しぇいク。

 いつものバス停にて――


「じもとあいをテ~マにしたちきゲンテ~のシェイクをはんばい」

 イブキがファ~ストフ~ドの新イベントの記事を読んでいた。


「モスのあたらし~シェイクがちいきゲンテ~……ホッカイド~のメロンシェイクとかぜったいおいし~やつだよねぇ~……ただと~い……」

 商品画像を見て瞳を輝かせるが、場所を見て落ち込む。


「ふくしまのモモシェイクもよさそぉ~だよねぇ~。スタバのモモフラペチもおいし~しモモはいいよ! ……ただと~い……」


「グンマ~のとちおとめシェイクぜったいあまくっておいし~やつだよっ! イチゴシェイクとかテッパンだよっ! テッパンっ!! ……ただと~い……」


「おなじイチゴシェイクだけど、さいたまはジモトのイチゴつかうんだぁ~……フツ~においし~やつだよねぇ~……ただと~い……」


「ト~キョ~はショ~ナンゴ~ルド? なんだろ? まったくイメ~ジできないなぁ~……」


「ニ~ガタはル・レクチャ? コメじゃないんだぁ~ニ~ガタマイシェイクじゃないんだぁ~……ただと~いよねぇ~」


「アイチはゴロ~ジマキントキ? イモなのかな? イモシェイク……ありかな?」


「オキナワはシ~クワ~サ~かぁ~。すっぱいケ~とシェイクってあうのかなぁ~? ……ただと~いよねぇ~」


「牛丼シェイクとかないの? あれなら地元ってか日本の名産だし全国で売れるよね」

 スマホ画面をのぞきこみそう口を挟んでくる月夜。


「ない」

 牛肉の浮いた可哀相なシェイクをイメ~ジしてそう言い返すイブキだった。

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