しんぴのこ〜いしツ。

 いつものバス停にて――


「出店過多のため劣勢になったステ〜キハウスがワイルドステ〜キのマニュアルを改善?」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「固いとクレ〜ムの多かったワイルドステ〜キ――そんなに固いかしら? 初心者が表面しか焼いてないものにステ〜キソ〜スかけて鉄板の熱下げるからよ……まあ、ウチも一番最初やったケド……」


「きたら箸でバラバラに切ってある肉を二、三回転がして熱を中まで通さないと固いに決まってるじゃない。ワイルドステ〜キはすぐに食べられないのよっ! 五分はおかないと……肉の前で『待て』ツライのはわかるケド……ホント、肉の前で『待て』は拷問よね」

 心底、つらそうな表情でそんな事をいう月夜の隣では、


「コスプレかいじょ〜にあるコ〜イシツがシンピてきだとわだい? ど〜ゆ〜イミだろぉ〜?」

 首を傾げるイブキ。


「あれよ男子更衣室の入り口は男性ばっかりはいっていくのに出口からは美少女や魔法少女がでてくる現象」


「そなのっ!」


「不思議よね〜」


「ど〜なってんだろぉ〜? だんしコ〜イシツ。ダ〜マのしんでんのシンカンでもいるのかなぁ〜?」

 イブキがドット絵のお爺さんがバニ〜ガ〜ルに変身したのを思い出しながら、


「まあ女子更衣室も入り口は女性、出口はカラフルな髪の男子だケドね」


「しんぴてきだねぇ〜」

 コスプレ会場の更衣室には謎がいっぱいだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る