社会に飛び出せ「ゆとり」世代!

大学時代-1

 さて、浪人時代を終えて大学入学までは勉強などに一切手を付けずに自由になったことへの解放感で毎日遊んでいた僕でしたが、いよいよ大学への入学の時がやってきます。もちろん行きたい大学でも何でもなかったので「心トキメクキャンパスライフ」なんていう妄想は微塵も持たず、なんだか田舎の大学に通うことになって面倒だなという思いしか持っていませんでした。それでも行かせてもらっているのだから一生懸命にやろうと思い、やるべき事やろうと心に決めていました。そんな大学なので確か両親は僕の大学へは一度も訪れたことはなく、入学式も一人で行った覚えがあります。元々両親が共働きだったということもあり、そういう場面に離れていたし両親が付いてくる必要はないと思っていたので気にはしませんでしたが。大学へは自宅から地下鉄を乗り継いで街まで出て、そこから電車の特急を使って3つほど市を跨いで更に駅からバスに乗り換え、最後は自転車を使ってようやく着くといった感じでかなり遠かったです。それなら大学の近くに住めばいいのにと思われるかもしれませんが、その大学は僕から見ればド田舎にあったので、なぜわざわざ福岡という大都市を捨ててそんなド田舎に移住しなければならないのか、と失礼ながらも思っていたので意地でも自宅から通っていました。しかし1時間目から講義の入る時は朝5時には起きて6時には家を出なければ間に合いませんでした。

 しかしそんな中でも大学で初めに行われた研修旅行で友人を作り、全くサークルなど入るつもりもなかったのにその友人とサークル探しをしてたまたま見つけた「映像」という映画とは違うとにかく映像編集を行うというサークルに入ることになりました。活動奈年に2回程度で、それ以外は飲み会やこじんまりとイベントをやっているそれなりに真面目に活動しながらゆるゆるとキャンパスライフを送るようなサークルでした。周りから見れば飲みサークルか、と思われるかもしれませんが飲み会の時も学生特有の勢いはなく、楽しくゆるゆる飲んでゆるゆるボーリングやカラオケに行ってたまには皆で旅行でも行ってそんな映像達を編集でもして作品にでもするかといった感じですが、文化祭などでは徹夜してでも本気でまじめな作品を作って上映するというオンオフのしっかりした面も持っていました。サークルに入って良かったことは、先輩が出来て学年の違う人との情報交換が出来るようになったこと。先輩が出来ると、教科書が貰える時もありましたし教授が同じ講義の人がいれば試験の情報も入手出来たりとこれはかなり大学生活にプラスになりました。それ以外にも後に就職活動などの情報も得ることが出来たりと大学での人間関係は意外に大事です。それと部室が使えるようになったこと。各サークルに与えられた部室は様々なことに役に立ちました。なんと言っても部室に教科書を置いておけたことや、空き時間にそこで休憩できたこと、お昼の食堂が満席の時でも部室に行けばゆったりと部員たちだけで食事もできたこと、空調も完備なので快適だったことなど意外とサークルに入って良かったことばかりです。でも一番良かったことはやっぱり大学での思い出がここで沢山出来たことですかね。

 そして大学以外でも僕は大学入学直後からアルバイトも始めました。アルバイト先は福岡のど真ん中にある某有名ファーストフード店でした。高校時代の友人に誘われて入ったのですが、ここでもまた多くの友人が出来、働くということを学びます。僕のいた店舗は福岡、九州では売上一番、当時は日本全国でも5本の指に入るほど忙しい店舗として企業内では有名な店舗でした。確かにかなり忙しい店舗で、ファーストフード店というよりはスポーツのようなアルバイトでした。場所が街中だったからなのか同じ大学生から似た年代の人が多く、こちらもまるでサークルのような雰囲気で仕事をしていました。ここでのことはここで書くと止まらなくなってしまうほど色々なことがあるので割愛しますが、ここで4年間働けたことは今でも僕の中で誇りにしています。下手すれば今の仕事よりも誇りに思えるかもしれません。僕はここで昼夜問わず入れてもらえる時間帯にとにかくシフトを入れてもらっていました。だから早朝メニューの仕事からお昼ピーク、夕方、ディナー時間帯、真夜中、更には夜の清掃から早朝搬入作業まで一通りの仕事はでき、店長には「マルチなバイト君だ」とよく言われていました。

 アルバイトといえばこの他にも毎年夏だけ近くの国立公園でもアルバイトをしていました。こちらは各ゲートでのチケットもぎりや駐車場での駐車券販売、園内誘導やレンタサイクル、売店の仕事などやっていました。こちらは何気なくやってみようと思って応募したところそれなりの倍率の中受かったというもの。因みにここ国立公園なのでお給料明細が公務員仕様。アルバイト代も税金だったとかでお給料の重さが違いましたね。その他にも劇場で音響照明、裏方のアルバイトもやっていました。

 お芝居といえば、同時に僕は劇団へも入団しました。劇団といっても、それこそ社会人になって僕が抜けた今は地元では有名な劇団になっているようですが当時は団員も少なく、一時期はそこの団長さんと僕2人だけになるというような劇団でした。しかしここでの演劇活動が人生の中で最も楽しかった時間だったと今でも思います。入団のきっかけはここの団長さんが高校生の頃からお世話になっていて、たまたまスタッフとしてお手伝いに行ったところそのまま入団したいと言ったところ快く入団させてくれたのです。

 キャンパスライフ、サークル、アルバイト、劇団と僕の大学時代は人生の中で黄金時代でした。今もし戻れるならこの頃に戻りたいと思うほどです。


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