ばっな~ナ。

 いつものバス停にて――


「バルタンせ~じんとジャンケンするイベントがあったっ!?」

 イブキがそんな記事を読んでいた。


「あ、あのウチュ~にんじゃとなだかいバルタンせ~じんとジャンケンっ!? そんなんグ~だせばぜったいかてる――はっ!」

 イブキの脳裏にセブンとジャンケン対決したバルタンせ~じんの姿がフラッシュバックした!


「も、もしかしたら……チョキいがいだしてくるんじゃない……かっ!?」

 まるで地球滅亡の可能性に気がついた編集者のような表情になりながら、


「う、ウチュ~にんじゃだモンね。だしてきそぉ~……」

 イブキがセミ型の星人の画像を見ながら、そんな事を言っている隣では、


「栄養バランスがよく朝食などで愛されているある物が大人気で品薄にっ! やだっ!! 牛丼の事かしらっ!!」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「そ~よね。今まで買い占められなかったほうが奇跡よね。栄養バランスが良くって美味しい、みんなに愛される――バナナ?」

 記事を読み進めていくとそれは牛丼ではなくバナナと書かれていた。


「タピオカに次ぐブ~ムであるス~パ~では一房一〇〇円を先々週から二〇〇円にしていると言う。へぇ~……そ~なのね~牛丼の事じゃなくってよかったわ」


「……そもそもギュ~ドンをかいしめるヒトなんていないって」

 月夜の取り越し苦労にそういうイブキだった。

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