限ったことではないはずです。それを「ゆとり世代」だから打たれ弱い、怒られ慣れていない、親に大切に育てられたからとくくってしまうのはあまりに悲しすぎます。

 しかし僕達の世代と今の子たちの間に少し怒られることに関しての捉え方が変わってきている気がします。僕達が何かを失敗して怒られるとすれば、僕達は上司にいい返すことはできませんでした。僕は特に野球での上下関係も経験してきたわけで、先輩のいうことは絶対でしたし、不条理だと思っても「はい」と言って先輩を立てていました。なので何か起こられておかしいなと思ったとしても未だに


「はい。」「わかりました。」「すぐに直します。」


と言って素直になり、言い訳をしたり反論したりはしません。但しどうしようもなく感情が高ぶった時はたまに反論してしまいます。だって人間だもの。しかし、最近の子たちは逆に怒られることに関してドライに受け止めている場合が多い気がします。怒られている最中でも表情を変えずにじっと見つめられていたり、何を考えているのか分からない表情をしたり、返事をしなかったりします。しかし、時には不条理だと思うことにはどれだけ怒鳴られたとしても冷静に反論することさえあります。僕なら縮こまって何も言えなくなるところ、例えば。


「どうしてこんな失敗起こったんだ!」


と言われれば僕なら。


「すいません。僕の注意不足で。申し訳ありません。」


などと言うのですが、今の子たちは冷静に。


「人手が足りなかったのでそこまで手が回りませんでした。」


もちろん上司の怒りは更に上がってしまいますが確かに正しい意見です。現在僕の会社でも人手不足は大きな問題となっていますが、それを言い訳にミスは許されません。しかしその分今いる従業員にあり得ないほどの負担がかかっているもの事実。僕達は歯を食いしばって我慢してサービス残業ありの休憩なしのとやることもありますが、社会的にそれはコンプライアンス違反です。それを冷静に考えられる今の子たちは正直偉いと感じることもあります。

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