にくばんの~せツ。

いつものバス停にて――


「り、リッチサワ〜クリ〜ムオニオンっ!」

イブキがお菓子の新商品情報を見ながら、そんな声をあげた。


「イブキさんのイッチバンすきなフレ〜バ〜がパワ〜アップっ!」

缶の横に描かれたヒゲが特徴的なキャラを見ながら、


「フツ〜でもケッコ〜こいあじなのに2バイこいっ! おしぃ〜3バイだったらあかくしてコイツにサングラスかけさせれたのにぃ〜……」

ヒゲのキャラを指しながら、悔しそうに言う。


「あのサワヤカなのにあとあじシツコイみたいなアジが2バイなのかなぁ〜?」

イブキがあまり美味しくなさそうな例えを言っている隣では、


「す、ステ〜キが安くなるっ⁉︎」

グルメ系アプリを見ていた月夜がそんな歓喜の声をあげる。


「アメリカ産の牛肉関税が三八パ〜セントから九パ〜セントに変更されるため、赤身肉になおすと三八〇グラムが九円になるっ⁉︎ いいじゃないっ! 五〇円もあれば一

キロかしら?」

そこで月夜はなにかに気づく!


「あ、アメリカ産って事はも、もしかして牛丼にも影響あるのかしら? 一杯一八〇円なったりするのかしら?」

二〇〇円を握りしめて長蛇の列をつくる牛丼店をイメ〜ジしながら、


「もし、そ〜なったら消費税三〇〇パ〜セントになっても日本経済はぜんぜん平気よねっ!」


「……なにそのヘンなケ〜ザイろん」

瞳を牛丼にしている月夜に呆れ顔でそういうイブキだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る