ふるめたル。

 いつものバス停にて――


「ウチの好きなバ~キンがハンバ~ガ~買うと二個目無料のイベントが好評につき継続っ!」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「さすがウチの大好きなバ~キンっ!!」

 月夜の好感度をムダに上げるキャンペ~ン記事を読みながら、


「五〇個買ったら一〇〇個になるのよね~――錬金術よ錬金術っ!!」

 などと意味不明な事を言いながら記事を読み進める。


「テイクアウト限定なのよね~。帰り道に牛丼屋を発見すると荷物が増えちゃうのが難点よね~」

 ハンバ~ガ~の山かかえ、牛丼も抱え家路につく姿を思い出しながら、


「肉の魔力は魔性よね~」

 そんな誰にも共感されない事を言っている月夜の隣では、


「フルメタルジャケットっ⁉︎」

 イブキがそんな声をあげた。


「おもさ11キロのド〜のコ〜センであまれたフク! お〜ド〜のヨロイのゲンダイばんっ‼︎」

 シックな感じに仕上がった銅製ジャッケットの画像を見ながら、


「65パ〜セントがド〜でできたジャケット……ザンゲキたいせ〜とかありそぉ〜」


「ド〜のもつコ〜キンセ〜にちゃくもくし、ウィルスなどにどこまでタイコ〜できるかジッショ〜するためにつくられた。なるなる――イブキさんがソ〜ビしてなんかウィルスっぽいモンスタ〜とたたかえばいいのかな?」

 記事を異次元的な解釈するイブキ。


「でも、これ重量十一キロってアンタの四分の一もあるわよ」


「そ、ソ〜ビできない……」


「しかも価格十二万円だって」


「たかっ! 700ゴ〜ルドぐらいになんないのかなぁ〜」

 そう言いながら装備できない防具の画像を見るイブキだった。

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