高校時代ー2
そうして学年の上がった2年生では4組。担任は何とも言えない雰囲気の世界史の先生(僕は世界史を選択していたので)でした。2年生ではまずは部活の勧誘から始まり、この年は大豊作を収め、そのまま文化祭。演劇部だった僕は2年に1度の華の祭典に右往左往し、やはり試験はレッドポインター発動。
そしてこの年の文化最後、これまた人生を変える大きなきっかけの一つが訪れます。前述にもあった勉強合宿の時、実は勉強そっちのけでノートにずっと脚本を書いていたのです。しかもそれが勉強合宿中のある出来事をきっかけに書いたものだったので、その場で一気に書いてしまい、それをブラッシュアップしてこの年の大会の為の脚本に使うことにしたのです。因みに先輩方は文化祭で引退なのでこの時には女子部員の一人が部長となっていましたね。とはいえこの年の大会準備にはなぜか駆り出され、顧問と別の学校までミーティングに参加しに行ったものです(今も思うのですが平部員の僕がなぜあんなことをしていたのでしょう)。そうして僕自身が脚本が木間手からもブラッシュアップを続け、もちろん夏休みはほぼ大会に向けての稽古と脚本のブラッシュアップ。僕自身も舞台に立つことになっていたので自分の稽古もありましたし、夏休み中に僕の学校では毎年講師を招いての講習会が行われていたのでそのことでもバタバタしていて割と濃い夏休みでした。因みにこの講習会は福岡全域から演劇部員がやってきて約2日間にわたって演技指導を行うもので、なかなか大きなイベントでした。今もやっているのでしょうかね。その昔は泊りがけでやってグループを作って最後にグループでつくった舞台を発表するとかいうもっと本格的なものだったらしいのですが。
前半はそんな感じで過ぎていくのですが、後半にまた大きな出来事が。この年もやはり先輩に引き摺られ体育祭の実行委員に。それが終わるとこの仕事を最後に生徒会役員が引退します。僕を引き連れていた先輩も生徒会役員で引退することになり、同時に生徒会役員選挙が校内で行われます。
「お前俺の後を継げ!」
先輩にそう言われ、あれよという間に僕は立候補させられていました。更にはあの世界史の担任が生徒会顧問だということで僕のことをごり押ししてきたのでもう後には引き下がれない。更には生徒会なんてやりたい人も少ないわけで、初めから当確な僕は生徒会役員となり、成績最悪のレッドポインター生徒会役員が誕生したのです。勉強できないうえに部活もやって生徒会もと、もうこの時点で決めたのは
「よし、ここまできたら残りの高校生活を悔いなく楽しもう。」
ということでした。もう勉強なんて卒業できればそれでいい。最悪勉強なんて卒業してからだってやり直せる。でも今ここに居る時間、今高校生であることは今しかないのだと思い、一気に吹っ切れたものでした。因みにこの代の生徒会はかなりキャラクターの濃いい人たちで、かなりいいメンバーが集まりました。この時の生徒会メンバーは今でも定期的に集まっては飲んでいる仲だそうですが、残念ながら僕は社会人になって遠く離れてしまったので卒業以来会っていませんが連絡はたまに来ます。それだけでも嬉しいものです。
さて、そしていよいよ演劇の大会が行われます。開場は1年生の時とは違い、福岡の高校演劇の聖地「少年科学文化会館ホール」でした。今での思い出すあの会場の独特の匂いや雰囲気、狭いバックヤードに漂う青春臭い緊張感。全てが高校演劇の為にあるような開場でした。そんな中で僕達は2日間ある日程の中で1日目の最後の上演、時間は18時15分開演だったのを今でもはっきり覚えています。時間が丁度いい時間だったので学校が終わってから来る他校の部員、高校演劇関係者、更にはその後行われる翌日の打ち合わせなどで訪れた人達や高校演劇ファンなど、普段はガラガラの演劇の大会も珍しくこの時間の会場は混み気味でした。僕の母親もビデオカメラを持って参戦してくれていましたし(残念ながら当時の映像はもう家のどこにあるのか分からなくなってしまいましたが)。その中で行われた上演は、見事地区大会総合最優秀賞を頂き、この後の県大会への切符を手にしたのでした。その年の県大会はこれまた忘れられない北九州に当時まだ出来たばかりの巨大ホール、リバーウォークの大ホールが会場でした。客席が3階まであり、舞台の広さはあの聖地の倍はあろうかという舞台。しかしこの大きな舞台を高校生が使いきれるわけもなく、僕達も幕で仕切ってわざわざ小さく使っていたのを覚えています。それにしても舞台に立って3階の客席まで見渡すのはかなり気持ちがよかったです。しかしこの時は絶対に優勝して次の大会にコマを進めるというプレッシャーからか、思うような演技もできなければ楽しむこともできず、結果参加賞で終わった苦い思い出があります。この辺りの詳しい話は省くとして、そんな中生徒会もやる訳でやっぱり勉強はそっちのけなんですよね。
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