ゆそ〜モ〜。

 いつものバス停にて――


「お~!」

 イブキが様々なド~ナッツの画像を見ながら、そんな声を上げる。


「キョネンもあったピカチ〇ウもあるっ!? これみためはキャラものだけど、バナナのふ~みがあってなかなかおいし~んだよねぇ~。つぎいったときはも~なかったしコトシはたくさんかっとこ~かなぁ~」


「このピカチ〇ウのしっぽってのもよさそぉ~。フレンチクル~ラ~をバナナチョコでコ~ティング! もう、これだけでおいしそ~だモンっ!」

 ド〜ナッツ画像を見ながら、そんな事を言っているイブキの隣では、


「大阪で市税を滞納した男性の仮想通貨一二二円を差し押さえ――えっ! 一二二円? 一二二万円じゃなくって……これって手続きとかのが高くついたんじゃ……」

 そんな感想を洩らしつつ、


「メルカリスタッフが熊本の高校で授業? なにかしら?」

 月夜が気になった記事を片っ端から読み漁っていた。


「簡単で楽にできる梱包の仕方とか、即売れしそうな画像の撮り方とか、スム〜ズにいく値引き交渉とかかしら?」

 そんな事を言いながら続きを読み進める。


「フリマアプリは都市部で出品した物を地方で買う傾向がある――へぇ〜……そ〜なのネ。まあ、物が多いほうが出品数も多いし……」


「授業内容は地方を売る側にまわりたいと、地元でとれた物をメルカリに出品する――つまり飛騨なら飛騨牛丼、近江牛丼、松坂牛丼、神戸牛丼とかいった感じかしら?」

 なぜか全て牛丼にしてしまう月夜。


「でもさぁ〜」


「うん?」


「それってどこへでもスピィ〜ディ〜におくれるよ〜なユソ〜がヒッスだよねぇ〜」


「そ〜ね。注文してもその地域はダメですって言われたら意味ないわね」


「やっぱしドロ〜ンゆそ〜はやくできるよ〜にしないとっ!」


「あんなオモチャぽいので牛を運ぶの?」


「……月夜。ギュ〜ドンやウシさんからはなれて」

 呆れ顔でそういうイブキだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る