へんしュ〜。

いつものバス停にて――


「モンスタ〜グリルっ⁉︎」

月夜が突然そんな声をあげる。


「七月二六日か三日間限定で五オンスステ〜キが一〇〇円っ!」

焼きたてステ〜キの画像とともにそんなキャンペ〜ン記事が、


「一〇〇〇円あれば五〇オンス……オンスって単位がいまいちピンとこないケド……これはいくしかないわね〜……ひさしぶりのビッグイベントよっ!」

気合いをいれてそんな事を言っている月夜の隣では、


「あたらし〜ド〜ガへんしゅ〜アプリ?」

イブキはテクノロジ〜系ニュ〜スの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「しかもムリョ〜で――なんとAIがヒツヨ〜なモノをセンベツしてヘンシュ〜してくれるっ⁉︎」


「おぉ! こ、これはすごい……」

イブキの頭の中でロボットがパソコンの前に座って動画編集をしている姿をイメ〜ジする。


「ハイケ〜だけきりとったり、うごいてるモノをぬきだしたりするヘンシュ〜アプリはあったけど、AIがぜんぶやってくれるのなかったなぁ〜……そ〜ゆ〜ジダイになったのかぁ〜」


「ねね。月夜みてよ。AIがいらないモノをサクジョしてド〜ガへんしゅ〜してくれるんだって」

そう言いながら記事を隣の月夜に見せると、


「でも、一番いらないアンタがまっさきに消されそ〜じゃない?」


「えっ! イブキさんのド〜ガなのに?」


「ゲ〜ムプレイだもん。アンタいらないじゃない」


「いやいや。みんなイブキさんのすがたを……」


「ウチがAIならゲ〜ム画面をメインにしてアンタの姿はモザイクとかにする」


「も、もざいく……」


「それに――一部分を隠したほうがかえってみんなの注目を浴びる事もあるわよ」


「なる、なる」


「とりあえずウチがAIなら顔全部かな~」


「イチブじゃないじゃんっ!」

 イブキの動画作りは難航しそうだった。

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