そして社会へ…

 さて、大学も卒業し、思う存分友人達とも遊び、卒業旅行も楽しんでいよいよ社会人デビューが訪れます。僕の勤める企業は全国規模で、転勤族になることは覚悟の上だったのでもしかしたら地元を離れてもう自元に戻る機会もなくなるかもしれないと友人たちとの別れを惜しんでいました。とはいえ入社に関する資料が郵送されてきた時、家族は揃って驚きました。


「勤務地 北海道支店」


さて、福岡生まれの福岡育ちには北海道なんて海外に行くようなものです。福岡なら韓国に行く方がまだ近いですしね。しかし決まったものは決まったもの。決心して北海道行きをきめ、家族にも最後の旅行かもということでお隣韓国に旅行に行ったのを覚えています。やはりこれが最後の家族旅行になりましたね。

そうして迎えた4月1日。僕の勤める会社では入社式の後そのまま研修に入ります。大分の山の中にある会社が買い取った廃ホテルで研修は行われ、1週間缶詰め状態です。とにかく座学が主になります。僕の勤めることになった会社はスーパーの経営が主な事業だったので商売に関する勉強を詰め込みで行います。商売と言えばいかにして利益を取るのかの計算方法や接客の心得、経済に関することや社史まで幅広く講義を受けます。朝は6時にはラジオ体操で目覚め、そこから食事以外は講義と試験の繰り返し。夜は遅い時間まで勉強をします。まさか社会人になってこんなに勉強するとは思っていなかったので甘えていた自分に喝。この時同期は100名ほど。北海道支店は北海道支店でグループ分けされていたのですが、ほとんどが僕と同じ福岡から北海道へ行く人達。100名いる中で北海道支店行きは僅か10名。ある意味貴重だったのかもしれません。研修中はそんな同期なので強い絆が生まれていましたね。研修を終えると北海道組みは3日間ほど猶予がありました。その間に北海道へ旅立つ準備をし。僕は再び地元の友達と別れを惜しみ。ついに北海道へ旅立ちました。後はなんだかんだあって結局今こうして北海道民となり5年半経ったわけなんです。

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