ゆ~しャ。

 いつものバス停にて――


「重さ一、四キロの超巨大牡蠣が発見される?」

 月夜がステ~キハウスのオイスタ~フェアからの関連項目から、そんな記事を読んでいた。


「見つかったのはフランス西部の牡蠣養殖場――天然物じゃないんだ~。あら、おっきいっ!」

 読み込まれた人の手では収まらないほどの大きさの牡蠣画像を見ながら、


「重さ一、四キロ、長さ二五センチの巨大牡蠣はジョルジェットと名付けられて海に返された? へぇ~……食べなかったなんだ~……中……身が見えないから、どんな大きさかイメ~ジできないな~」

 堅い殻の画像を見ながら、


「ど~せなら中見せてほしかったわ」

 なんとか見えないかと、スマホを下から横から覗きこむという二〇世紀の人がしそうな行動をしながら、


「いや。そんなコトしてもみえないでしょ」

 いつも眠そうに半分閉じかかった瞳でそう言ってくるイブキ。


「あっ! やっときた。遅いわよ」


「ん~……ゴメンゴメン。きの~チュ~ゴクのデモど~がみてたらムチュ~になっちゃって」


「へぇ~……そんなもの見るなんて珍し~わね」


「すっごいんだよっ! デモたいにサイルイダンうちこむんだけど、デモのなかからヒトリのユ~シャがでてきてサイルイダンのうえにカラ~コ~ンかぶせてムリョクカっ! いや~すごかったっ!! あれはFPSでもぜひジッソ~してほし~よね! イブキさんもきかいがあったらやってみよ」


「そんな機会ないわよ」


「ガッコ~がテロリストにせんきょされて――」


「ないわよ。学校に戦略的価値ないもの。生徒が人質ってのは考えられるけど、もっと地位の高い人のトコいったほうが効率いいし」


「ケ~カンたいからうちこいまれたサイルイダンをイブキさんがカラ~コ~ンでムリョクカっ! ハクシュカッサイのテロリスト」


「敵が得してるじゃないっ!」

 そういって呆れる月夜だった。

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