きのコ。

 いつものバス停にて――


「絶滅されたと思われてたマメジカが発見される?」

 月夜が動物系のニュ~スを集めたアプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「マメジカ……聞き覚えないなわね。どんな動物かしら?」

 そんな事を言いながら、続きを読み進める。


「マメジカはウサギほどの大きさで鹿のような外見をしている……このぐらいかしら?」

 両手でウサギのサイズをつくりながら、


「それで鹿の見た目か……」

 イブキを追い回す鹿の姿を思い出しながら、


「シ~ンのインパクトが強すぎてイメ~ジできない」

 そんな事を言っていると画像が読み込まれ、


「あぁ……本当に小さな鹿ね~」

 率直な感想を洩らす隣では、


「ヒラタケとまちがってどくキノコたべてビョ~インにハンソ~かぁ~」


「やっぱしキノコとかサンサイはみわけつかないよねぇ~。そのうちスマホのカメラきの~つかってたべられるやつとたべられないやつわかるよ~になんないかなかぁ~」


「毒キノコとかって食用のと類似してるから、なかなか画像判断だけじゃむつかしんじゃないの?」


「ふ~みゅ……Siriとかにきいておしえてくれるといいよねぇ~「ヘイ、Siriこれくえる?」とかって」


「これはヒラタケ――たべられます。これは月夜ダケ――どくキノコです。みたい」


「……アンタ。名前だけでこの記事選んだだでしょ?」

 自分の名前がついたキノコが毒キノコだと知った月夜だった。

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