たねはざ~ド。

 いつものバス停にて――


「本格的な夏の到来か? 各地で猛暑!」

 月夜がそんな記事を読んでいた。


「動物園では暑すぎて立つのをやめたフラミンゴが観測――」

 表示された画像は地面にグッタリ横たわり、長い首だけ伸ばして水を飲むフラミンゴの画像。


「人間でも暑いものね~」

 強い日差しをなげかけてくる太陽を見上げながら、


「犬とかも冷たい廊下でグッタリしてるとかTwitterとかであったし……はっ! も、もしいま弱った動物になら触れるかも?」

 動物サイドから超飢えた肉食獣のように思われてる月夜がそんな淡い期待を抱いている隣では、


「あのカッテにおくられてくるタネをうえたヒトがいたっ⁉︎」

 イブキがそんな記事を読んでいた。


「おぉ! あれうえたんだぁ〜! ちゃんとカエンホ〜シャキよ〜いしたのかなぁ〜?」

 そんな事を言いながら続きを読み進める。


「うっかりうえちゃったヒトはアメリカのア〜カンソ〜にすむドイツ・クレンションさん。みるみるオトナのヒザまでセ〜チョ〜したとはなす……」

 イブキの頭の中で土に植えて水をかけた瞬間『にょきっ!』と膝まで伸びる植物をイメ〜ジする。


「やっぱりショクブツへ〜きかなぁ〜?」

 ある程度まで育った植物が蔓で人間を捕まえ捕食するシ〜ンをイメ〜ジする。


「げんざいかくにんされているモノはキャベツ、ミント、ロ〜ズマリ〜、ラベンダ〜、セ〜ジ、ハ〜ブ、バラ、ハイビスカス、アサガオなどユ〜ガイなモノはなし……ユ〜ガイなモノはなしっ⁉︎ いやいやチュ〜ゴクからわざわざきてんだもんきっと――」


「きっと……おくりこんださきのセ〜タイけ〜をこわすよ〜なぁ〜……はっ!」

 その時イブキの脳裏になにかが閃いた!


「も、もしかして月夜がはえてくるんじゃ……」

 大きな木にプラ〜ンとなってる大量の月夜をイメ〜ジする。


「ウチがエンドウか何かじゃないわよ」

 背後でそう言う月夜だった。

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