第4話 一日目 米沢→新庄
普通山形行の改札が始まり、ホームに入ると、山形行の電車は福島から乗ってきたのとまったく同じであった。福島発山形行の鈍行列車が米沢で一時間の長時間停車しているのと変わらない。せっかくだから米沢行と同じ場所に座った。
14時38分米沢発車。福島から米沢までは複線だったが、ここからは単線になる。JR化後単線の路線ではいたるところで交換駅の棒線化が行われてきたが、ここは新幹線が走っている為か各駅が交換駅のままである。往年の国鉄路線はどこもこのような感じだったのかなと思う。
14時56分、赤湯着。赤湯は山形鉄道フラワー長井線との接続駅である。フラワー長井線は旧国鉄長井線を第三セクター化したもので、米沢盆地を横断して米坂線と接続する今泉を通り、隣接する長井盆地の白鷹町まで走っている。隣に山形鉄道のディーゼルカーが停まっている。乗ったことは無いが今回は乗らない。
赤湯を出ると右に街を見下ろす。ここで米沢盆地は終わり、白鷹丘陵を登り始める。それを越えると山形盆地だ。米沢から山形まで普通列車でも一時間かからない。線路が良いのもあるだろうが、案外早い。
羽前中山から再び複線になり、かみのやま温泉には15時12分に着いた。左手には上山城が見える。上山市まで来るともう山形市の経済圏と言えるだろう。
15時20分、蔵王着。蔵王という名前の割りに蔵王山へのアクセスは悪い。高校生が乗ってきた。帰宅時間に入ってきたようだ。
15時25分、山形着。三分遅れであった。今度の乗換時間は20分程。改札からは出ずに次のホームへ向かう。
新庄行の電車は東北本線で乗ったのと同じ701系だった。ロングシートなのでどこでもいいかと先頭車の運転台が見えるところに座った。運転台周りにはやたら乗務員がいる。なんだろうと思っていたが、漏れ聞く声に寄ると運転士見習いに見学させているらしい。
多いのは乗務員だけでなく、高校生も多い。丁度帰宅時間に重なったらしい。座席が埋まるどころか立ち客もいる。確かにロングシートの通勤型でないと捌けそうにない。しかし、これだけ乗っているということはこの辺りの高校はまだ春休みではないのだろか。
15時46分、山形発車。左手に山形城址を望み北上する。次の北山形では左沢線が分岐している。左沢線は全長24.3キロ全線非電化の路線である。数年前に一度乗った。次が仙山線の分岐する羽前千歳で、ここまでが標準軌と狭軌の単線並列区間だ。
15時54分に羽前千歳を出る。ここから私の未乗区間だ。今回の北上ルートは羽前千歳から先の未乗区間に乗るためだけに選んだところがある。南出羽、漆山、高擶と進む。駅間は概して短い。南出羽と漆山、高擶と南天童の間など1.3キロしかない。他にも2.1キロとか1.7キロとかがザラにある。この駅間で本数を増やせば需要はあるのではないだろうか。
16時09分、天童着。天童は将棋駒で知られる山形のベッドタウンだ。最近は山形の観光拠点とされているらしい。電車は一分で発車する。乗客は高校生が降りるだけ高校生が乗ってきて人数は大して変わらない。
三駅先のさくらんぼ東根の辺りから左右の山が迫ってくる。16時29分発の村山から一面が雪になった。駅間も長くなって山形盆地の外れ感がある。山形盆地と新庄盆地の境は不明瞭であると思っていたが、気候面では違うようだ。通学圏も外れの様で、
次の袖崎では上り列車と交換するために四分停車。袖崎の先から最上川に沿う。やたら蛇行する最上川の右岸を走り、トンネルを抜けると舟形に着く。舟形の先で陸羽東線と合流したのが17時。そこから再び標準軌と狭軌の単線並列になる。陸羽東線専用の南新庄を通過し、17時04分新庄着。
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