腹の中

作者 ちばな

50

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★★★ Excellent!!!

本格ミステリとしても物語としても傑作です。設定の奇抜さと、それに頼り過ぎることのない整然としたロジックが見事。気づけそうで気づけないギリギリのラインのヒントの提示がわくわくさせる。
読者への挑戦状ならぬ、読者への懇願状が本作の個性的な部分で、同時にそれの意味することが明かされるラストはあまりに優美。
どうやったらこんなことを思いつくのだろうと発想力を羨ましく思います。

★★★ Excellent!!!

密室!?
それもクジラのお腹の中で!?
そんなんありかよ!
と思いながら読み始め、気がつくとピノキオたちと一緒に頭を悩ませながら犯人を考えていました。
私には解けませんでしたが……。

理論的にどんどん可能性を排除していって、最後に残った真相が姿を現したときの感動といったらもう。
ミステリーの醍醐味が味わえます。
最後は切ないラストを迎えますが、それもまた素晴らしいです。

ファンタジーの世界での特殊な設定下でも、ロジックの力は通用するんです。
読んでいて米澤穂信さんの『折れた竜骨』を思い出しました。

★★★ Excellent!!!

抜群のオリジナリティを備えたクローズドサークル物のミステリでした。
クジラの腹の中という不思議な舞台設定といい、童話世界から抜け出してきた登場人物たちといい、なかなか他ではお目にかかれないタイプの作品です。

けれど、中身はしっかり本格系。
独自の世界観を活かしつつも、そこにルールをしっかりと構築し、事件の可能性をひとつずつ、論理的に検証していきます。
余韻を残すラストも秀逸。面白かったです。

★★★ Excellent!!!

メルヘン、ファンタジー、あるいは童話世界での重厚なミステリーです。

はい、こう聞いて「何でもありかよ」と思った人、まだブラバは早いです。損しますよ。

ファンタジーと言っても魔法などは一切なく、一定の法則に基づいた環境下での、純然たるロジックが張り巡らされています。

巨大なクジラの腹の中に閉じ込められてしまった「ピノキオ」たちの、決死の脱出劇。

その最中に発見された、仲間の首なし死体。

クジラの腹中という「クローズドサークル」。

腹の中で定期的に訪れる「入水」と「排水」のサイクルにさらされつつ、ピノキオたちは果敢に謎を解きます。

その真実に隠された、登場人物たちの想いに、読者は必ずや涙を流すことでしょう。

カクヨムの「クローズドサークル」ものでは、間違いなくこれが最高傑作です。
これほどまで練りに練り込んだアリバイと論理的思考の犯人当て、あなたに書けますか?

完璧なトリック、悲壮感を誘う真相と結末。
脱帽しました。

(※本作が公募で一次落ちしたのは、ピノキオやゼペットなど、既存作品の引用だからではないでしょうか? オリジナルキャラであれば、もっと上に行けると思います)