せ〜たイ。

 いつものバス停にて――


「お好み牛玉――丼?」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「お好み焼きのぎゅう玉ならわかるケド……丼?」

 丼とともに小首をかしげる月夜。


「牛丼のうえにヤキソバと広島風のお好み焼きをのせた丼――そ、そんなのあったんだっ!?」

 画像が読み込まれる。


「まんま牛丼のうえにお好み焼きがのってる感じね。一番うえにタマゴがのってるって事は混ぜて食べる系かしら?」

 画像を見ながら食べ方を考察する。


「これは食べてみる必要があるわね~」

 月夜がそんな事を言っている隣では、


「そ、そ〜だんだっ⁉︎」

 イブキがなにかの記事を読みながら驚いていた。


「タコってシンゾ〜が3コあるんだっ⁉︎」

 イブキの中でかつて魔王だったキャラが思い浮かぶ。


「これなら「かまわん3コあるシンゾ〜の1コがつぶれただけだって」セリフいえるっ!」

 大魔王軍の司令官と不死身の剣士との戦いを思い浮かべて。


「さらにのノ〜が9コもありなんって……やっぱりカセ〜じんじゃないのかなぁ〜? 9コもあったらメッチャクチャあたまよさそ〜なのに……」

 タコの生態に驚いていると、


「アンタより頭いいかもね」


「タコいかっ⁉︎」


「まあ、タコのすごいとこはそんなモンじゃないわよ」


「まだ、なんかあるのぉ〜?」


「食べたらおいし〜!」

 自信を込めてそう言い放つ月夜だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る