うろぼろス。

いつものバス停にて――


「うなメシギガ増しっ⁉︎」

月夜がうな丼チェ〜ン店の新メニュ〜を見ながら、


「価格は一〇〇〇円でウナギ量三倍っ! いいじゃないっ‼︎」

でてきた画像を凝視しながら、


「ゴハンの大盛り無料。こんなん毎日行くわよ……都内にしかないケド……」


「ギガってのがいいわよね〜。最近は大盛りとかメガ盛りとか当たり前になってきちゃって、やっぱりこれからはギガよっ! マシマシにしていく感じでいってほし〜わっ!」

月夜が飲食業の方向性を願っている隣では、


「じふんのシッポをエサとまちがえてたべちゃったヘビ?」

イブキがそんな記事を読んでいた。


「そんなコトおこるのかなぁ〜?」

半信半疑のまま先を読み進める。


「ホントだったっ⁉︎ みごとなワッカだよっ‼︎」

自分の尻尾を飲み込み見事に円になった蛇の画像を見ながら、


「こ〜ゆ〜ジョ〜タイのコトなんていうんだっけ?」


「ウロボロス」


「そ〜そ〜それっ!」


「一匹の蛇が自分の尻尾を食べてるやつと、二匹の蛇がお互いを咬んで輪になってるタイプがあるわ」


「そ〜なんだぁ〜」


「蛇は脱皮をするたび生まれ変わってると言われてて不老不死の象徴って言われてるケド、その蛇が自分の尻尾を咬むことで『終わりも始まりもない』完全な状態というシンボルになってるわ」


「へェ〜……ガゾ〜のヘビはキングヘビとうゆ〜シュルイでガラガラヘビやアメリカンマムシをたべるため、じふんのシッポをほかのヘビとかんちがいしてのみこんだカノ〜セ〜――ドジっこだっ!」


「なんかエピソ〜ドはマヌケね〜」


「シ〜イクいんさんがハッケンしたときにはハンブンのみこんで、くるしそ〜にもがいていた……かんぜんなソンザイくるしんでるよっ⁉︎」


「イメ〜ジと違うわね〜」


「シ〜イクいんさんのキュ〜シュツはライブはいしんされている。まず、ゆびでクチをあけさせ、ブジにたすけるコトにセ〜コ〜したっ! よかった! フカンゼンなジョ〜タイにもどったけどたすかったんだね」


「完全な存在とはなんなのかと考えさせられる事件だったわね〜」

そんなもっともらしい事をいう月夜だった。

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