あメ。
いつものバス停にて――
「う〜……いきなりきた……」
突然、大粒の雨が降り出した空を見上げながら、
「ホント突然よね〜」
月夜もハンカチで髪の水分を吸い取りながら、
「も〜ちょっとまえぶれとか、ヨチョ〜とかあってもい〜よねぇ〜」
「予報でもなんにも言ってないし、むつかし〜んじゃない?」
「あと、あめをイッパツでやませるホ〜ホ〜とか、シッケをカラっとさせるホ〜ホ〜とかないのかなぁ〜」
「雨の日はラ〜メンがおいし〜のよ」
月夜が得意げに言う。
「そなのっ⁉︎」
「雨の日はね気圧が低いから出汁をとるときにアクがでにくくなってス〜プの雑味が減るのよ」
「へェ〜……そなんだぁ〜」
「反応悪いわね〜」
「だって、このあっついのにラ〜メンって……」
「アンタ……そんなんじゃ彼氏できないわよ」
「え〜! カンケ〜ないでしょ」
「いい。男の人はね。飲み会のまえに牛丼食べて、仕事の付き合いでお酒飲みながらなんか食べて、最後にラ〜メン食べんのよ」
「そっかなぁ〜?」
「そうそう。シメのラ〜メンって聞いた事ない?」
「あるかも……じゃ、ホントに? ギュ〜ドンたべてオサケのんでラ〜メン……」
「お酒の席は唐揚げとか魚の塩焼きとかよ」
「すごっ! オトコのヒトのイブクロうちゅ〜だっ!」
「そ〜よ。だから今からラ〜メン屋行きます」
迷わず冷や中を頼んだイブキだった。
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