ふってくル。

 いつものバス停にて――


「そっかぁ~。キョ~はヤマのヒかぁ~」

 イブキがカレンダ~アプリを見ながら、そんな声を洩らす。


「富士山でも登る気? 確か入山禁止みたいな話しあったケド……って、インドア派のアンタには関係ないんじゃない?」

 月夜がそう返す。


「いやいや。あのチョがしのヒですよっ! なんかコトシはぜんじつの10ニチもキネンビせって~したみたい、そんなコトよりもあのチョコがしが810コもらえるキャンペ~ンちゅ~っ!!」


「そんなに貰っても夏だし溶けちゃう気がする」

 月夜のそんな呟きを無視して、


「810コならと〜ぶんヤマチョコざんまいできるねっ!」

 イブキがそんな事を言っている隣では、


「肉が空からふってきたっ⁉︎」

 月夜がそんな記事を読んでいた。


「肉がふってきたのは中国――中国では肉がふってくるのっ⁉︎」


「ニクがふってくるって……それシタイじゃないの?」


「違うわよ! ちゃんと加工された食べれる豚肉って書いてあるものっ!」

 イブキの横槍にそう返す月夜。


「高速道路で一〇トンの豚肉を積んだトラックが追突され積荷が高架橋より落下! 事故だったのね〜」


「これを見た近隣住民がバイクや電動バイクで押し寄せ一〇トンあった肉は三トンしか回収できなかった……七トンは住民のゴハンになっちゃのね〜」


「月夜みたいなヒトがいっぱいいたんだねっ!」


「人の物は食べないわよっ!」

 そう憤慨する月夜だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る